03-5
ついにきました、山ちゃんパート
とりあえず頼りになる先輩が駆けつけてくれました
前回のあらすじ
クシが山ちゃんの家に辿り着いた
◇ ◇ ◇ ◇
突然、ヤエ先輩から謎のメールが届いた
私はその時、その謎のメールが何を意味しているかを知らなかった
クシ先輩が到着したときは私は布団の中で震えていたのだった
◇ ◇ ◇ ◇
今回の話は、クシが山ちゃんの住所を手に入れた時間まで遡る
キュルルルュ〜
ガチャ
約1時間前
ちょうど私が<エルダー・テイル>からログアウトした瞬間に携帯が鳴った
『やっほー、ヤエだよ!ミサミサ元気してる〜?いま住所おしえからそっち行くかも。じゃあ、またね〜』
?・・?
ヤエ先輩からメールがきた?
しかしタイミングが絶妙です。
今日は少々体調がすぐれなかったので、いつもより早めにログアウトしたのにそれを見計らったようにメールが届きました。
今日はヤエ先輩はインしていなかったので、いま私が<ログアウト>をしたことは分からないはずですが?
まぁ、あのヤエ先輩ですから特に気にしなくてもいいでしょう。以前クシ先輩も「クラスティ君とヤエの行動を気にしても時間の無駄」と言ってましたし
それよりもメールの内容がよくわかりません。
いまは熱があるためか余計に頭がクラクラします。
先ほどのギルド会議でギリギリだったのですが、そこにヤエ先輩からの不思議メール
私にトドメを刺そうと?
おっといけません。体が弱ってるせいか思考がちょっと後ろ向きです。流石のヤエ先輩でも、そこまでひどい方ではないはずです。きっと
さて、頭はあまり回りませんがもう一度メールを見てみましょう
『やっほー、ヤエだよ!』
はい、ヤエ先輩ですね
『ミサミサ元気してる〜?』
残念ながら元気ではありません。むしろいま体調が悪化しました
『いま住所おぼえからそっち行くかも』
今まで忘れていたのでしょうか?
『じゃあ、またね〜』
はい、また今度お会いしましょう
???
やはり訳がわかりませんね。今度私の家に来るということでしょうか?
さて、気にしてもしょうがないので携帯を置こうとしたらまた携帯が鳴りました。
またヤエ先輩からでしょうか?とりあえず見てみましょう
『いまからそっち行くね』
ヤエ先輩がいまから来るのでしょうか。
おや?しかし今回は知らないアドレスからでした。
紛らわしい間違いメールですね。
さすがにそろそろ体もキツくなってきたので、横になろうとしたら
『1時間ほど待っててね』
また、同じ方から間違いメールがきました
本当は「間違ってますよ」と返した方がいいもでしょうが、いまはその気力がわきません。
そういうわけで疲れたのでベットに横になります。
間違いメールの方がちゃんと相手に会えますように
しかし、間違いメールはまだまだ続きます
『いまから電車に乗るから。しばらく待っててね』
20分後
『〇〇駅に着いた』
おや?ウチから一番近い駅ですね。それより、
『タクシー呼ぶから、もう少しだけ待っててね』
『多分近くに着いたから、あと少し待っててね』
『アパート見つけた。あとほんのちょっと待っててね』
、、、なんだか関係ないのに怖くなってきました。
熱が上がったのか寒気がしだしたので布団を被ります。寒気というか悪寒というか、、、
さすがに間違ってますよ、とメールを打とうとしたら
『○◇▶︎で合ってるよね?』
え!?私のアパート!
『もうすぐだから、待っててね』
『○○○号室だよね?』
違います。そこは私の部屋です、、、
きっと打ち間違いでですよね?そうですよね!?
知らないアドレスからくるメール
何度もくるメール
何度も何度もくるメール
送り主は...えっと?
kusy-atama@dddmail.jp
クシャ、アタマ、、、
頭がクシャ?
怖い怖い怖い
『いま玄関の前』
玄関から音が
『コンコンコン』
確かに聞こえます
『、、、着いたよ!』
『キャッ!』
思わず悲鳴をあげてしましました
でもそのあとは
ドン!ドン!ドン!
ガチャガチャガチャ
ピンポン、ピンポン、ピンポン
「、、、!どうしたのドア開けて」
ホラー映画は好きではありませんでした。
でもこのリアルホラーを体験してからは観ていてもつまらなくなりました。
所詮は編集された映像とそれにあわせて作られた音。
その程度では怖くないですよ?
知ってます?リアルでは効果音なんてないんですよ。
ただ、ドアを叩く音とドアノブを回す音だけが聞こえます。
それ以外は私を呼ぶ声が
「山ちゃん、大丈夫!」
ん?なんだか呼んでいる声に聞き覚えがあるような。それもほぼ毎日。むしろ今日も少し前に、、、
あれ?この声は櫛八玉の声、クシ先輩?
カメラ付きインターフォンを覗いてみます。
玄関前にはカメラが2箇所付いています。ひとつは後ろ姿が、もう一つはやや上から顔が見えるように。
そこには背の高い女性と思われる人が映っています。そして顔には見覚えが。むしろ声に聞き覚えがありすぎます。
「そ、その声は、もしかしてクシ先輩ですか?」
さて、1人暮らしに向いたアパートでドアを叩いたり無理矢理開けようとしたり、名前を叫んだり。周りにはどの様に思われるでしょうか。私だったら関わりたくはありません。出来ることなら関わりたくなかったです。
クシ先輩、他の人に見つかる前に早く家に入って下さい。え、免許証?そんなのあとでいいです。それより早くしてください!
思い返すとあの連続メールにも覚えがありました
私がゲームを始めた頃に頻繁にクシ先輩から連絡してきていただいていました。
本当に頻繁に、いまどのフィールド?、クエスト手伝うよ!、アイテム足りてる?、一緒についてくよ!
しばらくたって、なんとかヤエ先輩に頼んで止めてもらいました。
しかし私の記憶が『間違ってなければ』、櫛八玉は<エルダー・テイル>でミロードと話し中では?
それなのにどうして私の家に来ているのでしょう?
今回の山ちゃんはすでに意識がフラフラです
あれ?
高山三佐のイメージ像はどこいった!?
アニメ2期ではクラスティに
「退屈ですか?新しいおもちゃを欲しそうにしてますね(困ったお方だ)」
的なシーンは観たんだが、、、リアルソルジャー?
あと「03ー」シリーズはどこまで続くのだ?