アメイロ物語
雨が降っている。
桜の散った寂しげな葉に滴がしたたる。
たしか、昨日も降っていた気がする。
打ち付けるような強い雨じゃなく、ただ切なさを誘うような静かな雨。
そろそろ梅雨に入るのかな・・・。
ここは青南学院高等学校。
品性を重んじ、学力が高いことで有名。
その2年4組にいる青南名物、瀬川 右京。
名前負けしないほどの、美青年。
すらりと伸びた身長は、170㎝。
少し赤みがかった茶髪に整った顔立ち。色素の薄い瞳に、色白な肌。
その見る誰もが目を引くような容姿はとうぜん青南の全女子を虜にした。
入学式の告白人数30人という、とんでもない記録までだすほど。
しかし、右京はすべて断った。
なぜなら、右京は青南に通う生徒の7割である、女子生徒の一人であるのだから・・・。
そんな右京には唯一、告白しない女友達がいた。
成宮 雫
いかにも委員長といった、まじめそうな風貌。
右京と隣にいると目立たないがきれいな顔立ちをしている。
*更新中*