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MIDDLEPHASE②

GM:さて、では次のシーンを始めよう。君たちは倒れたインプの先、前方10メートル地点に洞窟を発見した。


ぎう:で?


GM:その洞窟には入り口に何故か扉がついており、その両サイドには銅像まで飾られていて、明らかに人の手が加わっているということがわかる。


社蓄:それもう洞窟じゃねぇ(笑)


GM:まぁ、ダンジョンの入り口に扉は基本だろう。さて、どうする?


ぎう:……トラップ探知?


GM:だろうな(笑)



□■□



……ここで、読者の皆様にはこのエリアに仕掛けられているギミックについて説明しよう。


インプが倒れている地点から10メートル先にあるという扉、実はこの扉にはトラップと呼べる物が一切仕掛けられていない。

強いて言うなら『鍵A』がかかっている程度であり、それを開錠できるキーも普通にインプが所持しているため、服の中を探れば簡単に見つけることができる。


では、PCたちにとって何が驚異となるのか。



答えは、扉の左右にある『銅像』である。



この銅像にはトラップの『エクスプロージョン』が仕掛けられており、扉に対してPC達が何か行動を起こすと、それが引き金となり大爆発を起こす仕組みとなっている。


つまり、扉に対して「トラップ探知」という行動をとった場合でも、銅像は爆発してしまうのだ。


さらにタチの悪いことに、この銅像は扉の左右に1つずつ、つまり、合計2つ仕掛けられているため、普通の『エクスプロージョン』の2倍のダメージが飛んで来ることになる。


これは、《プロテクション》で防ぎきれるモノではない。


よって、PC達は序盤から大ダメージを喰らうこととなるのだ。



このトラップを潜り抜けるには、扉より先に左右2つの銅像をトラップ探知して、それぞれに仕掛けられている『エクスプロージョン』を解除する必要がある。


「ダンジョンの扉にはトラップがあると思え」と言われているアリアンロッドにおいて、このギミックは常識を外れたもの。


そう簡単に破られることは無い。


……と、GMはそう思っていたのだが………



□■□



ぎう:それじゃあ扉に近づいて…


マギサ:いや、その前に銅像調べといた方が良くね?




……勘のいい奴め……………




ネオ:………じゃ、銅像から?




まずい。このままでは一瞬でトラップが見つかってしまう。そう感じたGMはPC達の注意を銅像からそらすためにこう発言した。




GM:待て!お前ら!!扉とか銅像とかの前に、まずわざわざ転がってるインプの描写をしたことに注目しろ!!!


ネオ:あ、そういえばいたなそんなの(笑)




作戦成功。どうにかPC達の注意をインプに向けることができた。

このままインプが持っている鍵を回収して扉へと突っ込んで貰えればGMとしては万々歳である。




ぎう:インプを…どうするの……?


マギサ:……所持品検査??


GM:(うんうん)


ネオ:何か持っているようには思えないけどなぁ


GM:(……ん?)


ぎう:じゃあどうする?


GM:(ち、ちょっと?)


社蓄:インプを………………




ここで、アリアンロッドの常識というものを知らない社蓄から、とんでもない提案が成された。




社蓄:インプを……扉に向かって投げてみる?


GM:(………………え?)


ネオ:あ、それいいね。トラップ探知の代わりにもなる(笑)


GM:(…………あ、あれ?)


マギサ:GM、できるよね?


GM:あ、えと……筋力判定で10以上出せば…


ネオ:(ダイスを振る)…15で成功。


GM:…………………




作戦が完全に裏目に出た瞬間であった。

苦し紛れに提示した筋力判定も難なくクリアされ、

インプは宙を舞った……。




GM:……えー…インプが扉に衝突した瞬間、左右にある銅像が大爆発を起こし、インプの身体は木っ端微塵に吹き飛んだ(一同爆笑)


マギサ:インプーーーっ!!


社蓄:お前のことは忘れないよ!明日まで!(笑)


GM:酷ぇよ!!てかその前になんで投げるって発想に思い至ったんだよ!??完全に予想外だったんですけどっ!??(一同大爆笑)


社蓄:いや、ただの素人の思いつきだから(笑)


GM:くそおおおおおおおおおおお!!!!!


ぎう:(笑いながら)…で、扉の方はどうなった?


GM:あ、えーと、扉は先ほどの大爆発に飲まれたにもかかわらず傷1つついていないね。


社蓄:硬っ!?


マギサ:え?どうやって開けるの?


GM:いや、単純に鍵がかかってるだけなんだが、それを開けるためのキーはインプが所持していた。


ネオ:……………………え?


GM:(沈んだ声で)………どないしましょう。


マギサ:いやそれは自分で考えろよ!!(一同爆笑)


GM:わかったわかった(笑)キーは扉の前に落ちてたことにするよ!


ぎう:了解。じゃあ鍵を開け……トラップは無いんだよな?


GM:無いっつってんだろ。疑いすぎだ(笑)


ぎう:いや、お前は本っ当に信用できないから(一同爆笑)


GM:ひでええええええ!!??


ぎう:(笑いながら)…じゃ、鍵を開けます。


GM:はい。扉を開けると短い廊下を経て…すぐに次の部屋が見えるね。


ネオ:じゃあ、万が一トラップがあっても大丈夫なように、感知の高いぎうちゃんが先頭で進む方向で。


ぎう:了解。


社蓄:俺たちは出番無しか。


マギサ:うむ。


ぎう:それじゃあ前に進みま………GM。


GM:ん?


