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きょうのお墓ご飯  作者: 臭大豆
First order
11/13

ラストオーダー・「ことこと煮込んだ牧場のミートローフトマトパン粥、一言を添えて」 その2(結)

 更に、翌日の午後。

 「よし…!」

 「おっ、いよいよか!ヒューッ!」

 「頑張れー、はやくー、でもあせったらだめだよー!」

 私は自分の調理器具一式を持ち、白河霊園の事務所・権・管理人一家の家。その中の台所に立っていた。管理人・時さんへのお礼であり、同時に約束である「手料理を振舞う」事を果たすため。リビングのほうから響く騒がしい二人の声。そして。

 「どんな料理が出来るのかしら?楽しみねえ」

 「…はい。」

 私の隣には、「静かな恐怖」が立っていた。私はその顔を見ていない。

 いや、普通に話す分にはいい人なのだが。どうも時さん絡みの事と、それに関わる「料理」の事となるとこんな風に「恐怖」を感じ得るように変貌してしまうのだ。

 ・・・いや、変貌というか。その「愛への姿勢」こそが彼女の本質なのであろう。

 「花塚さん、何かお手伝いすることはありますか?」

 同じく。台所に静かに立っていた四季さんが私に声を掛けてくれた。本当、四季さんの気配を絶つ技(?)も大したものだ。しかしてそして。その恐ろしい(失礼)見た目の存在感よ。

 「ああいいわよ、四季ちゃんは礼ちゃんと遊んでなさいな。私の仕事はちょっとした付けあわせ、ハムとかチーズとかを切って、焼いて。お皿に盛るくらいだから」

 「大丈夫ですか?それでは…カチョカヴァロも楽しみですねえ♪」

 「おーーーーーういにーちゃんーーー、ゲームしよーゲームしりょー、っ、しよーっ!」

 妹さんの呼ぶ声に誘われ、四季さんは音もなくキッチンの床の上を歩いていった。

 ・・・私が歩くと、軋むのに。

 ―さて、私は私の仕事に取り掛かるとしようか。


 30分後。式見家の食卓には私の作ったパン粥と、牧場の幸。ヴルスト

(痛みやすく、本場ドイツでは朝作られてから正午までに食べるのが望ましいとされるソーセージ)、ローシンケン(生ハム)、ベーコン、カチョカヴァロ、牛乳、黒パン、ペロシキ、アップルパイが、飾らないそれらが所狭しと並んでいた。やはりこういったものはシンプルに、簡単な調理法。つまり、そのままスライスしたり、焼いたりボイルしたりすれば最高に美味しいものだ。私は式見家の食卓のご相伴に預かり、豪勢な牧場の幸をやや遠慮がちに、しかし全種類余すところなく堪能しつつ。「きょうさん、今日もいい食べっぷりだねー」「わはは!それ、もっと食ってくれ!」・・・あくまで遠慮がちに。美味しく頂きつつ。

 私の料理の、今日の調理で。「私の中では」完成された料理。

 「うまっ!?なんだこれ、なんだこれ!?美味いぞ!!トロトロなのにもちもちで、あーー、これなら鍋一杯分でも掻き込めそうだ!(その後唸り声を上げつつパン粥を掻き込む)」

 「私、トマトちょっと苦手なんだけど・・・んーでも、これならまあいけるかな。ミートソース?とはまた全然違うけど。うん、またちがったおいしさだね。いーよ、おいしい。響宇さんおいしーよこれ。(その後ソーセージやカチョカヴァロの断片をつまみつつぱくぱく)」

 「…うん、美味しいですよ、花塚さん。トロトロになるまで煮込んだパンもさることながら、とろけたパンがソースと絡んで、溶け合ってまろやかな調和を、癖のない優しい味を出しているのもさることながら。それでいてこのパンの皮のモチモチとした食感と、そして、香ばしさと。大きめに切られたミートローフがボリューミーさを出していて…本当、イタリア料理は。トマトと小麦とオリーブオイル、そして、にんにく?も入ってますよね。その調和は本当に崩しようのない完成されたものですよねえ。しかして、このパン粥からはいつものそれとは違う何かが感じられました。このお粥は。私に更なる可能性を見せてくれましたよ。文句なしに美味しいです、ううーん、喋る時間が惜しいほど美味しい。(小食なのに結構な食べ進み方)」

 「・・・・・・・・・負けたっ。やっぱり料理じゃ響宇さんには勝てないなあ。悔しいけど、でもしょうがないや。だってこんなに美味しくて、優しい味なんだもの。何、お粥って言うからリゾットみたいなのを勝手にイメージしてたけど、何?これは、ああ、スプーンが止まらない。米のお粥とは別物過ぎるわねえ。パンをお粥にするとこんなにも美味しくなるものなんだ。。。ああ、・・・。、、美味しいわあ・・・(いい笑顔で食べる)」

