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無気力少年の少し変わった学園生活  作者: ヤマネコ
1章
21/138

21

放課後、友人がやって来た。


「やぁ、なんで遅刻したの?」

「寝坊だよ。昨日お前が渡してくれた作品を読んでいないことを夜中に思い出して急いで読んでいたら寝るのが遅くなった」

「そうなんだ、感想は?」

「まだなんとも、様子見」

「2巻あるけど、どうする?」

「貸してほしい」

「はい」


渡された本を鞄の中に入れて、ついでに持ってきていた1巻を返す。返した本をジロジロと見た後に


「うん、曲がっていないし、汚れていない」

「そんな雑な扱いはしねーよ」

「どうかな、霜月って雑な所あるじゃん」

「あるけど、借りている物にそんなことはしない」

「……そういえば、部活は何か入るの?」

「あぁ、決めてなかったわ」


そういえばそんなことがあったな。部活…何が良いかな


「そういえばサッカー部がどうした?」

「やめたよ、あの空気に溶け込める自信がないや」

「そうか、じゃあ他の部活?」

「そうだね。運動部にしようかと思ってはいるけど。そうでもしないと運動なんてしないし」

「なるほど…あまり動かない運動部…」

「この学校だと比較的全部緩いからね」

「水泳部とかどうだ? 水泳は結構体力使うぞ?」

「僕泳げないんだよ」

「俺も泳げない」

「そうなんだ」

「うん」


友人と話をしていると、何かが頭にコツンとぶつかった。何だろうと思ってぶつかった物を見ると、消しカスを集めて丸めたのが投げられていた。投げられた方向を見ると、クラスの中心的グループの男子達がニヤニヤしながらこっちを見ていた。


「……はぁ、悪い俺帰るわ」

「え、そう? 分かった。じゃあね」

「おう」


あいつらの相手をしていられないと思って鞄を持って廊下に出る。教室の中からは男子の笑い声が複数聞こえてきた。顔と名前は憶えていないが、おそらくさっき明に消しカスを投げてきた連中だろう。


イライラしながら下駄箱に向かって、靴を履き替えて外に出る。校門を抜けて、そのまま家にまっすぐ帰ろうとしたら前にいる女子の集まりがいた。4人いて、中には朝から昼まで一緒にいた実がいた。


実と一瞬目が合う。彼女は小さく手を振った後に、明に気付かなかったようにそのグループで帰っていった。明は手を振られたが、立ち止まらないでそのまま前を向いて歩く。


女子グループの歩く速さは遅くて、このままだと追いついてしまう。前に異性のグループが歩いていて、このままだと追いついてしまうもどかしさを感じながら、後ろを歩き続ける。


しばらく歩いていると実以外の3人が実と手を振って別れた後に、脇道に逸れてしまった。明は実がいないと考えて、実の横をそのまま通り過ぎようとしたが


「この後用事ある?」


明とぴったりくっつかず、8歩程度離れて声をかけてきた。


「もし用事がないなら私の用事に付き合ってくれない?」

「……」

「あなたよ、霜月明君」

「……どんな用事ですか?」

「昼に会った明坂と茅野が霜月君と話がしたいそうよ」


歩く速度を速めもせず、遅くもせず、一定の速度を維持し距離を開けながら話をする。


「何を話すんですか?」

「中学生男子と話しをしてみたいそうよ」

「他に当たってください」

「あいつら全員業務以外の用事で会える男子の知り合いがいないから、霜月君と話をしてみたいそうよ?」

「すいません、用事が出来ました」

「山盛りポテトも奢ってくれるってさ」

「よし行きましょう、どこですか?」


実は8歩から6歩程度まで距離を詰めて


「すぐそこのお店。そこ穴場だから内の学校の人はほとんど来ないよ」

「…」


一応母に帰りが遅くなるかもしれないことをメールするが、既読は付かなかった。多分寝ているのだろう。


「そこじゃない、手前だよ」


行き過ぎた道を引き返すと、隣に実が来ていた。店の扉を開けて2人一緒に中に入る。



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