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2人ってグループって言いますかね?
「それでは今出来た2人グループで、課題を提出してください。提出できなかった平常点をマイナスします」
教室にいる人たちは「えー」などと文句を言っていたが、それぞれ割り振られた人と組んで一緒に課題に手を付けていた。
明のパートナーとなる人物は…
「…」
明とは目を合わせず、ただ近くの席に座った。一応一緒に課題をやる気ではあるようだ。
「…どのくらいわかる?」
「…半分くらい」
「分かる問題に印をつけてくれ」
その子は明とは目を合わせず、問題用紙の番号に〇を書き込む。半分くらいは分かったようだ。
「じゃあその〇をつけたところはお願い。残りは俺がやる」
その子はこくりと首を縦に振って、渡された課題を解いていく。
「…」
「…」
お互い話をしない。どちらもほとんど話をしないで、プリントに答えを書き込んでいくのは明とこの子くらいで、他は賑やかにしていた。
「終わったら見せて、俺のも見せるから」
「…」
無言でスイっとプリントを自分の前に出される。その子が書いた答えを自分の方に書き込んでいって、自分が書いた方をその子に見せると、その子は写し始めた。
「…ありがとう」
「課題だからな」
その子は明のプリントを返して、残り時間は外を見ていた。
「他の子と話しに行ってもいいんじゃない」
「…別に、話すこと無いよ」
その子はそっぽを向きながらも一応の返答はしてくれる。それ以上話すことが無くなった明はその子のことを考えないで、昨日見たアニメを頭の中で再生していた。
あのシーンは面白かったな~とか、ここからどうなるんだろうな~と考察をしたりとかそんな感じ
明が考え事をしているとどこからか視線を感じる。視線の先を見てみると、茜がこっちを見ていた。正確に言うと、明の隣にいる陽花を見ていた。
「…」
茜からはっきり見えるように、席を動かして視線を確保すると、茜は明に親指をグッと突き付けてこっちを見ていた。
「…」
陽花は無表情で空を見ている。教室はワイワイとしている中、ほとんど会話のないこの2人組は明達が思っている以上に目立っていた。
「あの2人って仲悪いの?」
「陽花さんは男子と全く交流がないから不自然ではないでしょう」
「良いなー陽花さんとペアになれて」
「俺もなりたかったな」
疑問と羨望のまなざしを向けられているが、それらを全て無視する。
陽花も無視していた。
茜は陽花を見ている。
「よし、全員提出しろ~」
「…一緒に出してくるから」
陽花のプリントを手に取ると、明とは目を合わせず
「ありがとう」
ボソッと言った。明が提出している間に陽花は自席に戻る。
教師にプリントを2枚渡して席に戻ろうとすると、茜も提出しに来ていた。他にも進路があるはずなのに、わざわざ明とすれ違うように歩いてきている。
すれ違いざま、小さな声で
「陽花どうだった」
「いつも通り」
「そう」
お互い歩みを止めないで、そのまま歩いて目的地に向かう。
明が自席に戻り、教師の進行を待っていると丁度チャイムが鳴った。
これで今日の授業は全て終了だ。
級長が「起立、礼」というと、半分程度しかきっちりと礼をしておらず、半分程度は礼をしながら各々好きな場所に向かっていた。
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