03-3
残念ながら、今回は悪魔との取引の回になりました。
「あ、ヤエ!山ちゃんの住所教えて!」
「・・・」
「コラっ、さっさと教えろ」
「クシがお馬鹿から大バカに進化してしまった!もう手遅れなのか?このへんに医師免許は持ってないけど大金払えば治してくれる凄腕なブラック医者はおりませんか〜」
「ちょっと、ヤエふざけていないで早く山ちゃんのじゅう」
ヤエは珍しく真面目でそれでいて低めな声で
「クシ、一度しか言わないからよく聞け。あんたは自分が『なに』を聞こうとしてるか、わかってるか?」
「え?だから、山ちゃんの住んでるところを、、、あ!」
「そう、クシは『ゲームの中だけの後輩』の『現実の住所』を知ろうとしてる。ネットゲームのマナーだけでなく、社会の常識すらも守っていない」
「でも、この前のオフ会で、」
「この前のオフ会で一度は会ってると言いたいの。クシは一度会ったら誰でも友達か?なら、クシは彼女が『高山三佐』だということ以外のなにを知ってる?」
「え?だ、だからこうして」
「だからこうしてヤエに泣きついてきたと?クシはヤエが他人のプライベートをぺらぺら何でも喋るヤツだと思ってたわけ?」
「違う、そんなつもりじゃ!で、でも頼れるのがヤエしかいなくて!」
「あー、ゴメン。今のはちょっと意地悪だったか」
「えっ!あ、えーと。こっちこそ急に大きな声出してごめん」
「まぁ、クシとは長い付き合いだから、どうせ何も考えずに行動して勝手に暴走てるぐらいはわかってるけどね。でも最近クシはミサミサに超構い過ぎるから、ここいらでお灸をすえておこうとね」
「うっ!否定が出来ない」
「で?わかってくれた?クシ」
「よくわかった。それでも」
「それでも?」
「それでも私は山ちゃんの住所を知りたい。お願い、ヤエ。後でなんでもするから、今は私のワガママをきいて」
「ふむ。お主の決意は変わらぬか。ならば、その理由を包み隠さず話すのじゃ。それが願いの対価に等しいか見極めよう」
「わかった。でも、ギルド会議の内容になるけどいい?下手するとヤエまで巻き込むけど」
「フォッフォッフォ。その程度、案ずることはない。お主が気にするな」
「ヤエ、、、」
「いや〜、今日の会議には呼ばれてたんだけど、ブッチしたんよ。だから、どうせ後で議事録が回覧されてくるからヤエには関係ないし〜」
「私の感謝の念を返せ!」
「まあ、それより急いでいるんでしょ。さっさと話しな」
「それじゃあ、はしょって話すけど、、」
櫛八玉が一連の騒動を説明
「なるほど。それでミサミサが心配だから直接会いに行くと。なんか思った以上に理由がしょぼい」
「なんだと!で、教えてくれるの?くれないの?」
「えっと、ミサミサの住所だっけ?あーごめんごめんすっかり忘れてた」
「たまには人の話をちゃんと聞け」
「いや〜この前のオフ会の後でミサミサがさ、年賀状を送りたいから住所を教えて欲しいといってきたからクシの住所と交換したってことを、クシに伝えるのすっかり忘れてた」
「はあ?」
「というわけで、今からメールするから。ちなみにヤエ宛の年賀状もクシの家に届くからそん時はうちまで届けてね」
「ちょっと待て!なに私のプライベート情報を勝手にぺらぺらしゃべってるんだ!?あんた、さっき自分で常識がどうとか言ってたでしょ!」
「え?さすがにヤエでも何でもかんでもは喋ってないよ。ちゃんとオフ会の食事だけじゃ物足りなかったからこっそりラーメン屋に行こうとして、山ちゃんがクシを見失ったことは黙っておいてあげたよ?」
「なんで住所よりラーメン屋が重要なんだ」
「えー、だってゲーム内でクシが自分は小食だってウソ言ってたじゃん。櫛八玉の名誉を守ってあげたんだよ。感謝しな」
「ぐっ、確かにそんなことを言ってたような」
「まあいいや、とりあえず住所教えたんだから、約束守れよ。『後でなんでもする』だったよね?まあ、今回だと焼肉ぐらいが妥当かな。もちろん、食べ放題じゃないヤツ」
「なんで、ヤエのせいでヤエに焼肉おごるハメになるんだ!?」
クシは約束をきちんと守るタイプ
ヤエは約束をさせるタイプ
ちなみに8割ほど書いたところでデータが一度消えたため、心が折れてしまって内容がかなり薄くなりました。
ヤエを悪魔扱いしたからか?
まさか眼鏡が見ているのか!?
(03-1のあとがき、、、)