もっと愛を叫べよ。
本当にガチ下ネタ注意です!!
「好きですっっ!」
「俺、お前しかみれない……っ!」
「一発ヤらせてくださァっい!!」
「愛してるぅぅ、Foooooooo!」
「男でもお前が好きだぁぁぁ!!」
今日も今日とて、私の周りにいる“男達”が告白される。どっかから聞こえる喘ぎ声なんて知りませんし、聞こえません。
女ってこと隠してないし、隠そうとも思わない。多分隠した方がやばいと思う。
私の周りの男達はそれはそれは個性的だ。オネェだったり、女子力高かったり、下ネタばっかだったり、腐男子だったり。まぁ、色んな奴がいる。
元々男子校だったこの学校、私立漢気学園。女子受け入れる気あんのか?ってなるような名前だが、男達のゲイカップル率が高すぎて、問題になるという事件が起こったそうで
急遽、共学にした漢気学園。だがしかし、入学してきた女子は私ただ一人!!という現実。教師達からは逆ハーレムでもなんでも作っていいから頼む!と言われる始末。
え?私がなんでこの高校に転入したかって?
私がここに転入したのは、ほとんど無理矢理みたいなもの。普通の共学に通ってたのにあの人のせいで……。
先生、頼むと言われたが私はこいつらにはかないません。やる事なす事、はちゃめちゃ過ぎます
それは、登校初日の朝礼のことだった。
周りには、男、男、男、漢ばかり。女子一人だけだった。けれども生徒会長挨拶までなんとか持ちきった。
生徒会長挨拶で呼ばれたのは、髪の毛天パの笑顔が爽やかな人だった、だけどコイツがもっとも非常識な奴で
「みなさん、今年はとても喜ばしい出来事があります。それは女子の高崎 六花さんが一人転入してきてくれたことです」
生徒会長の辻堂 桃季さんが私のことを口にした事により、一斉に視線が私の方へ向く、思わず頬の筋肉が引き攣った。
嫌な予感がする、というか嫌な予感しかしないよ。ねぇ
「六花さん、ステージへどうぞ」
知ってた、フラグって奴だよね。うん
呼ばれたのに断るわけにもいかず、男共がみているという恐怖もあり私は背筋ぴーんの状態でステージへとあがることとなった。
ステージへと上がれば、にこにこと生徒会長の辻堂 桃季先輩は笑っている。もしもーし、なにが面白いんですかあー?なんて考えてるとと生徒会長はまたクスリと笑った。
「六花さんも知っているようにこの学園は、ほとんどホモの集まりです。もちろん生徒会も大半はホモです。でも僕は腐男子です」
「アッ、ハイ」
突然の爆発発言に私の脳内はキャパオーバー。
ステージ下にはカメラを持った人達がたくさんいる、新聞部か何か……?
「そんなホモの中、六花さんは苦労することでしょう。頑張ってくださいね」
「はぁ」
ウィンク☆じゃないよ。激しく殴り倒したくなった。
まだペラペラと話す生徒会長の横で私は呆然としていると、ちょっとまったぁ!!との声が聞こえる
「桃季。てめぇ、腐女子というやらを味方につけようとしやがったな!!」
「私が腐女子?」
私のことなんて完全無視で生徒会長とガチムチの間で口論が勃発する。それを静かにそれも微笑ましそうに眺める全生徒。
この学園、何かがおかしい。知ってたけど
「いいか!? ガチムチは攻めなんだ、現に俺が攻めなんだからな!」
「ちっちっちっ、ガチムチは受けだよ。どのBL本でもガチムチは受けだからね。ガチムチ同士だったらまた別の話だけど、鈴之助は分かってないなぁ」
くだらない、話してることすっごいくだらない。
なんなの、ねぇ。それここで話すことなの?腐女子とか言ってるけど私ノーマルですよ、ねぇ。
「あの……その……」
「なんだ腐女子という女」
「私は、大崎 六花です」
「そうか、では腐女子ということだな」
このガチムチだめだ、人の話聞いてくれない
というか、ガチムチにいる後ろの筋肉達はなんなの?めっちゃポーズとってるけど。なんかもう色々ツッコミたいんですけど
「ねぇねぇ六花ちゃん、ガチムチは受けだと思う? 攻めだと思う?」
「……」
「やっぱり受けだよね! うんうん、六花ちゃんとは趣味があいそうだ!」
黙ってたんですけども、何この人。そんなにガチムチが受けがいいの?ねぇ。
ガチムチはガチムチで攻めだ!って言ってるし、ガチムチの後ろの筋肉達はポージングしてるし
あれ、私ここにいる意味って?
