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漫才の台本

漫才「転勤」

作者: 沢山書世
掲載日:2019/08/07

漫才十一作品目です。どうぞよろしくお願いいたします。

職場にて。

「あいつの壮行会を開くんだけど、どうする? 来る?」

「壮行会?」

「転勤することになったんだって」

「へえー、どこに行くんだい?」

「海王星らしい」

「海王星? またずいぶんと遠いところだなあ。あいつの希望なのか?」

「太陽に行くか海王星に行くか、好きな方を選べって社長から言われたらしい」

「左遷だな」

「この二択じゃあ、選びようがないもんな」

「なんか寒そうだなあ」

「太陽から相当離れているもんなあ」

「あの星、地面はあるんだっけ?」

「さあ? どうなんだろう」

「地球人はいるの?」

「どうだったかなあ」

「海王星人っているんだっけ?」

「わるい、よく知らないんだよね」

「無人星だったらかわいそ。ひとりぼっちだもんな」

「転勤で行くんだろ、商売しに行くんだろ、だったらなんらかの生物はいるんじゃないの?」

「そうだな。で、何年くらい行く予定なんだろう」

「一年だって」

「なんだ短いんじゃないか、一年だったらすぐ経っちゃうよ」

「ところがさあ、行くのに二十年、往復で四十年かかるんだって」

「そんなに?」

「鈍行で行くんだって。会社が特急代を出してくれないらしい」

「四十年かあ。壮行会というよりも、送別会の方が意味合いとしては近いな」

「盛りあがらなそうだなあ」

「最初から涙だな。居心地悪そうな集まりだなあ」

「支店長になるっていうのになあ」

「なんだよ、それって出世じゃないか。だったら会の名目を昇進祝いにしようよ」

「なるほど。そうすればおめでたい感を前面に押し出せるな」

「そうそう。海王星のカの字も出しちゃダメ。昇進しておめでとう、よかったよかったと、そういう話しかしないこと」

「話が煮詰まってきたら、あとは昔話だな。入社の頃からのエピソードで盛り上げちゃおう。話題が尽きたところでお開きにしよう。二次会はなしだな」

「これでなんとか会を乗り切れそうな気がしてきたよ」

「あとは本人が出席する気になるかどうかだな」

「・・・それもそうだな」


読んでいただき、どうもありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 往復で40年……。 絶望的だなぁと思ったら、なんと海王星の公転周期は165.2年! 合わせて205.2年のお勤めになります。 お疲れ様です(笑) 面白かったです。
2019/08/07 10:16 退会済み
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