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今回、櫛八玉さんは少ししか登場しません。ですが、きっちり活躍します。

「おい、なんかギルド掲示板に新しい貼り出しが出たらしいぞらしいぞ」


「まじ、何かイベントの告知か?」


「ついこの間、大規模戦闘があったから、そのレポートだろ。参加した奴に聞いたんだけど、今回は前日にいきなり参加予定のレイドが変更になったらしいぞ」


「へー、参加したことないけど、大規模戦闘って挑戦レイドごとにかなり準備に時間がかかるって聞いたことあるぞ。ウチぐらいデカいギルドになると速攻で準備できるんだな」


「いや、そうでもないらしいぞ。なんでも今回は突発に発生したレイドイベントへの対処訓練だったってよ。そのせいで、結構無駄な物資使ったて、倉庫組が言ってたからな」


「うわ〜、ウチの上層部はスパルタだな。俺、もうしばらく参加しなくてもいいや」


「いや、お前のレベルじゃ参加資格すらないだろうないだろう。そういうことはまずカンストしてから言えよ」


「俺はリアルを大事にするライトプレイヤーなんだよ。上位の廃人プレイヤーと比べるなよ」


「お前は真面目にクエスト消化してないだけだろ」


「ねえ!!あなた達、今日の掲示板見た!スゴイの出てるらしいよ」


「まだ見てないけど、どうせレイドレポートだろ。俺たちが読んでも役にたたんだろ」


「それは昨日出てたやつ。それじゃなくて今日、ギルマスの署名付きで『ギルドメンバーへの除名処分』が張り出されてるらしいの」


「はあ?まじで。公式な除名処分なんて俺がこのギルドはいって初め聞くぞ」


「ええ、私もよ。それに、どうも対象者がメインスタッフらしいのよ」


「マジかよ。ちょい、今から見に行こうぜ」



◇ ◇ ◇


ギルド掲示板


『ギルドの規律を著しく乱す行為をした為、対象者に以下の罰則を与える。


罰則

1、ギルド活動への参加を禁じる。

2、ギルドホールの出入りを禁じる。

3、ギルドシステムからの補助機能から除外する。

4、ギルドメンバーへの協力要請を禁じる。

5、上記を守らない場合は、除名警告を行う。

6、罰則の期間は本日より30日とする。



対象者:櫛八玉



ただし、対象者の申し出により特例で、罰則期間内は当ギルドから除名扱いし、期限終了後は必ず復帰させる。



以上


<D、D、D> ギルドマスター クラスティ 』


◇ ◇ ◇


掲示板への記載の前日

ギルドルームでの会議



「では、今回の彼女への罰則はこの内容で告知する」


「ミロード、流石にこれは厳しすぎではありませんか!いくら御姉様がドタキャンしたからといっても、今回の即興での挑戦レイド変更で得たデータは、現在の大規模戦闘の編成における問題点の見直しに十分役立つものです」


「リーゼ、それと彼女がとった行動は関係ない。君は今回の出来事でのギルド内外に、どれほど悪影響が出たか確認しているはずだ」


「たしかにそうですが」


「ちなみに、この告知書の草案は彼女自身が作ったものだ。もちろん私が最終的に一部書き加えている。私は今回の罰則としては、この内容で妥当と考える」


「確かに、レイド参加者は今回の騒動の原因に彼女が関わっていると思う者も少なからずいた。処罰内容によっては、我々メインスタッフに対しても疑惑の念を持たれてしまうだろう。そうなると、今後のギルド運営に支障がでる。ギルドマスターからの罰則として、俺もこのくらいの処罰内容でいいと思う」


「ですが、これでは御姉様に対して良からぬ噂がたってしまう可能性が。御姉様が戻って来られても周囲との亀裂になりかねません。それで本当に脱退されてしまっては、あまりにも御姉様が!」


「わかっていると思うが、この会議の内容は他言無用だ。今までどうりの箝口令をしく。そのうえで君達には彼女が戻ってくるまで、良からぬ噂が蔓延しないように間接的に動いてもらう。私としても今回の一件で<D、D、D>(我々のギルド)から彼女を失うことは絶対に避けたい」


「わかりました、ミロード。必ず、御姉様が戻ってくるまでに対処いたしますわ」


「ああ、なら俺は外野の方をなんとかしておこう。ふっ、彼女の婚約者候補はリアルと違ってこっちでは山程いるからな」


「では最後に、本当は彼女から黙っているようにキツく言われているのだが、これだけ彼女のことを思っている者に秘密にしておくのも、私の良心が耐えられないのであえて教えておこう」

「今回の騒動には彼女に非は一切ない。むしろ、ギルドのために自らを犠牲にさせてしまった」

「ギルドマスターとしてではなく、私一個人としても皆に今回の騒動の早急な鎮静をお願いしたい」


「真実がどうあれ、私が御姉様の為に最善を尽くすことに変わりはありませんわ」


「そうなると総大将はしばらく彼女に頭が上がらないな。それはそれで楽しみだな」




◇ ◇ ◇



とあるダンジョンの深層部


モンスターのほとんどがパーティークラスのなか、3つだけの人影が動く


「やはり、戦闘というものはこれくらいの緊張感でこそ、殺りがいがありますね。と言っても、貴方がいなければこの階層までたどり着けてはいなかったでしょうが」


「はい、ミロード。私も同感です。戦術も大事ですが、まず個人の力量がなければ意味がありませんから」



「・・・。なんで私が、あんたらとこんな無茶なことしないといけないんだ!!私はギルドから除名処分中だろ!」



「おや?私は『ギルドメンバーからの協力要請』を禁じた覚えはありませんが。原案には『ギルドメンバーとの共同行動を禁じる』と書いてましたが、あまり厳しくするのもどうかと思い、修正しておきましたのでご安心を」


「除名中だからこそ、こうして周りの目を気にせずクシ先輩と遊べますから。あ、もちろん期限がきたらすぐにギルドへ戻ってきてもらいますから。これは決定事項です」



「お前らが、ギルドの規律を守れよ!!」


クラスティ君の良心は何なら耐えられるのでしょうか?

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