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序章
重い体を引きずるように走る。
何日も走り続けて片足がほとんど動かなくなってしまった。痛みはない。
暗闇を照らす灯りから逃げる。
なぜ逃げているのか、なぜ逃げなければならないのか、少しずつ記憶を失っていることを実感する。このまま、【忘れてしまった】ということも忘れてしまうのだろう。しかし、それでいい、という感覚は確かに残っている。
忘れてしまえばいい。
逃げてしまえばいい。
逃げた先に何もなくても、さらに深い暗闇の中だとしてもそれでいい。
自分は消えてしまえばいい。
なぜ消えなくてはならないのかがわからなくなっても、消えてしまえば覚えていたとしても同じこと。
追いかける足音が遠くなっていく。
足場が急に悪くなり躓いてしまった。
ここはどこだろうか。いや、どこだっていい。
足音が遠くなった。
消えていく。
記憶が。
自分が。
存在が。
どうか自分が消えた世界が輝きますように。
最後まで小説を書ききったことがないので頑張りたいです。




