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百のスミレと千のユリ  作者: 水瀬 悠希
夢見るように、ねむりたい
37/62

もうお婿に行けない

番外編(登場人物のまとめ的なもの)を18時に投稿します。

本編とは関係がありませんが、裏設定とかネタバレがあるかも。

みなさまよろしく。

 しばらくすると母さんは、会社に行くと言って病室を出ていった。

 病室に残されたのは──小学校の時に金縛りにあった時のように──動けなくなっている僕と『妹』…… だ。

 身体のほうは指先を動かすにも意志の力を総動員して、かすかに動く程度、か。


 気まずい空気が流れるなかで、最初に口を開いたのは『妹』だった。


「本当に、心配したんだかんね」


 頬に触れたものがある。温かくもなく冷たくもない何かが。

 くっ……


 今さらだけど、僕の身体には点滴以外にもいくつかのケーブルが繋がっているらしい。それが繋がっているモニターに映っているのは規則正しく生み出されるギザギザの線と、いくつかの数字だ。


 音がしないのはスピーカーのスイッチを切ってくれているからだろう。

 ここで派手に音を立てなくても、ナースセンターのモニターと無線で繋がっているから、別に不安でも何でもないけどね。

 それに、どうやらこの病室は個室のようだ。


 んっ、んんんん?


 ヤバい事に気が付いちゃったよ。


 僕が最後に用を足したのは、家を出る前だ。モニターに時間らしいものが表示されているけど、そろそろ9時になる。いつもなら授業が始まる前に用を済ませるんだけど、今日はまだ済ませていない。

 加えて点滴まで…… そろそろ体の中では…… うっ、意識したら急に……


「なあ、美月」

「なぁに?」

「用足しに行きたいんだが?」


 意識したら、急にもよおしてきたよ。くうぅぅっ、もぅ、漏れそうだ。


「身体が動かないんだから、無理じゃーん? 小さい時は、おにいがあーしのおむつを換えてくれたけど、今度はあーしが……」


 やっぱりおむつかあぁああ!


 頼むから友里さん呼んで?

 例え女性が相手でも看護婦さんなら、仕事だろうからと割り切れるけど、『妹』にとかは恥ずかし過ぎる。あああああ、そろそろ限界がががが……


「ねえねえ、おにい? 我慢は身体に毒だと思わなぁい?」


 僕の下腹部をぽんぽんと、優しくたたき始めた。


「うっ…… それはやめて膀胱を刺激しないで?」

「ほらほらほ~ら」


 ぽんぽん、ぽんぽん……


「出しちゃえ♪」


 ぐいいいいいっ。


「やめっ…… あ…… あああああ……」


 へにゃりとなった僕の様子を見た美月がナースコールをした。


「うんうん、いっぱい出ましたねぇ。いい傾向ですよ」


 すぐに病室に来た友里さんは明るい感じで言うと、右手で僕の腰のあたりを横に浮かせると、するりと──実に手際良く左手だけでパジャマを下ろした。

 そして…… ぺりぺりとマジックテープを剥がす音が聞こえてきた。


「あら……」「きゃっ?」


 その「あら」はナニ? 「きゃっ?」ってなんなのー?


「冬夜君ったら、こんなにしちゃってぇ♪」


 ニコニコ笑いながらも、友里さんはウエットシート片手に僕をちょんと摘まんでひょいって避けて拭いて、ちょんと摘まんでひょいっと避けて反対側を拭く。

 美月は、その様子をガン見してるし……


 友里さんは看護婦だし、仕事だから大小問わず有象無象なのかもしれないけど。

 これからも一日に何度も処理されるのかと思うと恥ずか死ぬにたくなるよぅ。


「まーかせて! あーしも、やり方おぼえたからっ」


 ……もうお婿に行けない。

点滴を打つと、大量の水分がダイレクトに体の中に流し込まれる事になる訳で。

体温が下がるとか、水分が急に入った事でいろいろな影響とかが、あるんです。

いや、それでヤヴァイ事になる事もしばしば…… 冬夜くんはダメだったけど。

私はぎりぎりの所で間に合いました。ええ、ええ。本当にギリギリでしたとも。

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