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百のスミレと千のユリ  作者: 水瀬 悠希
夢見るように、ねむりたい
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静止した闇の中で

 鼻を摘ままれても分からないような暗闇の中で、僕はふいに呟いていた。


「僕は…… 死に損なったのか」


 おもわず口にした、その一言に僕はぎょっとなった。


 ……チョット、マッテネ!?


 死に損なった(・・・・・・)…… ?

 いったいどういう事なんだ?


 僕は片丘 史郎(かたおか しろう)という奴に虐めの対象にされていた。


 親父の権力とカネの前では高校の試験問題が入った金庫の扉なんか、有って無いようなものだ。おかげであいつは全科目満点──つまり主席で入学。

 その後も常に主席をキープし続ける優等生ときている。

 だが奴の裏の顔…… あいつの被害者は、かなりの数に上るんじゃなかろうか。


 おっと、話を戻そう。

 僕は彼女──幼馴染の吉岡 美斗(よしおか みと)を人質にとられたような形で、ねちねちと虐められ続けてきた。

 学校は見てみぬふりをするどころか、積極的に僕を虐めにかかってきたんだ。

 まるで僕は祭壇に捧げられた哀れな子羊だ。


 そうした証拠をネットにそれをぶちまける事にしたんだ。

 でも、ぶちまけたのは僕じゃない──義憤にかられた匿名の第三者──の行動だと思うだろう。

 その程度の事なら、簡単にできるだけのテクはあるんだ。


 こうして準備を整えた僕は、あいつを地獄に叩き落とす事にしたんだ。

 電車通学をしている片岡を煽って、あいつから手を出すように仕向けて。

 案の定、あいつは僕に殴りかかってきた。

 拳がヒットした瞬間に、わざと後ろに吹き飛ばされた僕の身体は──


 電車にぶつかった時の、ぐしゃりという鈍い音は今でも覚えている。

 そして、夢の中で見せられた映像が正しければ、僕は確実に死んだはずだ。

 映像の中での僕の──電車にぶつかった僕の身体は、モザイク越しでも修復よりも創り直した方が早いってくらいに、滅茶苦茶になっていた… はず。


 ──映像を見せられた?


 あの邪神と女神たちに逢ったのは…… 夢ではなかったとしたら?


 ──邪神に?


 疑問が浮かんだその瞬間に、暗闇にぽつりと…… 小さな光が生まれた。

 それは、一瞬であたりの闇を白く塗り替えながら、一気に大きくなって。

 やがて僕の身体をも飲み込んでしまった。

 そして、僕の頭の中に色々なものが流れ込んできた。


「……っく!」


 そうだった。

 あの時に僕は死んで、幽冥(かくりよ)という世界に迷い込んだんだ。

 そこでフェイリアという邪神と話をしたんだ。

 あれは邪神だと思うんだよね。僕のイメージとはなんか違うけど。


 邪神とか魔王がいるところって、いかにもって雰囲気のお城とかだけどさ。

 何だか薄暗くて、魔物の姿をした家来とかが一杯いてさ。

 でも、そんなのは一切なし。

 どちらかと言うと、神社っぽい雰囲気だったかなぁ。


 その姿も、どちらかと言うと邪神と言うよりも、綺麗なおねえさん。

 ひざ枕をしてくれた邪神の名前は、フェイリア… だったっけ。

 胸も大きかったし、何よりもいい匂いがしていたような……

 あれで邪神じゃなかったら……


 ──不幸になる人がいないようにずっと……


 ──見守っていたとか言ってたね。

 運命神をコキ使っていたと言ってたような気がする。

 たしかに見守っていてくれたんだろうね。

 たぶん僕の不幸を見て嗤ってたのかもね。


 だとしたらやっぱりフェイリアは邪神かも知れない。

 だとすれば、生き返ったのは正解かも知れない。

 あのままだったら、何をされたか分かったもんじゃないよ。

 問題は、誰が生き返らせてくれたのかって事だけど。


 あの時にズボンの中を覗き込んでいた女神じゃないよね。

 かと言って、フェイリアの色違いでもないか…… わからないけど、まあいいか。


 そこまで考えた時に。

 再び我慢できないくらいの強烈な眠気に襲われて……

ここ数年、昼間でも我慢できないような強烈な眠気というものを体験しています。

私の場合は身体が動かなくなるほどに強烈な眠気が襲ってくると、そのまま意識が切れてしまいます。(まれにレジストに成功する事がありますけどね)

大抵は30分くらいで意識が戻るんですけど、いつ体験しても恐怖体験なのです。

もう自動車の運転は無理かも知れない……

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