 この調理場で、「完成」の確信を他でもない私の舌の上に乗せた渾身の一皿。

 その感想まで、余すところなく貪欲に堪能しつくしたのであった。

 余すことなく食べ尽くし―しかし、鍋には1人前程のパン粥が残っている、否、敢えて、意図して残しておいたのだ。まあ本当は鏡の顔の男とトマーゾさんの分も残しておきたかったのだが。予想をはるかに超えて時さんの食べる量が凄まじく。・・・まあ、キッチンを借りた手前、そこまで贅沢を望むわけにも行かないだろう。

 「ご馳走様でした、そしてお粗末さまでした。牧場の幸、美味しくてついつい食べすぎちゃいました」 「ご馳走様でした」 「ごちそうさん!今日も美味かったぞ花塚さん!」 「おなかいっぱーい…」 「ご馳走様。今日もいい勉強になったわー」  

 私は空になった食器を式見家の流しに下げていく。

 自分ひとりではなく、他の人たちが食べて空になった食器。それを見ていると自然と笑顔が溢れてくる。それは「なぜだか」とか言う曖昧ではない、確かな理由から。

 食事の後には、食辞が残る。ご馳走様の言葉と、載せた重荷が消えて軽くなった食器たち。

 即ち、その食事への、嘘偽りない感想と感謝の気持ちが目にはっきりと見える形で残るのだ。

 「ああ、いいわよ花塚さん。食器はこちらで片付けますから」

 「いえ、そんな悪いですよ。」

 「いいからいいから。家で汚した分の後片付けは私と四季ちゃんでしておくから、花塚さんは自分の持ってきた奴だけまとめといて・・・あ、ゴミはここに置いてっちゃっていいわよ。それとも、自分の食器とか鍋とか洗いたいならここで洗っていっちゃう?」

 「そうですか?それじゃあ・・・あ、食器は大丈夫ですよ、家にもって帰って洗いますので。それじゃあゴミだけ置いて行かせて頂きますね。よろしくお願いします」

 持ってきた調理器具をまとめる私、食器を片付ける静さん、辺りを音もなくうろつく四季さん、そしてリビングでまったりとくつろぐ時さんと礼ちゃん。

 多分、この二人には。(それぞれ違った意味で)お盆に向けて、また忙しい日々が続いていくのだろう。仕事に、遊び。どちらもそれぞれ本気になって取り組めるものたちだ。

 そして私は。自分の持ってきた「おばあちゃんの器」に温め直したパン粥を盛り付けて。

 「それでは、ごちそうさまでした」 

 「あら、またお料理お供えするのね。」 「はい。またおばあちゃんに食べてもらおうと思って・・・」 「今日の料理はいい出来ですものね。それではまた、花塚さん。」

 事務所の外に出て。私はまとめた調理器具を自転車のかごに載せ。

 そして、額に汗をかきながら。熱い器を手に持って。ラップに包まれた、不安定に揺れる器を。せめて、立ちくらみでこぼしてしまわないように、とそこそこ注意して運んでいく。

 調理を終えた後の私、花塚響宇は。少々注意力が落ちるので気をつけたいところだ。





 「坂崎家」と刻まれた墓石の前、私は一人、そこに立っていた。

 いや、一人ではない。そこには、普通の人には見えないが。鏡の顔の男が隣に立っていて、そして、つい先程まではトマーゾさんも、そこにいた。

 しかし、そこには、私が目視するその、坂崎さんの座っていた墓石には。

 そこには坂崎さんはいなかった。姿は、なかった。その、坂崎さんの墓標には。

 坂崎さんと、その先祖達の名前が刻まれているだけ。

 私は一人、取り残されたように。夏陽炎の中、しおれた花瓶の花のように。なんとか、そこに立っていたのだった。


 「おいしい」

 ・・・と。私の料理を食べた坂崎さんは言っていた。そして…

 「・・・驚いた。俺があの時、あの場所で食べたパン粥とそっくり・・・・・・いや、ほとんど同じ、入ってるミートローフまでおんなじだ・・・」

 坂崎さんは、静かになって。しかし私を見つめる瞳は、その驚きを、そして蘇る「その日」の感動を激しく、雄弁に語っていた。

 おいしい、おいしいと。夢中になって私の料理を掻き込む坂崎さん。

 しかし、私はそれに言葉を発するでもなく、喜ぶでもなく。ただ静かに、その様子を見つめ。墓石に染み入ることもない、しかし私の中に蝉の声以上にカクテルパーティ効果で聞こえるその音に、雄弁にその在り方を語る声に静かに耳を傾けていた。

