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殺し屋少女と憑かれた高校生  作者: 山猫系
第一章 4月8日〜4月12日 雨男ストレンジラブ
7/22

雨男ストレンジラブ 6

「でもその調子だと、桜が100歳になっても亥になることはないな」

「まず仮説だろ?」

「確かにそうだけども あ、桜自体が大きな右腕になるのかもな。その時は美術館に飾ってあげる。ハハハ」

「風呂に沈めるぞ」


俺の不幸な話の時ばかり笑いやがって。いつも今くらい笑ってれば愛嬌あるのにもったいないなあ。

殺し屋冷酷に限る か。

てかもう風呂から上がりたい頃だ。体が完熟してしまう。

「そろそろ風呂でないか?」

「あと10秒数えてからな」

「お父さんかよ! はいはいわかりました」



こうして俺たちは一緒に10秒数えて、イリスから先に風呂から上がって着替えた。結果俺は5分風呂の中で待つことになった。



006

4月11日

今日が何の日だって?

今日は獅南さんが俺に弁当を作ってきてくれる日だ!

ベッドから起きてカーテンを開けて太陽の光を体中に感じる

(いつもはこんなことしないけど)


階段を降りてすぐに顔を洗い寝癖を直す

(いつもはこんなことしないけど)


リビングに入ったら霊音が朝ごはんの支度をしてるのでそれまでストレッチ

(いつもはこんなことしないけど)


そして起きてきた喰奴、イリスに一人づつおはようと挨拶

(いつもはこんなことしないけど)



まさに俺は最高のテンションで朝を迎えた。

んーーー実に清々しい!

実に素晴らしい!

人生って捨てたもんじゃないぜ!


朝ごはんを食べた後、また洗面所へと向かった。久々に髪をセットするためである。


「桜が髪をセットするところなんて始めてだねえ」


後ろから聞こえたのは喰奴の声だった。振り向くとニヤニヤしながら俺の方を見ながら口を開いた。


「髪が長いからセット難しそうだねえ。俺がやってあげようか?以前美容師してたことあったから。」

「お前って本当万能だよな。スキルの集合体って感じ。 丁度猫の手を借りたいと思ってたんだよ。」


俺に任しときなあ。と笑顔で喰奴は俺の髪をセットし始めた。


「桜がここまで男磨きを始めるとはやっぱり女絡みに決まってるなあ」

「違っ!•••まあ、それに近いかも」

「ごまかさなくても俺は桜のすべてが、わ•か•る。」

「やめろ!!俺はいつお前に貞操を破られないか恐怖してるんだぞ!!」


まずBLは禁止だ。

そんなものは存在しない。ただ女の子たちの空想上の話にとどめてほしい。ましてやその定義を壊そうとするならば許さないからな!

ただ喰奴に力でも頭でも勝てる気がしない。やっぱりもしもの時は身を委ねるしかないのかもしれない。


「よし、完成だ。中々良さげだぜ桜ぁ お礼にさあちょっとだけでいいから•••」

「よし!ありがと!サラバ喰奴!」


いつからあいつは同性愛を好む性格になったんだよ、やめてくれよ、青春を不純にしないでくれ。

と喰奴に言う前にあいつが何かを仕掛けようとしてきたので、風の如く玄関へと向かった。


カバンを持って玄関に立つ。

家に帰るまでが遠足です。

よく小学校の時聞いたこのセリフ、そう、同じく学校に着くまでも恋愛です。

玄関の扉を開けたら始まる。

緊張の一瞬•••

俺はガチャリと扉を開けた。




ザァーーーーーーーーーー!!!!!!




俺は扉を閉めた。


落ち着け。

今のは夢か?いや頬を捻ったら痛い。なら幻覚か?いや体中が濡れている。

玄関を開けたら台風に匹敵する雨が降ってきた。

今日は晴天だったぞ、晴れのち雨だとしても切り替えがとんでもなくないか?

俺は最近BL属性の喰奴に会いたくないからリビングにいかず階段を上がって部屋に戻り外の様子を確認した。玄関が北側 俺の部屋は南側だから玄関の方は見えないけど部屋の窓から外を見ても晴天だ。

窓を開けてみた。


ん?

聞こえる、晴天なのに聞こえる。

雨の音が。ポカポカ太陽登る晴天の中、豪雨の音が聞こえる。


いっみわかんねっ!

本当にわけがわからない。だがもう一つ肝心なことを忘れていた。それは時間だ。

早くいかなければ遅刻になってしまう。普段なら遅刻も構わないと思ったかもしれないが、獅南さんに会えるのは学校だけ。その少しでの時間をも削る訳にはいかない。

もし遅刻して二時間目に着いたとして、もしかしたら一時間目の休み時間に何か進展があったかもしれない と、そう後悔してしまうからだ。だから、早く、宮沢賢治になった気持ちで


俺はダッシュした。

明らかにこれは怪奇現象だが喰奴にも霊音にもイリスにも何も相談せず家を飛び出した。

雨が機関銃の弾丸のように降り注いだ。せっかくきめた髪も崩れた、服も濡れた、カバンの中も水浸しだろうだかもう気にしない!俺は男だ!


「アメニモマケズゥゥゥ!カゼニモマケズゥゥゥ!」


叫んだ

この豪雨の中通行人はおろか車すら走っていない。まずこの音の中何も聞こえはしないだろう。

そして気がついた。橋に差し掛かったところで走る勢いで顔に当たる雨が痛かったから歩いた俺は気がついた。


俺の通学路にだけ雨が降っている。


上を見上げると、通学路をなぞるように細い雨雲が空にあった。

もちろん太陽は出ており雨雲の周りは通常の白い雲が浮かんでいた。


「はあ?•••••」


その理解不能な状況に溜め息混じりの声が自然と出た。もはや呆れてしまっていた。この奇想天外な光景、体験に。そしてその間際に、いやその隙にと言った方が正しいか?津波のような濁流が俺呑み込んだ。

驚く暇も無かった。

走馬灯すら見えず俺は気を失った。



007


目が覚めた。

それと同時に俺ははっと声を出して驚ろいた。時間差ズレの驚きだった。目の前に茶色い水の壁が現れたところで俺の記憶はない。

ただ今いる場所が落ち着いている所であるということは感じられる。鳥の冴えずり 川のせせらぎ 木々が風に揺れる音。

あんな目にあっても病院で目覚めるということはないのよ•••

辺りを見渡すとここはどうやら山の中だ。俺は上流の川のような小川の上で流れる優しい水に浸かりながら倒れていた。

ドクターヘリに運ばれたけど途中で落ちてしまったのか?

だとすれば今頃血まみれだ。そういえば今何時だ!?

ポケットの中に手を入れてみたが携帯電話はやはり見つからなかった。やはり流されたらしい。

なら流された俺は何故こんなとこにいる?

疑問を感じる前にとりあえず行動に移さねば。

俺は山を川を伝って降りることにした。川を伝えば確実に山から降りられるからだ。


まてよ、俺はあることにに気がついた。川を伝っていくと必ず川の周りに泥があることだ。

川を伝う•••俺は川を伝って山の中まで来たのか?逆流に乗って流された。ということはここは俺が流された川の上流となるわけか。

とんでもないことに巻き込まれてるじゃないか!!

こんなことになるなら家で待機しておけばよかったのかもしれない。もう無理だ。もう獅南さんの弁当にありつけない、メールもできないから謝ることもできない

体中から何かが抜けるような、

蒸気のように消えていく気分になった。

一応学校に向かおう

と俺は決心し山を下っていった。


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