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日常~容易に抜かれ~

「くっそ……」

 球技の中でも基本の動作は《ドリブル》と《フェイント》により、体勢を崩されてキャプテンを追うのが遅れた。抜く際に笑みを見せられて、悔しく思った。

「動きが固い。リラックスしろ」

「はい!!」

 先制点を入れたキャプテンは自陣に戻りつつアドバイスをしてくれた。敵に塩を送っても負けないと、感じさせるほどに力の差があるんだ。

 ——下剋上げこくじょうしてみせる!!

 僕が属する黄チームのリーダーは三年生だからこそ、球術を理解した上で対抗する必要は無いと判断した。攻撃する頭脳と言われ、信頼と実績が物を言う。

「分かりました」

 指示に対して素直に従い、自陣の中央に着く。普段のように楽しもうと、気持ちを切り替える。一点取られただけだ。取り返してこう。叫びを上げた。

 ——次は抜かせませんよ。

 審判役の女子マネージャーが笛を鳴らし、リーダーにボールが渡る。前衛の四人が一斉に押し上がり、直線の《ロングパス》は《シュート》並みに速く飛ぶ。正面を走る黄の五番は熱血な先輩で、機関車を思わず力強さは止められない。

「すげえ……」

 下手したらラフプレーと見なされる危うさがあるも、基本の球技を極めることで個性が活きている。相手に恐怖を与え、尻込しりごんだすきに突破して行く。後方を見ずにリーダーからのボールを止めないで、更に《ブースト》を掛けて速さを上げた。敵の守りの穴を瞬く間に抜けて、ネットに包まれた。

 ——…………。

 超速攻でゴールした事実をすぐに受け入れられなくて、弾むボールに目を向け口がふさがらない。二人の息が合ったことで、正確に貫くことができた。

 ——風属球技《ソニックショット》?

 衝撃覚めらず沈黙が満ちる中で、記憶を引き出し考えた。音速に思うも属性の色を発さぬこと、魔法に因るを否定したのは使えぬから。

「持ち場に戻れぇっ!」

「あっ、はい」

 何時いつの間に始まっていた。驚き慌てて守りに加わる。赤チームは再び《トライアングル・ワイド》で攻めて来た。リーダーが命じた通りに動かない。ゴール前へと入られてしまった。何か考えがあるのだと、信じるしかない。

 ——基本球術《カウンター》!!

 指示に背中を押されて、疑問や不安を抱くよりも先に駆け出した。少人数で守り切ってみせると、声を聞いた気がした。振り返らずに走っていると急に暗さを感じて、仰げばボールが落ちてくる。足の甲で優しく受け止め、前に転がして《ドリブル》する。敵の守りが薄い内に決めるべきだと、DFの壁に突っ込む。

 ——基本球技《ステップ》。

 足取り軽やかな身のこなしで、物ともせずに擦り抜けた。隙間すきまがあれば通れるため、完全にふさがなければ意味をさぬ。

 ——基本球技《シュート》ぉおぉぉっ!!

 正面切って真向かって、足の指の先に力を集めり飛ばす。重さを与えたボールは勢い良くゴールを刺しに掛かりゆく。相手の目に大きく映るだろう。

「止めてみせる!!」

 相手のGKはそう叫ぶと、右手に力を込める。基本球技《ワンハンド》を前へ突き出してきたけれど、発動から行動への移りが遅い。得点を二に増やせた。

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