 何故ならその料理は。

 ―「私のもの」ではなく、他でもない。「坂崎さんのもの」なのだから。

 誰にも邪魔することは出来ない、坂崎さんの過ごした時間。その、再現なのだから。

 お粗末だったかもしれないが、シチュエーションこそ再現できていなかったかもしれないが。確かにそれは、その料理は。坂崎さんの塞がった「傷」を浮き上がらせていた。

 「うまい、うまい……!」

 傍に立っている、鏡の顔の男とトマーゾ。彼らも、静かに、岩よりも静かに、軋む音一つ立てず。ただ、静かに、音もなく声もなく。その様子を見守っている。


 「・・・何か、思い出せましたか?話してくれる気分になりましたか?」

 並ぶ墓標には染み入らぬ、「ごちそうさま」のしばらく後で。

 そのしばらく後の無言の中に、きっと。坂崎さんの声にならない声は―

 「・・・ああ、思い出したよ、色々とな。」

 果たしてそれは、砂のようにもろい坂崎さんの卵の殻の中に。確かに響いていたのだ。

 卵の殻を、叩いて破ったのは。他でもない坂崎さん、その人であった。

 

 「率直に言うとな?俺は・・・女房と喧嘩して、家を飛び出して。実家に帰ろうとして、そしてその途中で。長時間のバイク運転。その無理がたたって事故に遭って死んだんだよ。」

 それから彼は、空に眼球のピントを合わせて。無限遠で入道雲の向こうを見ていた。

 積乱雲の様に、激しく渦巻きあふれ出す記憶の渦を。彼は何とか形にしようとしていた。

 「順繰り順繰り、面倒臭いかもしれないが。とりあえず、愚痴と一緒に聞いといてくれよ」

 そしてあふれ出す、再び進み出す坂崎さんの「生前の時間」を。私達は静かに聴いていた。

 ・・・トマーゾさんの表情は相変わらずうるさかった、とぼんやり記憶には残っているが。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「いやー、それにしてもあいつ、女房や父ちゃん母ちゃん、兄ちゃん達には迷惑掛けちまうよなー。・・・死んじまったことはもうどうしようもないとして、それにしたって幾ら俺が旅が好きだからって、何も早足で先にあの世まで行くことはなかったんじゃないかっつーの。ねえ?いっつもおれ、早足でみんなの事追いてっちまったからなあ。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「・・・でもやっぱ、死出の旅なんてもんは老後の楽しみにでも取っておきたかったよ。体力も落ちた四十代のおっさんとはいえ、まだまだ元気でやりたいこともいっぱいあったってのになー。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「まあでも、子どもがいなかったのが唯一の幸いかねえ。子ども遺して死ぬんじゃあそいつが可哀そうだし、それに女房に苦労を掛けちまう。・・・ま、あの年で遺しちまって悪い事したとは思うが。誰か貰ってくれる人、幸せにしてくれる人でも見つかると良いんだがなあ。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「…もし奥さんがここにいらしたら。そのときはそのことを伝えておきますよ。信じてくれるかどうかは分かりませんけどね」

 「どうやって信じさせんの?」

 「そうですねえ…それじゃあ。旅先で知り合った人ってことにして、ついでに同郷だってわかって盛り上がったって。そのときそんなようなことを言っていたとでも伝えておきます。」

 嘘も方便、とはよく言うが。坂崎さんがここに居たというのは確かなことで。しかし、それを伝えるためには、坂崎さんの言葉を伝えるためには。どうしても必要なことだろう。

 「ところで。」

 「うん?」

 「いなかったんですか?子ども。こう言うのもなんですが・・・」

 「ああ、いいんだいいんだ大体分かるよ。若くてハンサムそうに見えて結構な年行ってるのに、って事だろ?」

 「いや、そこまでは言ってないですよ」

 普通に、自分が感じたままの苦笑いを表情に浮かべ、その冗談に対して返事を返す。

 「はは・・・ま~あ。あいつと直接会ったことはないだろうからわからんだろうが、あいつと俺は似たもの同士、って言うかな。あいつ。うちの女房との馴れ初めって言うのかな?旅先で出会って、バイクの話で意気投合して。それからたまーに会って色々話をするようになって。そんでお互い三十代くらいで結婚してなくて、でも子どもとかは別にいらない、っていうところでますます気が合って?なんていうのかなー、あいつと俺とは夫婦とか男女、って言うより友達みたいな、親友みたいな感じだったって言うか?な?なんとなくは分かるだろ?とにかくそういう感じだったんだあ・・・あんたに食わしてもらったパンのお粥は、あいつと一緒にいった旅先での思い出の味って訳で。なんだろうなあ、今まで食った変わった観光客向けのメニューより、味にガツンとパンチの効いた、こってりしてる外食よりも。すっげえ心に残ったんだわな。こんなにすっきりした味わいで、今までの外食とは全く違ったタイプの味で。幾らでも入っていきそうだ・・・って思ったときには、女房と一緒に追加で三皿くらい頼んでたよ。うめーうめー、っつってな。かっこんで腹いっぱいになっても、なんか悪い感じっていうかいやな胃もたれとかがなくてさ。それでさ・・・」

