03-11
今回はお料理回?です
「では、早速 夢の話のことで」
「まあまあ、一旦水飲んでも落ち着きなよ 山ちゃん、はいコップ」
「ありがとうございます(コクコク)フゥ」
「じゃあ、夢の話は後でちゃんと聞いてあげるからもう少し横になってること。私は朝ごはんの準備を始めるから」
「はい、わかりま、、、ええ!!」
「おっ、どうしたの急に声上げて」
「どうして、えっとクシ先輩?が私の家にいるので、、、あっ!そういえば昨日の夜に!!」
「ありゃ、昨日は思った以上に重症だったみたいだね。それ覚えだしてくれてよかったよ。不法侵入者で悲鳴あげられたらやばかったね」
「すみませんすみません。決して忘れていた訳ではなく寝起きでちょっと驚いただけで」
「ちょっとベットの上で正座しないでいいから!まあ、とりあえず昨晩より山ちゃんの体調は少し良くなったようだね」
「はい、クシ先輩のおかげです。では結構 体調も良くなりましたし、もう一人で大丈夫ですからクシ先輩はお帰りになられて下さい」
「山ちゃん、確かに昨日よりは調子良さそうだけど、私が帰ったらすぐに動き回りそうだから昼まではいるつもりだから。そういうことだから朝ごはんの準備終わるまで寝てるように」
「さすがに、昨日も泊まっていってもらったのにこれ以上ご迷惑をおかけするのは」
「私のことは気にしなくていいよ。山ちゃんはしっかり休んでてよ。私が勝手にやってるだけだから。まあ、親切の押し売りとでも思ってて」
「ええっと、、、(確かに押し売りですが)」
「じゃ、朝ごはんの準備ができたら声かけるから」
数分後
「(なにやら甘い匂いが漂って)」
「山ちゃん お待たせ!さあ、今日の朝ごはんは『特製はちみつ粥 オン ザ フルーツ』」
「・・・」
「確か 山ちゃんって甘いモノ好きだったよね。この前のオフ会でもジャンボパフェ食べてたし。あー、言いたいことはわかるよ。おかゆにハチミツやドライフルーツを入れるのは邪道だと。でもよく考えてみて、いちご大福が存在するのに甘いおかゆの存在を否定するのはおかしいと思うんだよ。確かに否定したい気持ちはよく分かる。本当によく分かる。普通は思いつかないよね、この組み合わせは。私も初めは自分のセンスを疑ったよ。でも改めてよく考えたら、ほんの少しの可能性があることに気がついたんだよ。おかゆをご飯として考えているから拒絶するのではないかと。お米も穀物の一つ。ひと昔 前まで邪道とされたリゾットなんて今じゃコース料理の定番までその地位を確立した。そう、日本人としての先入観が邪魔をするのであって視野を広げて別の方向から見たら今までとは違う面を見ることが出来るんだよ」
「・・・」
「私が山ちゃんになにを伝えたいのかというと」
「クシ先輩、怒らないので正直に答えて下さい。昨日のお粥の残りとお持ち頂いたフルーツの使い道を無理矢理繋いだのですよね」
「うっ、だってまさか山ちゃん家の冷蔵庫がカラだとは思ってなくて。このままだと単なる塩味だけのお粥のになっちゃうから、何とかしようと」
「いえ、クシ先輩に来て頂けなかったらお粥どころか栄養ドリンクだけで過ごすことになっていましたので、非常に感謝しています。ただ、一つだけどうしても確認しておかなければならないのですが」
「えーと、な、何かな」
「そのビン」
「ん?コレ?これはハチミツが入ってるけど」
「中身がハチミツなのはみてすぐに分かりましたが」
「それじゃ、これの何が気になるの」
「クシ先輩、ここに書かれていることを携帯で検索してもらえますか」
「えーと、ちょっと待って。あっ、見つかった。このページに来たけど」
「やはり、まさかとは思いましたが、、、」
「え!?もしかして変なの持ってきちゃった?」
「いえ、むしろ最上級の物です。流石にお粥に使うのはどうかと思いますが。となるとそれが何か知らずに持ってこられたのですか」
「これは知り合いにちょっと前にお土産にもらったものなんだけど、私 甘党ってわけじゃないからなかなか使う機会がなくてさ。こんな機会だから山ちゃんに渡そうと思って」
「クシ先輩、これはマヌカハニーという名前の付いたハチミツです」
「マヌカハニー?聞いたことはあるような」
「そう!これは希少なハチミツの一種でいろいろな効果があるある意味 万能薬とも呼べる物です!ただ当然 流通量は少なくそれなりの値段がします。私ですら年に一度、自分ご褒美として買うぐらいです。しかもインフルエンザにすら効果があると言われ、いま手元にないことを嘆いていたというのに。まさかクシ先輩が私のために」
「えーと、ちょっと落ち着こうか山ちゃん。とりあえずお粥どうする?無理なら私が食べるけど」
「ん?クシ先輩が作っていただいたので当然いただきますよ。あと本当にそのマヌカハニーを瓶ごといただいてよろしいんでしょうか」
「この量だから一度開けちゃったら私じゃたべきれないし。迷惑にならないなら」
「ありがとうございます。これならもうインフルエンザに勝ったも同然です。」
「いや、さすがにそれは、、、」
「おかゆ+ハチミツ」は何故か食品業者のアレンジレシピで実在していましたので、いちをレシピ通りにフルーツを足しました。存在していたことに驚きました。味については分かりませんので自己責任で試してみて下さい。
さて、前話の夢オチは設定の説明回でしたので、次話で回収を予定しております。しぶとく「03-x」シリーズが続きます。




