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日常~後半が始まる~

「一対三か……」

 現時点では僕が属する黄チームが勝っているけれど、後半戦を思えば有利と言えない。準備運動だったからこそ、実力の五割も出してない。

「休憩、終わりです」

 審判役の女子マネージャーは笛を吹くや大きな声で、位置に着くよう促した。部員たちは合図を受けるや立ち上がって、体力を温存すべく歩き始めた。

「期待してるぞ、リベロ」

「はいっ!」

 反省を無駄にしませんと、前を行くリーダーの背を見つつ思うんだ。自陣の中央に立ち呼吸で目を変えて、戦闘の体勢に成り力をめゆく。味方も敵も空気もピリピリと、緊張の高まりが肌を刺すような痛みに感じれた。キックオフはまだかって、待ち焦がれる。笛が鳴った。前衛に合わせ攻撃へ走り出す。

「あっ……!?」

 気付いた時には真横をキャプテンが通り過ぎていて、方向を反転させる間に赤チームの五人が後に続くをスローで見ていた。転倒すれば追い付けないと踏ん張って、忍者のごとく体を低め引力を用い駆け抜ける。

「うおぉおぉぉ!!」

 躍り出るや立ちふさがりて、ボールを奪おうと詰め寄る。視線や動きを見逃さぬと観察をして、得意の《カット》をするべく右足を回り込ませる。周囲の敵はマーク済みによって、誰かへとボールは渡せないはずだ。

 ——取った!

 確信を強めあと少しの所で、回避されてしまう。一瞬の間に空高くり上げるなんて、素早さに対応が遅れるも、悔しさは無かった。背後で《トラップ》したのか音を聞くしかできなくて、振り返ればゴールされていた。

 ——本当に……。

 すごいと言う他に思い浮かばず、スキルを使わなくとも強いからこそ憧れなんだ。冷静に判断して、最善の手を選べること信頼に繋がっている。

「今のは悪くない」

 経路を分析して、孤立させた所までは良かったけど、一人で止められない相手に対しどうやって、行動するかの考えが足りてない事実を突き付けてきた。

「複数でも個の力が秀でていれば、簡単に抜かれてしまいます」

「連携が取れていたなら、可能と思わないか」

「例えば、穴を塞ぐことで動けなくしたり……?」

「違う。答えは一つではない」

 経験を積み重ね手段を学ぶ機会は今だろうと、言い含めては背を向け離れゆく。練習が再開されて攻撃へ走り出すも、頭の中は悩みでいっぱいだった。

「集中しろ」

 間近で声を掛けられたように大きく聞こえたことで、思考の渦から現実へと戻れたんだ。振り返ればキャプテンの姿があって、足を止めずに動いている。

「あっ……」

 防衛せねばと走り出すも間に合わず、見事な技術によりGKの手が届かぬ場所に刺されてしまう。責任を感じて、自分を馬鹿と責めるのだった。

「すみませんでした!」

「取り返せばいい。心を乱されるな」

 自陣に戻るリーダーと並走しつつ謝らせてもらうと、今はボールを追いかけるべきだって切り替えをみせる。作戦を伝えられて面白そうに思えると、表情に出そうになり即座に装うんだ。期待に応えたいと、気を引き締めた。

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