 坂崎さんが再びあふれ出してきたよだれを飲み込み、

 「・・・また今度、来年くらいにまた来ようって言ってたんだよなあ。結局行かなかったけどよ」        そして結局叶わなかったその計画を語る。

 「いやーしっかしほんと驚いたよ。まさかもう一回、まったく同じ料理が「こんなところ」で食べられるなんてなあ。本当、響宇さんは料理が上手なんだなあ」

 「まあ、本当に本当の端くれだったとはいえ、料理人として働かせてもらってましたから」

 静かに、照れくさそうに。しかし内心、誇らしげに私はそこに立っていた。

 「ほんと、ここにいるのが勿体無いくらいだよ。まあそのおかげで俺はこうしていい感じで旅に出れるって訳だがねえ…でもその腕は、もっと他の奴の為に振るうべきだよ。…これから一緒になる、俺みてーなかっこよくて優しい旦那さんの為に・・・なーんてな!わははっ・・・本当、その大人びて落ち着いたところはあいつにも見習ってほしいな」

 高尚でも、哄笑でもない。空振ったような笑いが私の胸をくすぐって。

 「そういえば、奥さんは料理とかは…」

 「あいつは俺に似てるって言ったろ?ほーんとに俺と面白いくらい似ててさあ。料理の腕もからっきしだったんだわ!あっはは、ほんと笑っちまうよなあ…キャンプ料理とかサバイバル料理できる俺のほうが上手かったくらいだよむしろ。」

 ああ、それはなんとなく分かる。男の人って本当そういうの好きだよなあ。

 そして。

 何故だか川原でバーベキューをする礼ちゃんと、管理人さん一家の姿が脳裏をよぎって。

 「でも、子どもって本当にいいものですよ?」

 そして気付けば、そういう風な言葉を私は口にしていたのだった。

 「ん?なんだお姉さん、まさかそんなに若く見えるのにもう・・・ 」

 私は暑さで火照って、赤く焼ける顔を、更に赤く紅い色に染め上げて否定する。

 「違います!大体さっきは老けて見えるって言ってたのになんですかもう。酷いですよ!」

 「いやいや、老けてるなんていってないよお。ただ、落ち着いて大人びて見えた、ってだけさあ。…で、何でそう思うわけ?」

 「私が老けてるって・・・   …と。

 言いかけて止めた。坂崎さんは別に私をからかいたいわけではなく。この人は私に。「子どもをよいものだと思う理由を聞きたいのだ。それならば真剣に答えるべきだろう。

 「いえね…」

 だからこそ、私は更に言葉を選ぶため、数秒の間。頭の中を涼やかにして。

 そして私の思考回路は、坂崎さんが十分納得するであろう答えを導き出した。

 「私、貴方より前に沢山の幽霊の人と、貴方と同じような境遇だった人と会ってまして。」

 「あー、やっぱりそうかい。お姉さんなんか見た目だけは暗そうに見えて、話してみると結構手馴れてる、って感じだったもん。」

 「あ、ありがとうございます。それで。」

 「それで?」

 「…その中に何人かまだ小さい子達がいましてね。それで、その子達と話してるうちに、とっても、なんかいいなあ、って思って」   勿論、本当のことだ。

 「ふんふん」

 うん、掴みは上々だ。そうしてここに、さっきの「理由」を挟んで行けば。

 「それと、管理人さん家の礼ちゃんと家族の皆を見て。礼ちゃんっていうのはそこの、霊園の管理人さん一家の娘さんで、凄くお喋りで活発で…っていうのは特に言う必要はないか。」

 「いや、必要な情報だと思うな俺は。」 「ですねー」

 鏡の顔の男と、珍しく存在感を消していたトマーゾさんが控えめに口を挟む。

 「でも、その内、それだけじゃなくて。かわいそうだとも思ったんです。」

 「と、言うと?」

 坂崎さんがよくわからないという風に、怪訝そうながらも。しかし確かな喰い付きを示す。

 「そういう子たちって、子どもの頃って。まだ自分のことばかりに精一杯で、一所懸命で。まっすぐで純粋、それで、そうありすぎるために周りのことがよく見えなくて。それで私くらいの年になってようやく回りのことが見え出してくるんですがそれがこの子達にはないんだな、って思うと、周りが見えた上での行動が出来ないんだと…例えば。あなたも旅に興味を持ってて、それでようやく自分で自由なままに旅を出来るようになったのって、高校生を過ぎてからとか二十歳くらいとか、私と同じくらいの年。そういうものじゃなかったですか?」

