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01

櫛八玉は料理人だよ

まだ、突貫でも、黒くもない〈神祇官〉だった頃の櫛八玉。ちなみに彼女のサブ職は料理人。

節約家の彼女は、ちょっと手間がかかっても値段が高い素材は自分で取りに行く。でも、面倒くさいので一回で結構な量を取ってくる。



◇ ◇ ◇



「カヤさん、すみませんが料理用の卵の在庫を切らしちゃったから、ちょっと取りに行きたいので手伝ってくれませんか?」


「うーん、今日はヒマだからいいけど、何の卵だい?クシちゃん」


「ライチョウの卵です。50個ほど」


「・・・何故そんなに?」


「新レシピが出てから卵の値段が急に上がっちゃって。まとめて作ろうとすると、結構な出費になるんですよ」


「なら、ヤエにでも頼んだら?あいつならどっからか安く仕入れてくるでしょう」


「あいつ、最近できた彼氏とデートとかで忙しいからって、しばらくインしてなくて」


「で、クシちゃんはその間ヒマだから料理の素材は集めを?」


「はい、そうなんですよ」


「…よし、お姉さんが卵の集めを一晩中付き合ってあげよう」


「ありがとうございます。でも私も明日デートなんで早めに切り上げる予定なので」


「よし、お姉さんがクシちゃんに『5年後に彼氏も出来ずに仕事が休みの日には<エルダー・テイル>をするしかない日々をおくる呪い』をかけてあげよう」


「ちょっ、曰く付きの武器収集家のカヤさんだと、本当に呪われそうなんでやめて下さい」


「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。この前、クラスティ君に『黒猫の呪い』をかけたのに、妹さんが黒くはない猫を拾ってきたっていってたから、気にしなくていいよ」


「あのクラスティ君が、〈神祇官〉クエストでもらえる『護国の魔除け札』をとってきてほしいと、頭を下げてきたのはそのせいだったのか」


「まあ、そんなことはいいとして、このまま行くかい?」


「はい、装備はすでに整えてありますから」


「そんじゃあ、ちゃっちゃと行って終わらせようか」


「ちなみに、私にさっきの呪いはかけてないですよね?」


「ん〜、クラスティ君いわく、言霊の類いだから聞いちゃった時点でアウトらしいよ」


「え!?」



◇ ◇ ◇




「おー、今日は大漁だね。そこら中に鳥さんがうろちょろしてるよ。効率考えると3、4匹でまとめて狩るのが一番か」


「そうですね。カヤさんは回避特化型<武士>ですから、障壁が破れるまで私も攻撃に参加できますし」


「それじゃあ、いっちょいきますか」

シャキン!


「あの〜、カヤさん。その禍々しいオーラの出てる武器は、、、」


「ん、この子達?この間、フリークエントで見つけたんだけど、『真名解放(テキスト追加)』したら色が変わっちゃったんだよね。何でも『親の仇を討つための刀を作るために、二人の妹がその身を炉に捧げ、その業火で打たれた双刀。妹たちは仇を討てたことで成仏したけど、彼女たちを失った兄の念が未だに強く残り、持ち主の心体共に復讐の獣へと変える』ってフレーバーテキストに出てきちゃって。元々は「姉妹が仇打ちに用いた二本の刀で、結局相討ちになったから親と一緒のお墓に埋めた」的な物だったんだけどね。まあ、それが幾重にも封印された隠し部屋にあった時点で怪しかったんだけどね」


「カヤさんに会うまで、サブ職の『語り部』って、もっと穏やかなもので、ちょっとだけステータスが上がるものだと思ってました」


「所詮、昔話なんてほとんどが真っ黒な話なんだから。ちなみに日本のゲームで有名な『源氏シリーズ』なんて実際は、持ち主が実兄に殺されてるんだから」


「できれば、今後もその類の装備はつけたくないですね」


「えー、実装されれば、かなりいい装備になると思うんだけどな。ステータスは変な方向に偏ってると思うけど」



クシちゃんに今まで彼氏がいないわけがない。きっと設定でもそのはず(きっと

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