始動
ここは仮想世界
アルメリア王国と呼ばれる、強大な大国が支配する惑星ベルーガ
平和が保たれていたこの世界
その沈黙が今破られようとしていた
この物語は、一人の風来坊に過ぎないゼイガーという男が、アルメリア王国海軍に入隊するところから始まる
今日も暑いな。
何はともあれ、俺は今アルメリア王国海軍に入隊した。勿論、ランクは最低の二等兵さ。
学歴がものを言う王国海軍のランク制度なんて、ハナからどうでもいい。今の俺には、飯を食える環境と屋根のある寝床があれば、文句はない。
配置はとりあえず戦闘職のようだ。
難しい事は分からないが、王国海軍には二つの人種しかいないらしい。戦う人間と、それを支援する人間。難しい言葉で言うと、戦隊と兵站部というらしい。
この前の教育研修で唯一覚えていた事だ。
あとは爆睡していた。勿論、教官の新米中尉は大目玉。まぁ、捨て駒の二等兵が、付け焼き刃の知識を得た所で、いざ戦争になったらどうにもならんさ。真っ先に死ぬ可能性が無くなるわけじゃない。座学は苦手だが、戦闘教練では、抜群の評価を得た。餓鬼の頃から、生きるか死ぬかの生活をしていた俺には、なんてこたぁない。自分で言うのもなんだが、身体能力は図抜けている。食い物を探して海山川を駆け回っていたからな。
後一か月もすれば、このつまらない教育期間も終わる。そうすれば、いよいよ実戦配備だ。