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無気力少年の少し変わった学園生活  作者: ヤマネコ
1章
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放課後


友人がサッカー部に見学しに行きたいとのことで一緒に職員室に向かい顧問の先生に挨拶をする


挨拶なんているのか?


「サッカー部に仮入部をしたいんですけど」


顧問の先生が友人と向かい合い


「おぉ、そうか。なら校庭に集まってくれ。運動着はあるか?」

「一応持ってきています」

「そこの君は?」

「俺はそいつの連れです」

「仮入部はするのか?」

「見学はします。実際に活動するのではなく、ただ見るだけです」


良い子のみんな。これは覚えておいてくれ。


仮入部=部活見学ではない。


仮入部は仮で部活に入って、実際に運動するけど、見学は見て学ぶだけで運動はしないはずなのだが、どうも運動部の顧問は仮入部=部活見学という公式を持っているらしい。


「そうか、じゃあ君も校庭に来てくれ」

「はい、あの」

「なんだ」

「抜けたい時は好きに抜けても問題ないですよね?」

「…」


そう聞くと、顧問は顔をしかめながらも


「あぁ、君はそれでいい」

「はい、ありがとうございます」


友人と一緒に職員室を出て、校庭に向かう。校庭に向かう道中


「霜月、よくあんなことが言えたな」

「見学なのに、部活が終わるまでずっといなきゃいけないとかおかしいだろ。もしそんなことが起きれば、夏休みとの練習のタイムテーブルが配られても、実際は時間を守らないで結局部活終了時刻まで延ばされる」

「何それ経験談?」

「そんなとこ」


本当にムカつくよね。顧問から決められた時間を破るとか。時間が過ぎているのに平気に2~3時間延長してくるから、その上片付けはしないで勝手に帰るし。


死ねばいいのに













っていう人もいるだろうな~。


2人で適当に雑談をしながら校庭に着くと、そこにはサッカー部らしき人が数人いた。足元にボールがあり、リフティングをしている。


「じゃあ俺はこれで」


近くの壁に寄りかかり、ズボンのポケットに手を入れて様子を見ることに


「え、霜月も来てよ」

「あそこまで行ったら無理やり練習に参加させられそうだから嫌だ。それと俺は帰りたいと思ったら先に帰るから」

「え!? …でも…」

「食われるわけでもないんだから行ってきなって」

「う、う~」


おもちゃを取られたような顔をした友人は、少し嫌そうにしながらもサッカー部員のいるところに向かって行く。


「実際校庭に集まれと言っただけで、部室に行けとか言っていたわけじゃないのにな」


ゆっくりとした足取りで部活に向かう友人を眺めていると、横から声をかけられる。


「君もサッカー部に入る人?」


声がした方に向くと、なんだかチャラチャラした感じの茶髪の男子生徒がいた。茶髪=チャラいじゃないからね?


「いえ、ただの見学です」

「そうか、俺はサッカー部入部希望なんだ。もし一緒の部活になったらよろしくな」

「はい」


チャラい人がサッカー部に向かって行くと、リフティングをしていた人たちに気さくに声をかけている。友人はどうしたらいいのか分からないようで、明の方に身体を向けているが、距離があるので、どんな表情をしているかまでは分からなかった。


「…なんだかな」


あいつにはサッカー部きついんじゃないかと思うが、それを決めるのはあいつなので放っておくことに。


それから1時間経ったが、顧問は現れない。部員もただボールをコロコロと遊ばせているだけで、真剣にやるというよりは、仲の良い人たちが人数を集めて、好き勝手に集まって合法的にサッカーをしているような感じだ。友人もグラウンドをウロウロしているだけで、あまりボールに触れていないように見える。というか明が見ている限り一度も触れていない。


瞬きをしている間に受け取ってパスをしたかもしれない可能性が僅かにあるからね!!


これ以上見ても成果はないと判断して友人を置いて先に帰ることにした。


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