「……ない」
「ん?」「あ?」
「私、ここにいる意味ないですよね!? ガチムチが受けとか攻めとかめっちゃどーでもいいです!」
それは、今日一の叫びだった。
その日からここに登校しているものの、周りの男共が告白され。至る所でギシアンギシアンと聞こえてくる。常識人はいないのか……。この学園。
風紀委員ってのはないわけ?活動してるけどみんながおさまらないとか?
「先生、風紀委員ってどこにいますか?」
「あぁ、それならな……」
先生によると、3年の先輩に芥辺 松哉さんという風紀委員がいるらしい。だけど、この学園だから風紀委員なんていらないと思ってるらしく、風紀委員はたったの一人だそうた。
いるにはいるけど風紀委員として知られてるのは芥辺さんだけなんだとか。
委員会は風紀委員に入ろう、というか入らないといけない謎の使命感がある。
まずは、芥辺さんという人に会いに行こうか。一人で風紀委員って言われたる程だし、常識人だといいな……。
三学年にやってきた私はさっそく、金髪の先輩に話し掛けてみた。
「芥辺 松哉さんっていますか?」
「俺だけど何用? あ、もしかしてヤろうぜ的なお誘い? やべっ、まじやべぇよ。俺とーまーに生きてきたから神からのいあーごじ的な?」
「いえ、人違いみたいです。風紀委員の芥辺 松哉さんを探してます」
いやいやいや、この人のわけないない。
え、そうでしょ?ねぇ、この人のわけないもんね。芥辺さんは真面目で常識人だもん
「ちょ、爆笑。それ俺な、風紀委員で芥辺 松哉で神とか俺な。まじ人違いとかないっしょ、明らかに俺っしょ」
ドンッと音がした。
それは、私が先輩に壁ドンならぬ。壁壊しに掛かったからだ。先輩の顔は真っ青としていた。
薄々感じてたんだよね、私のフラグが立ってるって。だから、もう突っ走ってしまおう!
後戻りはできない、この私がこの学園を変えてみせようか
「誰が神って言ったよ。明日、髪の毛染め直してきてください。そして、その無駄にじゃらじゃらと付けたアクセサリー等を外してくること。日本語も私と一緒に学びましょうねっ、せ ん ぱ い」
「う、うぃっ〜す」
またさっきよりも強く壁壊しをした。
本当に危機感がない先輩だな、ワントーン低くして言っても分かってくれないか。何をしてくれれば分かってくれるのか
「せんぱぁい、返事は“はい”ですよね? あ、もしかして体に教え込まないと分かりませんか?」
「は、はいぃ」
「良くできましたっ。明日、期待してますよー。私の名前は大崎 六花です。よろしくしてください」
額を少しこつんっとつつくと、「はい……」と崩れ落ちた。うんうん、ちょっとやり過ぎたね。手が痛い
でも、明日は期待するとしよう。
芥辺から見た、彼女のその後ろ姿はいけめん過ぎたのだった。恐るべし、大崎 六花。
それからというもの、芥辺は教育という名の調教を六花にされ更生したのだ。
そして、この漢気学園は日に日にというか毎日。風紀委員の大崎 六花とその下僕、芥辺 松哉により厳しく取り締められた。
「コンドームも没収です」
「荒縄、SMプレイか。これも没収」
「六花ちゃん、ローションも没収っすか?」
「もちろん」
いつくるか分からない抜き打ちチェックにより、没収されてく品々。荒くれのホモ達は反乱を起こすこともあったがそれは六花によって鎮圧される。
