後にも先にも。
私は私の時間の中で、どれほどの大切な人の大切な「何か」を
失って、悲しみ、その「何か」を追いかける姿を見るんだろう。
ふと前を向いた時に、思い出される感情を
何となしに記憶に残る香りに気づいた時の、溢れる涙を
どれほどの時間をかけて、どれほどの寂しさを投げて、
どれほどの笑顔に紛れ込ませたら、
この痛みも寂しさも悲しみも、溶けて消えるんだろう。
もし溶け残ってしまった時は、
小さく丸めて飛ばしてしまおうか。
その小さなそれがどこかで消える頃には、
きっと大切な人の大切な「何か」も、
私の大切な「何か」も、戻ってくるのかもしれない。