宮村家と話し合いファイッ3
矛盾...。ごめんなさい。スルースキルを発動させて下さい
「不貞行為に伴う婚約破棄関しての慰謝料はこちらです」
見やすい様に紙を見せて、そして、聞こえやすい様に気遣った声で金額を見せた。
視覚から聴覚まで金額を訴えた。
「こんなに...」
「これこそ詐欺よ」
婚約破棄の慰謝料として相場よりちょっと高め位よ。
ぼったくりの値段でない。
そこから岡崎さんや田中さんの依頼料を思うと、そこまで余裕はない。
「そして、結婚詐欺に対しての慰謝料はこちら」
さっきのより、遥かに高い金額である。
長年、騙した悪質的で計画的な事。
「これはさすがに、これはふっかけ過ぎではなかろうか?」
「いえ、裁判にもしない。被害届も出さないのであれば一般的な金額です。木佐さんが、騙されてた精神的な苦痛、無駄に拘束された長年の期間を思えばですね」
この値段は、警察に通報しない、被害届を出さない代わりに、この金額でもある。
それを言われると黙ることしか出来ないのである。
不貞行為もダメだけど結婚詐欺は逮捕出来る事案。
「こんなに払えません」
「いえ、払って頂きたいです。婚約破棄に関しての慰謝料は一括で、結婚詐欺に関しての慰謝料は金額が大きいので分割でいいとこちら側の要求です」
「婚約破棄の方の金額でも払えません」
「この金額は一般的な相場です。それに結婚をする予定でこれくらいの金額の貯金が無いのは可笑しいですね」
確かに、安い金額ではないけど、結婚する予定であるし、それがなくても将来の事を考えて貯金しようと思うと、私達くらいの年齢ならば、それぐらいの金額を貯金してても可笑しくない。
「結婚式とか、どうするつもりですか?木佐さんに払って貰うつもりだったんですか?」
「それは...」
「それと、式場キャンセル料は、そちらでお願いします。こちらの式場に問い合わせした所、2人が本予約した式場が半年後の式場キャンセルは...」
そこからは岡崎さんの独断だった。
少しでも、反論しようものならば、正論で論破する姿はもう、本当に頼もしかった。
こちら側は、岡崎さんが居て安心感で一杯だ。
宮村家にイライラしてた両親も岡崎さんの対応に信頼を置いていた。
私達家族は、岡崎さんの邪魔せずに黙って見守った。
婚約破棄への同意
婚約破棄の慰謝料は一括払い
結婚詐欺に関しての慰謝料は3年完済の月々の分割払い
支払いが滞ったら裁判にも掛けて、給料から差し押さえする。
色んな契約にお互いサインして終わる。
終わる...はずだった。