 坂崎さんは私の話に、「成る程!」というように理解を示したようだ。今私が話した「子どもの視界論」に、坂崎さんも共感するところがあったのだろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「んー、そ・う・だ・ねぇー……。確かに。一人暮らしとか旅行とかへの興味は中学校くらいから持ってた気がするがねえ。秘密基地作って友達と集まったり、それは正しいことなのにただ親にあれこれうるさく言われるのが嫌で、いろいろ、おにぎりとかお菓子とかゲームとか持ち出して家出して。でも、結局夜になったらなんだか帰りたくなって、ばつが悪くなって帰ったらどうしたの?って言ってやさしく迎えてくれてさ…あー、今になってなんか思い出してきちゃったよ。まあそんな感じで高校生まで旅に出たい、自立したいって気持ちはあったけど。やっぱり、本当の意味での自立と旅立ちってのを出来たのは高校生過ぎてから上都して、色々あって今の・・・じゃなかった、生前まえにしてた仕事に就いてからだね。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「でもね?そうして一人になってわかったんだ。俺って結構親にわがまま言ってたんだなーって。それで。ふと思ったんだよ。「将来自分が子どもにそんな事されて、耐えられるのかって、我慢できるのかって、いい父親でいれるのか、って。」…そんな風に考える様になってさ。結局、俺はそういう自信が持てなかった、あいつも、女房もそうだって言ってた。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「わがままばっかで育ってきた、でも他人のわがままは許せない、私もそういう奴だよ」ってな。結局、俺らは子どもってもんを愛せなかったんだと思う。自信がなくて、そういう自分を愛せなくて。…でもなんだか自分の在り方は変えたくなくて、それで子どもみたいに、いつまでも。楽しく旅先で遊んで、逃げてたんだ、そういう感じで・・・」

 ……

 八秒ほどの気まずい沈黙の時が流れる。

 その体感時間は、人が死ぬときの、一瞬の様にゆっくり流れて。

 時が流れる、

 響宇の頬の曲面に一筋の汗が、前に通った汗の道筋を通ってするり、と素早く流れていく。

 「坂崎さん・・・」

 沈黙を、蒸すような、不快指数が増すような、纏わりつくよな空気を変えようと響宇がその口を開いたとき。

 「でもな、今は違うよ。」

 僅かに遅れて、坂崎は一時止まっていた筈のその時を再び刻み始めた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「上手く言えないけどさ?俺が死ぬ前の、ほんとにちょっと前。俺は旅先で、電車の旅だった。ここからもっと北のほうの、地方の駅。そこで俺は一枚のポスターを見たんだ。ほんと、何気ないもんさ。でも、それはなんだか俺の心によく響いた」

 「「可愛い子には旅をさせろ」子どもが一緒に電車に載って旅をするイラストだ。…その後に。なんかキャッチフレーズが続いていた気がするが…RJ東日本で何たら…って感じか?まあそこはいいんだが、とにかくその言葉が、ことわざが。なんだかなぜか、その時の俺の気分にぴったり一致したんだ。なんていうか、色々なところを旅してるとその度に高揚感ばっかりじゃない、その時々に感じる違った感情ってのが湧いてくるんだよ。かっこよく言うと、付け足すと。センチメンタルとか、クールな感じになるときもあるんだ。そして俺は、…きっとそのポスターは作った側にしてみれば只の販促だったのかもしれないが。そのポスターは、俺の感情とぴったり一致すると同時に、本当の自分を、自分の気持ちを再確認させてくれたんだ。そして俺はー」

 「新しい、本当の自分になれてたんだ。その時はな。本当の自分ってのは。俺が思うに、一番新しい自分のことなんだと思う。挑戦をして、何かに気付いて。前の自分より成長している、進化している。まあ悪い方向に退化することもあるが…それが本当に悪いことなのかは図りかねるし、退化というのもまた進化と同じものであるといえるから、それはそれで前の自分よりは思考が先に進んだ、つまり進化したといえるのかもしれない。」

 「そして俺は、旅先で童心に返っていた心にそのポスターの言葉が響いて、重なり合って、更に退化して、思考が退行して。そこから更に、違うところへと一気に思考が伸びて育って行ったんだ。」

