日常~前半を終えて~
——基本球技《インターセプト》!!
僕は二人の中間に達したボールを受けとるや《ドリブル》して、反撃とばかりに敵陣の深くへ走り抜ける。必然的にキャプテンが行く手を阻んできた。基本球技《ステップ》で突破してみせようと、右足に力を込めてえ跳ぶ。風になるんだ。
「うおっ!?」
人垣を抜けたと思うや弾力のある何かにぶつかって、尻餅を着いてしまった。視線の先にはラグビー選手を思わせる体つきの先輩が立っていて、足底にはボールが止められている。直ぐ様と奪いに動くも間に合わず。
「そこにいろ!!」
「え!?」
待機をリーダーに命令されて思わず叫んでしまった。困惑しつつも足を止めて、状況を見守る。味方のDFと横並びに立ったと思うや、三人は偉そうに腕を組んだ。基本球技《パーティション》は二人以上による仕切りをゴール前にすることで、隙間の無さは正面から突き破らせない。強引な《タックル》は危険だと下されて、処罰を科されるを思えば難しい。
——繋げ、早く。
見事奪取するを遠くから見たこと、中級球術《ハイスピード》が発動された。最前線で待ち構える黄色の五番は熱血な先輩にへと、高速の《パス》で回してゆく。加速させ渡ったボールの勢いを殺さずと、炸裂に笑みする。
——逃げてしまっては……。
得点される一方だよなと、胸中で思う。一つでも技を持っているなら極めることべきだろうと、宝の持ち腐れにしてほしくないんだ。
「前半戦はここまで、休憩に入ってください!」
審判役の女子マネージャーは笛を吹くや大きな声で、日陰に入るよう促した。相手のGKこと自分の同年の子と話すならば今だって、思い立ち歩み寄る。
「どうした?」
「なにが、さ」
「一度も止められていないけど?」
「…………」
「練習だし、無理すんなよ」
「ああ」
「分かっていることだろうしね」
「もちろん」
親しからぬ理由は異なる学級だからで、部活の時にコミュニケーションをするも盛り上がることはそんなにあらぬ。無口さに対する関わり方を学ばせてもらいつつ、今日までチームのために努力を共にしてきた戦友と僕は認めている。
「根宮ぁ、早く来いー」
「すみません、すぐにっ!」
先輩リーダーに呼ばれて慌ただしく励ますや黄色の群がりへと駆け足した。人垣を掻き分けて前に出ると、後半の作戦に配置を指示していた。
「リベロはなんだったかな?」
「攻撃と防衛を担うポジションです」
「全体を見て動かねばならないのは?」
「ごめんなさい……」
「自由にも責任はあると覚えておくこと」
前半戦は攻撃して活躍する思いが強すぎてしまった。天才的な能力があっても独善的な行動は勝利を齎さない。反省して気持ちを切り替える。




