03-13
「私が知らないことですか?」
「そうだね。たとえば、私が新しいギルド作るから「DDD」を辞めることになるとしたら、、」
「え!?」
「もちろん今はそんな予定はないけど、例えばの話ね」
「いえ、まったく想像できないことを話されても、他の例えにしていただきませんか」
「え?他の例え、、、じゃあ、リチョウさんがギルドを立ち上げ、、、、。あっ、こっちの方が現実的じゃないよね」
「わかりました。リチョウさんが自らギルドを立ち上げるんですね。そうなるとミロードには数カ月前には話しをしているでしょうから、多少の混乱はあるかもしれませんがみんなで協力すれば乗り越えられると思います」
「あれ?サブマスターのリチョウさんが抜けることがすんなり通じて、なんで私のときは想像できないの?」
「そんなことより話の続きをお願いします」
「えっ、え~と。少し納得がいかないけど、、、。じゃあ、いくつか仮定をつけると。リチョウさんがレイドへの挑戦回数を増やしたいから、小規模の傭兵ギルドのようなレイド参加人数調整のために外部の人を誘うことがあるけど、それを専門に行うギルドを立ち上げるので「DDD」を抜けることになったとする」
「はい、たしかに絶対にないとは言い切れない状況ですね」
「話が進むけど、なんだか納得いかない。まあ今回はそれはおいといて、リチョウさんがギルドを抜けるときに「DDD」から一緒に抜ける人はいると思う?」
「一緒に「DDD」をですか、、、」
「そう、山ちゃんはどう思う」
「、、、、」
「実際はどうなるかはわからないけど、最終的には10人以上はリチョウさんについていく可能性はあると、私は思う」
「たしかにリチョウさんはギルドのみんなから慕われていますが、10人もまとめてですか」
「この場合は、リチョウさんは数人にはギルドに来ないかと声は掛けると思うけど、それ以上にリチョウさんについて行きたいと言う人がいると思う。それとリチョウさんに近い人ほどギルドの運営が大変だとわかっているだろうし」
「それだと「DDD」の運営が、、」
「それはさっき山ちゃんが自分で「多少の混乱はあるかもしれませんがみんなで協力すれば」っていってたじゃない」
「ですが、いっぺんに10人抜けるとなると、、、」
「私が山ちゃんに理解してほしいのは、そういったことが起こるってこと。元々「DDD」は「自分のギルドだけでレイド攻略を行うこと」を方針にしているだけで、それさえ支障がなければギルドの出入りについては基本干渉しないからね。もちろんリチョウさんが抜けることになる場合でもクラスティス君は一度は止めると思うけど、それ以上は干渉しないだろうね」
「ミロードもですか」
「というか、「DDD」の主要プレイヤーが抜けるのは定期的にあることだよ。山ちゃんがギルドに入ってすぐのころにも2,3人抜けてるからね。山ちゃんやりっちゃんがメインスタッフに参加するようになったのも最初は人材不足からだったからね」
「そうだったんですか、、、、」
「あっ!あとついでに言っとかないといけないんだけど、山ちゃんがメインスタッフに参加出来ているのは私の推薦があったからで、ほんとは最初は歓迎されてなかったんだよ?」
「え!?」
「これはりっちゃんにも言えることなんだけど、メインスタッフは推薦でないと参加できないし、実は事前に何人かで審査してたりしてるんだよ。りっちゃんは年齢が問題に上がって、山ちゃんはコミュニケーションに若干の不安が上がってて、二人とも推薦した人が無理やり押しとおした結果になってね」
「いままで気づきもしませんでした、、、、」
「で、リチョウさんがギルドを抜ける話しに戻すと、私たちみたいにリチョウさんと関わりがある人ならギルドを抜けた理由は分かるけど、ほかのギルドメンバーはどういう風に思うと思う?」
「普通に私たちと同じで残念に思うのではないですか?」
「それがギルド全体がそう感じるわけじゃないんだよ。辞める理由すらちゃんと伝わらないだろうしね」
「え?なんでですか?サブマスターが抜けるのですからその理由が伝わらないということは、、、」
「えーと、山ちゃん。最近ウチのギルドを辞めた人とその理由って知ってる?」
「最近でですか。たしか先月、受験勉強があるからと一人」
「残念。おととい、ギルドに入って一カ月の人がウチのギルドは合わないからって抜けてたんだよね」
「そうでしたか、気が付きませんでした」
「まあ、そんな話は実際に関わった人しか知らないよね。逆にリチョウさんと直接関わったことが無い人にとって、リチョウさんがギルド辞める理由なんてあまり関係ないいんだよ。ただ、「サブマスター」がギルドを抜けたってことしか興味ないだろうね。さらにギルドの中でこれだから、ギルドの外ではどんな噂が流れるか。まあ、恒例の「ギルドマスターとサブマスターが方針の違いで仲違いした」っていう噂も流れるだろうし。山ちゃんも似たような話しを聞いたことがない?」
「そう言われれば、確かに何回かそういった話を聞いたことはありますが、、、、」
「じゃあ、その話が本当かどうかは調べた?」
「いえ、話を聞いただけでそれ以上は、、、」
「普通そうだよ。だから、山ちゃんが知っている情報が同じギルドだからって共有できるわけはないし、その逆もそう。ましてやギルドの外は何が正しい情報かどうかは細かく調べないとわからない。これが私が山ちゃんに理解してもらわないといけないこと。まあ、山ちゃんの場合はギルドに入ってから私と関わることが多かったから、自分から動かないでも常にいろいろなところの正しい情報が集まってきてたってことが原因でもあるんだけどね」
「確かにクシ先輩のお知り合いの方達からの話を疑ったことはほとんどありませんでした」
「え!?私の周りってかなりテキトウなヤツ多いんだけど、まさか山ちゃん信じてたの!」
「はい、皆さんからいろいろと教えてもらいましたが?」
「そっちの方が重傷だった!よし、ウチのギルドがいかに人としてダメな奴らの集まりかを教えよう。まずは鬼畜眼鏡ことクラスティスくんは、、、、、、」
こうして私はクシ先輩から、私の知らないことを長々と教えてもらいました。
そして、その代償として私はクシ先輩にあるものを奪われてしまいました。
それは、、、、、
『山ちゃんが<エルダー・テイル>にログインできないように、パソコンの電源アダプターは私がしばらく預かっておくから、ちゃんと安静にしてるんだよ』
『03-X』シリーズがまさかここまで続くことになるとは