「これらを返してほしいなら、誠心誠意私に謝り、謝罪の態度を示すことです」
これらをやっても尚、ホモ達の勢いは留まることを知らない。それに六花は悩んでいた。
「どうして、返されなくてもまた新しいアダルトグッズが出てくるわけ? もしかして、誰かが密売をしているの?」
没収してもしても、底突きないホモ達の玩具は倉庫に仕舞いきれなくなるほどだった。
そんな、六花が倉庫の整理をしている時にやっとホモ達の玩具が底突きない理由が分かったのだ。
「生徒会長、これはなんでしょう」
「さぁ、なんだろうね」
しらばっくれるな、くそ会長。私には分かってる、これは全部生徒会長が生徒達に配ったってことくらい
生徒会長ってアダルトグッズに名前書く馬鹿がどこにいるか。ほんと
「最近、六花ちゃんやりすぎなんじゃない?」
「この学園を正常に戻すためです、明らかに可笑しいじゃないですか」
「……それは一般から見たことでしょ? でもね、僕達にとっては通常で正常な事なんだ。君はそれを否定するの? そんな権利あるの?」
真っ直ぐな目が六花を捉える。少し低くなった声に六花は震え、俯いた。
生徒会長の言葉は、あまりにも六花には受け止め難い言葉だったのだ。
「でも、社会に出て困るのはそっちですよ」
「そんなのどうだっていいじゃないか、僕達の恋を邪魔する権利だってないのに君はあまりにも横暴だね。そんなに僕らが異常に見えるかい?」
「……はぁ、一種のマインドコントロールですか。だからって生徒会経費でBL本はだめですからね。自分のお小遣いで買いなさい」
「え″っ」
「別に私は、ゲイとかホモとか異常だと思ってませんよ。むしろ自分に素直でいいじゃないですか。もっと愛を叫んでくれても構いません。でも、ただ本当にこのままだとこの学園が潰れますよ。色々と問題がありすぎて」
例えば、生徒会長が生徒会経費使ったり。授業が授業じゃなかったり。部活の大会がボロ負けだったり。お金だけ無駄に使うこの学園は多分というか絶対潰れる
ゲイとかホモとか今そんなのどうでもいい。でも、私の高校生活と言う名に傷がつくことは断じて許さない。
「異常とか通常とかそんな理論求めてないのでお金を使わないでください。BL本についてはみんな調査済みですよ」
「……六花ちゃんは強いなぁ、可愛いし。謙虚だし」
「そこで媚び売らない。とりあえず今まで買ったものは許しますがもう今後買わないこと、いいですか?」
「はーい」
最後に六花は生徒会長に確認をとると、すぐにその部屋から出ていった。
「媚びじゃないんだけどなぁ……。ま、いいや。漫画部の新作見に行こうかな」
なんて、六花の高校生活はまだ始まったばかりで同学年の女装子と仲良くなったり、ファンクラブの男を取り締まったり、いつの間にか逆ハー状態になったりするなんて
今の六花は、まだ知らない。知らない、六花がゲイカップルの応援の為に燃えるなんて誰も知らない未来の話。
「もっと愛を叫べよ」
これは誰の言葉でしょう?
女装子とかオネェとかまだいっぱいあるけど止まらなくなるのでやめとこう。
人気があれば、連載にするのもありかなって考えてます。
文才なんて皆無だけど、楽しく読んで頂けたらなって思ってます。
芥辺の言葉
とーまー→真っ当
いあーごじ→ご自愛
脱字誤字あったら指摘よろしくお願いします!