 「…ああ、俺にも子どもがいたら、もしも子どもがいたのなら。俺が今まで見てきたような面白いものを見せてやりたい、一緒に色んなものを見て、色んなところに行きたい、と。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「直情的な、その場の考え、雑念の様なものだったのかもしれないけど。でも、そういう煩悩が、欲望こそが人間の暮らしをよりよくするものを作っていく。その時の俺の思考は」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「…でも、そんな俺の変化した思考をあいつは、女房は受け入れてはくれなくて…」

 坂崎さんの瞳。そこには涙が溢れそうに溜まっていた。

 それをこぼすまいと、啜る鼻を垂らすまいと。ざらり、という感触とともにツナギの袖で拭い去るが・・・しかし、その行為で坂崎さんの悲しみは更に増して。

 「ん・・・・・・ああっ、鼻と目の下がざらっとする・・・やっぱ俺、もう死んでんのな」

 坂崎さんは鼻声で、涙を二筋すー、っと流して。

 「ようやく、はっきり。鮮明に理由まで思い出せたよ。・・・あいつと俺はすれ違った。違った、故に、擦れて、こすれて傷付いたんだ。…子どもな俺は、それがたまらなく嫌で、でも受け入れさせる勇気も更に傷つける勇気もなくて。気晴らしに、気まぐれに。久々に実家に帰ってみようと思って、でもその前に色々みてこうと思って。でも、それがよくなかったんだよなあ。うちについてからでもゆっくり色々見てけばよかったんだ。休憩なしのバイク運転で疲れきってた俺は……俺は、失敗したなあ、本当に。」

 そうして、自分の死というものを受け入れて。

 「俺はただ。あいつと、そしてまだ見ぬ、結局はみることが叶わなかったわが子の幸せを願っただけなのになあ。」

 しかし、だからこそ。その傷は消えることなくくっきりと浮かび上がり。

 その傷から、坂崎さんの胸に横一文字に浮かび上がった大きな傷から。霧のようなものが少しずつ、空に煙のように上りだしていくと。

 その魂は、坂崎さんの姿は。心残りは薄れていって。

 「子どもな俺は、本当に何も出来なかったよ、・・・あいつともう一度、思い出の料理を一緒に食べることすらな」

 しかし。僅かに残った心残りが。掠れた、嗚咽のような。ガラスを引っかくような、弦を乱暴にはじくような。・・・しおらしく泣くような声をその場に留めようとする。

 「花塚さん・・・もしまたあいつに、それから・・・俺の家族に会うことがあれば。そこにある、燃え残った俺の骨の塊を尋ねてくれる奴が来てくれたら。そいつらに俺の思い出話と、そして。思い出の味のこと、話してやってくれるか、そう、約束してくれるか?…頼みごとばっかり、助けられてばっかりで申し訳ないけどよ・・・・・・ああ、母ちゃん、母ちゃんの料理ももう一回くらい食べておきたかったが、やっぱりそこまでは頼めないよなあ。」

 「・・・わかりました。しっかり伝えておきますね」

 響宇はその「心残り」をしっかり受け取った。しっかりと、確かにしっかりと伝えるべく。

 「・・・あんたがいれば、安心だ・・・俺はとりあえず、これでようやく。新しい旅路に出ることが出来るよ・・・・・・」

 そして坂崎さんは瞳を閉じたが。

 「…そういえば、「これ」っていつになったら終わるんだ?この、体が消えてくやつ。」

 「あー・・・その、えっと、・・・人にもよりますが三十分くらいですかね?」

 なんだそれ?というような坂崎さんに、私は苦笑いを返すことしか出来なかった。幽霊の成仏、それはすー、っとすぐさま消えていくようなものではない。そういうものであるようなのだ。鍋にかけたお湯が蒸発する、水溜りの水が蒸発する。物質が変化するという現象には。人の心ではどうにもならない、世界の法則というものが働いていくのだ。

 ・・・お別れの挨拶を済ませるには丁度いいとは思うけど。

 本当、神様もたまには気の利いたことをするものだ。

 ・・・融通は利かないけどね。

 そして私達はそのおおよそ三十分を、喋り倒して過ごすことにした。

 「さーて、最後だからちょっと本音を言わせて貰うけどさあ・・・死人に鞭打つ、というか。幾ら何でもやり方が強引過ぎたんじゃないのかな?まあ話を聞く限り、人を選んでやってるんだろうが・・・それにしたって普通はもっと丁寧にやるもんだろうが。もしかしてお姉さん、そういう風に幽霊で憂さ晴らしするのが趣味なんじゃないかい?」

 「・・・確かにそうかもしれませんけど、いえ、憂さ晴らしのほうではなくて強引なやり語ってところで…でもちょっと言い過ぎじゃないですか?私の勝手なおせっかいとはいえ、一飯の恩義を与えてくれた相手に対してーこっちもサービス業じゃないんですよ?まあサービス業とかでもちゃんとお礼は言うべきですけども!」

