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無気力少年の少し変わった学園生活  作者: ヤマネコ
1章
6/138

良ければ評価ポイント・ブクマをよろしくお願いいたします。

昼休み


「おい霜月聞いたか?」

「何を?」

「最近あるゲーム会社が倒産したって話」

「何それ?」

「お前…本当に何も興味を示さないよな」

「興味はある、すぐに尽きるだけ」

「それなんとかした方いいじゃないか? そんなだと友達がほとんど出来ないよ思うけど」

「直しておくよ」

「それ何回も聞いたけど、変わらないよな」

「それで? なんで倒産したの?」

「そのゲームがなんか催眠状態にして仮想世界で遊べるというものだったんだけど、遊んだ人の8割程度が実際に死亡しているとかなんとか」

「そんなことあるんだ」


少し眼を見開いてそいつの方を見ると


「本当だって、一時期ニュースや新聞にもこのことが掲載されていたと思うけど…」

「テレビもニュースも見ない。見るのはアニメとかゲーム」

「そんなだとこの先友人出来ないぞ」

「無理して作る必要はないし、俺が今持っている話で話が出来れば十分だ」

「…なんだかな…」


そいつはため息をつきながらお弁当を片付けて頬杖を突きながらも話を続ける。


「あ…思い出したその話。確か12人の少女ってゲーム?」

「そうそれ、なんだ知っているんだ」

「俺もあれやりたいと思っていたけど、女性しか参加できなくて落ち込んだような記憶があるわ」

「…その覚え方…本当に興味を示さないんだな霜月」


多分違う。興味を示さないんじゃなくて、興味を示さないようにしている。


陽花と茜のことがあってから、何かと接点が出来ると嫌でも疑いがかけられることを嫌がっていた。それがほんのわずかな疑いだとしても…。疑いをかけられること自体が嫌になってしまっていた。


「…なんで12人なんだろうな?」


そいつは霜月に問う


「…そんなの制作者に言えよ。…そういえば製作者って結局誰だったの?」

「それが分からないらしい。ゲーム会社は全員口を紡いでいて誰も吐き出さないようだ」

「そんなこと…あるんだな」

「すげーどうでも良さそうに言うよな」

「実際どうでもいい。俺に関係するものでなければ…」


明もお弁当の中に入っていたおかずを全て食べきり蓋をする。友人が教室にいる女子グループを見ていた。その女子グループには2人がいた。


「今日も可愛いよな。陽花さんと茜さん」

「そうなのか?」

「あぁ、お前どっち派?」

「派閥なんてあるのか?」

「霜月は人と接点持ちたがらないけど、2人って少し人気あるんだよ?」

「へぇー」

「そんな反応しない」


軽く頭をポンと叩かれる。お返しとして、足を踏みつける


「いた!痛いって! ちょ、や、やめろー」


ぐりぐりと足を踏みつけたら、また頭を何度も叩かれる。今度はポンではなくボコだった。痛む場所を手でさすりながら


「じゃあどう反応すればいいんだよ」

「…そう~なん~だ~?…とか?」

「やっていいの?」

「殴れる覚悟があるなら」

「じゃあやらない」


なぜか話題は陽花と茜になっていた。別に逸らすようなこともないので、そのまま話を続ける


「あの2人って仲良いよな」

「確か姉妹じゃなかった?」

「霜月もそれくらいは知っているのな」


ちなみに明と2人は同じ小学校ということを明かしていない。明かしたところで何も良いことが起きないだろうから。向こうも同じ考えのようで、明の知っている限り、同じ小学校かと聞かれたことがない。


だからといって、言っていないと断言できるわけではないが、あんな面倒ごとになった経験を持つ2人が、わざわざ言うとは思えなかった。


「というかお前、あの2人が好きなの?」


明が友人にそう聞くと


「…どうだろう。見ていて可愛いとは思うけど、全く恋愛的なそぶりがないんだよね。陽花さんは全く男子と話をしていないようだし。茜さんは男子と話はするけど、恋愛的になりかけた瞬間に距離を取られたって前に男子が言っていたよ」

「そうなんだ」


2人ともそんな感じなのは見ていて分かった。


「そうだ霜月、お前部活はどうする? どれに入るか決めた?」

「うーん、まだ決めていない。最悪帰宅部になるから」

「僕はサッカー部にしようかなって思っているよ」

「サッカー経験者だっけ?」

「ないよ」


きっぱりと言った。


「ここの学校は他校と比較してみても部活に力を入れていない方だから、初心者の僕でもついていけるかなって思ってさ。人数も少ないみたいだし、交流もしやすそうでハードルも低いと思うから」

「…いいんじゃない? 新しいことに挑戦しようとするのは」

「霜月も何か新しいことしないの?」

「新しいことね…」


確かにずっとゲーム・アニメというのも最高に幸せなものだろうが違う遊びを知れば、更にその味の良さが分かりそうだ。


だからと言って激しい運動系は…


「…どうしようかな」

「良かったら僕と一緒にサッカー部にしない? 知り合いはいた方が僕としてもうれしいからさ」

「…まぁ、部活見学に付き合うくらいなら」

「やった! じゃあ放課後に」

「うん」


昼休み終了のチャイムがなって、午後の授業が始まった。



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