星空親子
ナヴァ魔法学校の生徒会長の俺は、委員会費の申請をするために学校長室へ向かっていたが・・・
学校長と会ったのはあれが初めてだった・・・
そんな事を考えながら、委員会費の申請をするため、俺は学校長室の翡翠色の宝石が散りばめられたドアを叩いた。
『失礼します』
『へ?』『ほ?』
そこにいたのは、真紅の瞳を丸くし、ちょうど下着に手をかけていた学校長、星空 アリスだった。
『きゃあ!』
『し、失礼しましたあ!』
俺は、逆再生のリプレイを思わせる動きで、部屋を出た。
・・それから5分後。
『まったく!ノックしたら返事があるまで待てと何度言えば分かるのですか!』
『す、すみません!悪気は無かったんです!』
ナヴァ魔法学校の学校長、星空 アリスは18歳である。つまり、着替えているところを見られたくない年頃なわけで、(見られたい年頃なんてのも存在しないが。)拗ねてしまっている。・・なぜこの年齢で学校長を務めているのかは教えてもらえない。
ちなみに俺は16歳だ。
『あ、あの〜、大変申し訳ないのですが、この紙にサインを頂けないでしょうか?』
『大変申し訳ないのですが、機嫌が悪いので、また次回にしていただけないでしょうか?』と、満面の、いや、影のある笑顔で言ってくる。
ああ、駄目だ。本気で怒っている。これ以上しつこくすると魔法を打ち込まれそうだ。
おとなしく退室した俺は、生徒会室に帰り、入ろうとした。が、
『きゃあ!』
(な、なんだ?デジャヴとかいうやつか?いや、それにしても少女が着替えている場面のデジャヴって一体・・)
『変態ー!』
『とかなんとか冷静に考えている場合では無かった〜‼︎』
ドカッという効果音と同時にレベル1の物理魔法が俺を襲った。
・・それから5分後。
『まったく!ノックしてって何度言えば分かるの⁉︎』
『いやいや、ここ生徒会室だからね⁉︎女子更衣室じゃないからね⁉︎』
『た、例え更衣室じゃなかったとしてもノックするのは常識だよ?』
『何で疑問形なんだよ。ていうか、それを言うなら生徒会室で着替えるのも非常識だろ。あと鍵あるんだから鍵閉めろ』
こいつは星空 瞳。俺の同級生で副会長を務めていて、瑠璃色の瞳をもっている、赤髪の少女だ。
・・そして、学校長の一人娘でもある。
(はあぁ〜、着替えてるところ見られた〜!)
瞳は体温が上がっていることに気が付いたので、顔が赤くなっていないか焦っていた。が、海斗はそんなことを考えていないようだった。
(くっ、気づかれても困るけど、なに一つ気づかないなんて・・)
(な、何か真っ赤になってるけど、多分恥ずかしかったんだな。ここで何か言うと、中位階ぐらいの魔法が飛んできそうだから気付かないフリしとこう・・)
この2人は、両想いであることどころか、自分が恋をしていることにすら気付いていないのであった。
コツコツやっていきたいと思います。




