第四話 彼女と僕
「自己紹介が遅れて申し訳ありません。わたくしはあなたとパートナー契約をした
パートナーランクSの女神、アストレアと申します。どうぞよろしくお願いいたします。」
僕は起こっていることの理解が追い付かず、固まっていた。
「ふふふっ、何が何やら分からないって感じですね。」
そう言って微笑む顔も見とれてしまうほどだ。
僕はまた固まっていると、
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
突然、地面が揺れ始め、近くに何か丸く光る場所が現れた。
「ゆっくり説明して差し上げたいのは山々なのですが、そうもいかないようです ね。失礼いたします。」
そう言って、彼女は僕を抱えてさっき現れた光る場所に入った。
僕は反射的に目をつぶる。
そして、次の瞬間目を開けると、そこは僕がサモンズたちと一緒に入ってきたダンジョンの入り口だった。
そこには、たくさんの人が集まっていて、何やら騒がしい感じだ。
「なんだなんだ!?」
「いきなり揺れだしたぞ!」
「よっしゃー!」
「中にまだ私の子が!」
「地震か?」
人々が口々に叫んでいると
ドォォォーーーーーン
という大きな音と共にダンジョンが煙に包まれる。
その音で一斉に場が静かになった。
そして、煙が風に乗り無くなっていくと、そこには全く新しいダンジョンの入り口ができていた。
その光景を見た人々は驚きの声を上げる。
そんな中一人の大きく声が響く。
「皆さん、落ち着いて。」
その声を聞き、ここにいる全員がその声の方を向く。
そこに居たのは、第6代目の現ゴートテイマーであるグローバー・コスモスだった。
「このダンジョンで今起きた地震はダンジョンの生まれ変わりで起きたものです。
100年前私がダンジョンを攻略した時にも同じことが起こりました。
したがって、誰かがこのダンジョンの最下層まで到達し、攻略したということです。」
その言葉を聞いた人々は再びざわつき始める。
なにせ、100年間攻略されてなかったダンジョンがたった今攻略されたのだから当たり前だろう。
「誰が攻略したか知っている者や当事者はいるか?いるなら申し出てほしい。」
そうゴートテイマーが呼びかけるも誰も出てこない。
そのとき、ゴートテイマーと目が合った気がするが気のせいだろう。
「とりあえず、この新しいダンジョンは安全確認のため何日かは進入禁止とする。」
そう言い残し、ゴートテイマーは自分のパートナーである、グリフォンにを呼び、乗り飛んで帰っていった。
「ミドル様、ダンジョンの中のことと言い、先ほどの事と言い、お話したいことがありますので家に帰りましょう。」
そう真剣な顔で言ってきたので、断れるわけもなく、ただなぜ僕の名前を知っているのかも疑問に思いながら僕は家に向かって彼女と歩いた。
家までの道中、一言も会話はしなかったが不思議と彼女の隣の居心地は悪くなかった。
ゆっくり書く予定の息抜き作品ですが、評価が高ければ投稿頻度を増やしていきたいと思います。
意見、感想どしどしお待ちしてます。よろしくお願いします!!
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