ぎう:この洞窟……ドラゴン入れるか?(一同爆笑)


GM:あ〜……洞窟の幅は2メートルくらい。それより小さいドラゴンなら入ってもいいよ。


ぎう:OK。じゃあドラゴンの大きさは2メートルくらいってことで、ドラゴンに騎乗したまま進みます。


GM:OK。ではそこで危険感知!!


ぎう:ぐは!いきなり来やがった!?


社蓄:なに?


ネオ:トラップが作動したんだな。まぁ、危険感知の判定に成功すれば避けられるんだけど。


GM:その通り。難易度は12だ。


ぎう:(ダイスを振る)…14で成功。


GM:ちっ、ではぎうちゃんは廊下に仕掛けられていたトラップ『落とし穴』に気がついた。


ぎう:踏まないように気をつけて進みます。


GM:OK。他の3人も進んじゃって大丈夫よ。


三人:了解。


GM:では次、廊下を抜けると、君たちは10メートル四方くらいの広さがある部屋に入った。


マギサ:何かオブジェクトは?


GM:まず、部屋の奥に扉があるが、鍵がかかっていて開かない。


ぎう:ふむ。


GM:そして部屋のど真ん中には……


一同:…………?


GM:……5メートルほどもある、とぐろを巻いた巨大な蛇の銅像が鎮座している。


ネオ:また銅像かよっ!??


マギサ:ぎうちゃん。トラップ探知を!


ぎう:ほいきたーー!


GM:いや、何もねぇから!!?(一同爆笑)




どうしてこうも信用がないのであろうか。




GM:えーと、蛇の銅像にトラップのようなものが仕掛けられている形跡はないが、ただ、蛇の口の中に何か光るものが見えるね。


ぎう:ほぅ。


GM:で、それが何かを確認するには、登攀の判定で蛇の顔のとこまで登ってもらって、口の中を調べてもらう必要がある。


マギサ:登攀か。


ネオ:しまった。登攀の判定に+1Dのボーナスが入る《アスレチック》は持ってないんだよな……


GM:まぁでも、高さ5メートルだし、1回判定成功すれば登れちゃうでしょ?


ネオ:いや、装備してる『ライトスーツアーマー』の移動力マイナス修正がキツくて、現在の移動力が9しかないんだわ。だから1回の判定だと4メートルしか登れない。


GM:え。


社蓄:因みに他の連中は判定自体が厳しいぞ。


GM:う。


ぎう:さて、どうしようか……


GM:…………この判定成功させないと先に進まないからなぁ……仕方ない。ズズズズズ…銅像が4メートルになった。


ネオ:縮んだっ!?(一同爆笑)


GM:そうしないとちょっとキツすぎるかなぁと思ったので…(笑)


ぎう:なんて親切なダンジョンなんだ(笑)


ネオ:いや、実を言うとそんなキツくないんだよな。登攀の判定は難易度10の筋力判定だから、ファンブル以外で成功する。


GM:それを早く言えよっ!?(一同爆笑)


ネオ:はっはっは。ごめんごめん。それじゃあ振ります。(ダイスを振る)…1,2……達成値10。


GM:ギリギリじゃねぇかっ!??(一同爆笑)ま、まぁ成功は成功だからいいや。ネオは重い鎧に不自由しつつも、頑張って銅像を登って行くよ。


社蓄:俺たちは出番無しか。


マギサ:そうだな。


社蓄:還暦さんは登らないの?


マギサ:《ウォータースピア!》


社蓄:ぐはっ!?




………そこ、何やってんだ。




ネオ:さて、じゃあ頭まで登りきった所で……ダメ元でトラップ探知。(ダイスを振る)…達成値12。


GM:惜しい。探知失敗。トラップ『毒ガス』発動。ネオが蛇の口を覗いた瞬間、プシューーーー…と、紫色のガスが吹き出した。(ダイスを振る)…7点の貫通ダメージ!


社蓄:あ(笑)


ネオ:ぐっ…流石に探知は無理だったか。そのトラップ、《プロテクション》はできる?


GM:できるよ。


社蓄:あ、できるのか。出番あった(笑)…では《プロテクション》(ダイスを振る)…4点軽減。


ネオ:3点ダメージをくらいました。


GM:ラウンド進行中じゃないのでバッドステータスの毒は入らないね。結局3点だけか、あまり意味無かったな(笑)


ネオ:《プロテクション》のお陰だな。


GM:それじゃあトラップの処理は終了したということで、毒ガスが周囲に霧散した後、ネオは口の中に鍵Bを発見するよ。因みにこの鍵、奥の扉を開けるためのものだ。


マギサ:なるほど。


GM:それと、上に登ったネオはもう1つ重要なことに気がつく。


ネオ:ん?


GM:蛇の銅像だが、何故か左目の眼球が無くなっているのだ。


ぎう:………ん?


GM:まぁ、コレは後に関係してくるんだけど、今は関係ない。覚えといてくれればそれでいい。


ネオ:わかった。それじゃあ鍵を回収して、もう一度登攀の判定で蛇を降ります。(ダイスを振る)…達成値15で成功。


GM:OK。ネオは安全にゆっくりと降りてきた。


ネオ:それじゃあ鍵をぎうちゃんに渡します。


ぎう:あいよ。そして扉にエンゲージしてトラップ探知。


GM:鍵Bがかかってるだけ。他には何もない。


ぎう:じゃあ鍵を開けて先に進みます。


GM:OK。これでこのシーンは終了。次のシーンはお楽しみのアレだよ(笑)


社蓄:うわぁ……嫌な笑顔。


マギサ:きっとロクでも無いものが出てくるに違いない。


GM:やかましいわ(一同笑)






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