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❤ハート❤

作者: 飴 麻利亜

もう!

みんな何しに会社に来てんのよ!

仕事でしょ!

仕事しないんだったら、会社来なければいいんじゃないの?

日頃積もり積もった不満が爆発っ!


・・・しそうだった


勢いはあったんだけど、ほんのちょっとの私の理性がそれをとめたの。

ギリギリで持ちこたえて笑顔を保っている私に、隣の席の子が

「私、その件については~・・・」

って私の神経を逆なでするような事を言っている。

でも、もう頭に入ってこない

「・・・ですから~この件は」

ガタンっ!

「課長!すみません。体調が急に悪くなったので帰宅しますっ!」

そう言い放って隣の席の子を無視して、やっとの思いで居室をでると

ロッカールームで鞄をもって会社を出た。


このイライラを鎮めるにはどうしたらいいの?エステ?ネイル?

それともバッティングセンター?

駅に着いてちょっと迷ったけど、ぜんぜん違う電車に乗ってみた。

ヒデにだけはメール送っておこうかな。

スマホをみると、事件を見ていたらしい絵美先輩からメールがきてた。

メールを打ちながら、みんなが仕事をしている時間なのに電車に揺られている優越感を感じ

少し落ち着いてきた感じがした。


ぼ~~っと外の景色を見たり乗り降りする人を観察してみる。

各駅停車の電車を選んで正解だね♪

揺られているのがきもちがいい。終電まで乗っちゃおうかな。

そこで温泉でも入って、マッサージとかうけたら癒されるかな?

あれ?雪?

終電の駅のは雪景色だった。

この辺はもう雪なんだ。

「さぶっ!」

電車の外は極寒。

そうだよね、雪なんだから。

私なんてコートとか会社においてきちゃったよ・・涙

「それはこっちのセリフです。」

寒さに震えている私にダウンコートが巻きつけられて、ヒデの声がする。

「え?ヒデ!会社は?」

「それもこっちのセリフですけど!

もう!絵美先輩から呼びつけられて

お前が怒りを爆発させられずに会社ボイコットして、心配だから追いかけろ!

ってえらい剣幕でコート渡されたんだよ!

ま~、お前が各駅に乗ってたから先回りできて良かったけどさ~、

こんな雪あるところで薄着で・・・」

ヒデが一生懸命話してるけど

「ごめん・・・だってだって・・・」

そう言ってヒデに抱きついた。

彼のぬくもりに包まれたらマッサージも温泉もどうでもよくなっちゃって、

そしたらもう泣けてきた。

彼が静かに抱きしめてくれるから、涙がどんどんあふれてきちゃったんだけど

心の中のモヤモヤしたものが洗い流されてきれいになっていくような感じがしました。

な~んだ、エステもネイルもバッティングセンターもいらないじゃん!(笑)

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