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殺し屋少女と憑かれた高校生  作者: 山猫系
第一章 4月8日〜4月12日 雨男ストレンジラブ
8/22

雨男ストレンジラブ 7

やはり妖怪の仕業なのだろうか。

妖怪との縁が出来てしまった俺は妖怪が引き起こしたことに巻き込まれやすい性質になってしまったのか?アマゾン川でもないのに川が逆流するなど確実に妖怪の仕業としかいえない。しかもあの濁流、俺が隙を見せるのを見計らってとかのように襲ってきた。もし妖怪に狙われているならば山の中で一人なんて戦場に呑気に社会見学してるみたいじゃないか。一刻も早く山を降りなければ。携帯さえあればな、時間だってわかったし連絡だってとれたのについてないな携帯無くすなんて。

まず逆流に呑み込まれること自体ついてない。

高校生が普通このような目に会うか?高校生ってのはごく普通の何の変哲もない ってのがモットーだろ。


厄年なのか?大殺界なのか?

運が悪いという言葉では片付けたくはない。逆に言えば何事も運が悪いで片付けられてしまうのかも。だが運に縛られないものを知っている。それは妖怪だ。

運命で生きている。


妖怪というのは生物学的には論外。 とイリスが言っていた。

あくまで精神的な、霊的な存在であると。だから人間に認識されにくいらしい。妖怪は繁殖はしない。彼らは概念なのだから。

ある日誰も気づかぬところで、いつのまにか"存在を開始"する


一度認識してしまうとその者は霊的なものを感じやすくなってしまう。霊を怖がる これは自分から霊を認識しようとしてしまっているらしい。それを利用して妖怪は弱い者の心に漬け込み悪事を働くらしい。我が家にいる妖怪霊音は家事を働いてくれてる。



自分の弱さを知って、さらにそれを追求してしまうともっと弱くなってしまう。だから前向きが大切なのだ。あまり悲観しないあまり絶望しない忘れることはできなくとも、新しいことを記憶することができる。もしそう生きてこれなかったら俺はとっくに自殺していた。


007


ジェームズ•ボンド、

他にはシャーロックホームズなどなど外国の物語に出てくる登場人物は皆、頭にすぐに残るようなネーミングセンスばかりだ。

俺は本当に親のネーミングセンスを疑う。何があったそんなに生まれてくるのが女の子がよかったのか?小さい時から父親に自分の名前の由来を聞いていたが、

いつも返ってくるのは頭を撫でながら、

「それは桜が強くなったら教えてあげる」

だった。

強くなるとは一体何が強くなればよかったのか。空手を通信教育で習っておけばよかったのか?

弱さを知ることは簡単だ。だけど強さを知ることは難しい。俺が思うに自分の強さは他人にしかわらないのかもしれない。

もし地球上でたった一人、その一人以外の生物が消えたとした、その一人は強いのか弱いのかもわからない。

人は協力してこそ人として存在できるのかも。


寂しさを紛らわすために一人で心の中で色々と語っていたがそろそろ限界だ。ちなみに山は降りた。今は降りた時に見つけた道を歩いて傘峰町に戻ってきたところだ。

そして家よりも先に学校に着いてしまった。途中寄ったコンビニで時間を確認したところ午後1時頃だったため確実に獅南さんの弁当を頂くことはできない。もう遅い。だから家に帰って今日は休むのもありだけどせっかく学校に着いたのだから今回はこのまま行くことにしよう。カバンは流されたたけれど教科書は教科のロッカーに置きっ放しだからまあいいだろう。置き勉バンザイ。


服も歩いているうちに乾いたことだし手ぶらという舐めたビジュアルではあるけれどこのまま登校しよう。この時間帯は昼休みだし五時間目には間に合うな。そう思い俺は校門を抜けて下駄箱へ向かいまだ湿っけが残った靴を脱いで上履きに履き替えていた。


「随分と雨に当たったようだな。こんなポカポカ日和なのに。桜君だっけ、君。」


俺から少し離れたところでポケットに手を入れながら下駄箱に持たれ掛かって俺に話しかけてる生徒がいた。身長はあきらかに180はいっているだろう、髪型はアシンメトリー。俺を見下しているように笑いながら見せる歯は、驚きの白さ。


「たしか•••サッカー部の家矢 だっけ?」

「家矢蔵馬。 教室で獅南がお世話になってるよ」


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