 「はは…本気になってムキになるところ、お前もまだまだ子どもだな、響宇。」

 「え?それはどういう・・・まさか」

 「すみませんね、加々美さんの指示なんです。隙があればそんな風につついてやれって」

 「は・・・謀ったな、いえ、謀ったんですかー!」

 「私は良くないって止めたんのですが、ネー?」

 「…まんまとだまされました。次からは気をつけます。」

 いや、なかなか素直で良いんじゃないかな?寧ろ、そのくらいの方がいい。大人っていってもいつまで経っても上の奴からはガキ扱いされるもんだし、あんまり大人ぶってまじめに死闘としても、それはそれで大人ぶったガキに見えるもんだよ?」

 「…難しいですね。難しいですよね、人付き合いって」

 「そうだろう?うん、そうだよ。大人の世界は難しいもんだ。…お前さんもこれからそういう奴と嫌というほど付き合っていくことになるだろうが。どんな奴に対しても、しっかり「大人」な対応が出来るようになれよ」

 「大人な対応、って?何でしょうか、難しい質問だと思いますが」

 「うん…正直言うとな、俺もよく分かってねーんだわこれが。あははは…」

 「えー・・・」

 「俺は死んでも分からんけどな!」

 「あんたはそれこそ大人ぶった子どもでしょうが、紳士の仮面も所々はがれてるし」

 「まあ、俺から言えるのは「臨機応変」にってことだけだね。社会は都合のいいマニュアルのようには出来てない。時には自分の思うまま、いい方向に突き進むよう心がけていくことだな。・・・出来ないやつほど他人に批評や説教、ってな!わっはっは!」

 「…まあ、そんなものですよね。」

 「だな。」

 十分が過ぎ、坂崎さんの体は最初に出会った不透明な、きわめて普通の人間に近い見た目からミストサウナの室内、というような透明度を中継し、ペットボトルのジンジャーエール程度の透明度へとその見た目を変質させていった。その性格ゆえか、今はしっかり自分の死を受け止め、意識が「たどり着くべきところ」に向いているためか。その肉体の蒸発は、普通の幽霊よりもやや早いようであった。体も既に足の甲と、手首の辺りがもう辺りの背景と完全に溶けて見えなくなってしまっている。

 「それじゃ、俺の女房によろしくな。忘れてないよな?」

 「ええ。確か…「私が貴方の元夫の愛人です」でしたっけ?」

 「おおい!?ぜんぜん違うよそれ!」

 「冗談ですよ…さっきのお返しです」

 「おお、やりますね響宇さんも!」

 「俺はお返しに張り手を喰らったがな。素通りしたが」

 「はは、ある意味大人な対応だなあ。ジョークだったらそれで良いがな。本当頼むよ、死んでから更に恨まれるなんて嫌だからな俺は。」

 「死んでからも恨む人は沢山いますけどね。」

 「ああ、やっぱりそういうものなの。へえ…嫌ーな話だね。」

 そうして坂崎さんの姿がほとんど透明になってきて、ついには私の目では見えなくなる。もっとも、横の二人の幽霊にはまだ見えているようだが・・・

 しかし、姿こそ見えなくとも。坂崎さんの声は。まだしぶとくも、と言うか力強くそこに残っていた。

 「それじゃあ、またな…って言うと、すっきり成仏できそうにねえな?」

 「そうですねえ。それじゃあ、こういうのはどうです?」

 「ん?」

 「もうお盆以外はこっちに来ないで下さい、って。」

 「はは…成程な。確かにそれなら大丈夫だよ。しっかり成仏してる響宇のばあさんもその日には堂々とこっちに来てるしな」

 「ああ、もうこっちにはあんまり来ないよ」

 「ええ、あんまり来ないで下さい…と言ってももうすぐお盆だからまたすぐ来るかもしれないですけどね。」

 「ああ、もうそんな時期か…まあ向こうで祭りでもやってたら土産に何か買ってこようか」

 「冥土の土産、という奴ですか?それはうれしいような、手に余るような…」

 「縁起が悪いからかい?」

 「いえ、そういうときには沢山土産を貰うからですよ。特に土産の話は沢山頂きますので」

 「はは、そうかい。悪い話じゃなくて何よりだ。…じゃあ、行ってくるよ。」

 「ええ、道中お気をつけて」 

 「じゃあな、色々ありがとう」

  「またな、坂崎・・・・・・またいつか、酒でも飲ろう」

 「・・・・・・サカザキサンっ!・・・あなたのMessaggio、私覚えてますから!また会いましょう、どこかで!」


 そうして坂崎さんは、最後の言葉を私達に託して。静けさを遺し、消え逝った。

 「…これで本当に、「さよなら」ですね」   そしてトマーゾはどこかに消えて。

 「それじゃあきょうは、もう帰ろうかな。疲れちゃったから」 私も墓地を後にして。

 後に残るは、ただ独り。雲を眺める鏡の顔が、ぴかぴかに磨かれた御影石の傍らに。

                        瞼を閉じた御影石に映る空の色は、黒く。

 薄く広く。果てなく広がる夕闇の中、カナカナカナ・・・と。ヒグラシが去り行くその日々に、恋焦がれた日々の終わりに。まるで別れを告げるかのように鳴いていた。

 ・・・しかし、明日の明け方頃には。

 再びその声は、ヒグラシの叫ぶ飾り気のない純粋な恋歌は。

 まだ見ぬ新しい日々への恋歌として、夜明けの空に響くことだろう。

 散り朽ちて行く桜花も、蝉の骸も。地に落ちる紅い葉も、溶け出す雪も。

 その場で消え行くものなれど、しかし。そこで終わりを迎えるものではないのだ。

 全ては再び、貴方の傍に巡り来る。

 それがたとえ、貴方の目には見えない、形骸としてすら見えないものでも。


 「・・・しかし俺の声は、もうこの目に見える世界には響かないのだよなあ?」

 と、昨日とは違う陽炎の中で。鏡の顔の男が他に誰も居ない霊園で、否、

 「・・・あれが坂崎の家族か。一緒に線香でも供えてやるかな、俺はむせるだけだが」

 人は孤独だ。誰にも届かない心の闇を、死んで尚。そのうちに抱えてさまよう、そういうものであるのかもしれない。死んで尚、誰かに理解を求めることになるのかもしれない。

 だからこそ、もし貴方の言葉を聴いてくれる人が傍にいるのなら。

 ―その人を、大事にしてあげなさい。

 その闇は自分で理解してこそ意味のあるものなのだから、他人に答えを求めてはいけない。だがしかし、鏡写しに見える、他人に映った自分の顔にこそ答えはあるのだ。

 しかして、あなたが声の反響を求める闇というものは、宇宙のように深く広い道なき道。

 貴方と向かい合う鏡には。どんなあなたが映るだろうか?

 だが間違いなく、そこにあるのは本当の貴方なのだ。

                                     



/切断。 







鏡「・・・本編が終わったようだな。で・・・」 四季「はい、片付けも終わりました。」 礼「お父さんも迎えに来てくれるって。ところでさ?坂崎さんがこのコーナーに来なかったのって・・・」 トマーゾ「つまりはそういうことですねー・・・つまり坂崎さんは。もうこの場では会えない人なんですよ」 響宇「嬉しいことなのか、悲しいことなのか・・・まあ、うん。それでも。「望ましいこと」ではあるんだよね」 鏡「そうだな。響宇、お前は・・・いいことをした。」 響宇「ありがとう、でも。本当に・・・」 鏡「・・・他の誰かが。もしお前のやったことをエゴだ偽善だ、と言ったとしても。俺だけはおまえがやった今回の事を。「正しいことだ」と認めてやろう」 響宇「うん・・・うん。ありがとう。」 礼「かんどーてきだなあ。私、お父さんとお母さんがいてくれてよかった」 四季「そうですねえ。帰ったら色々とお手伝いしてあげましょうね」 トマーゾ「それでは響宇さん。締めてください」 鏡「なに、大丈夫だ。また会おう、位の軽い気持ちでいいし、もう少し何かやりたいことがあったらこの後に筆者の後書きの場が設けられるからそこで話せばいいだろう。」 響宇「うん!・・・こほん。それでは皆様・・・」 響宇以外の四人「「「「きょうのお墓ご飯をご愛読して頂き、ありがとうございました!!」」」」      響宇「・・・・・・え?」 四季「・・・あーあ、やっちゃいましたねえ。」 鏡「まあそう言いつつ四季も乗ってくれたじゃないか。「ガリガリ」と言われたのが余程効いたか・・・フハハ、ああ!実に愉快だ、愉快愉快!」 礼「んー、でもちょっと悪ノリじゃないのー?」 トマーゾ「なーに、イジメジャナイデス、イジリデスヨー?まあそっちの方が厄介ですけど・・・ま、笑って許してくださいねー。」 四人「「「「さあ、撤収撤収ー!わっはっはっはっは・・・」」」」   響宇「・・・・・・そ・・・・・・・・・」         響宇「・・・そういうオチかーい!」


              きょうのお墓ご飯 幕間劇・徒然ラジオ   END

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