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CRAZE-DANCE-OF-HERO  作者: 柚咲 優
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第4話 再会

久しぶりの投稿です 

孤児院 休憩室


「今回の旅はどうでしたか?」


「はい!今回はセフィリア公国方面を中心に旅をしたんですが、セフィリアは水も食べ物もとってもおいしい所でした」


 シスターがお茶の支度をしながら尋ねると、リアは嬉しそうに旅の報告をする。

 リアの騎士団での任務は各国の視察である。それぞれの国を旅しながら、各国の情勢を調査し報告をすることだ。有事の際には使者として他国に入ることもある。


「あいかわらず世界は平和そのものですね・・・お茶が入りましたよ」


 シスターは紅茶を注ぎリアに差し出す。


「ありがとうございます。あの・・姫様はお元気ですか?お土産を買ってきたのですが・・・」


 紅茶を飲みながらリアがたずねる。


「はい。リア様のお帰りを心待ちにしていらっしゃいますよ」


「そうですか!早速会いに行かないと!」


 リアはこの国の王女、アイリス・シゼス・アクリアーゼ と大変仲が良かった。

 リアは旅から帰還する度、アイリス姫へのたくさんの土産物と旅の話を持って帰り、プレゼントしている。

 椅子から立ち上がり部屋から飛び出そうとするリアをシスターが呼び止める。


「まあまあ、落ち着いてくださいリア様。ここに来たのは何か用があったからでしょう?」


「あっ!そうでした!ロベルト陛下からシスターに伝言があります。『礼拝堂に設置する新しい十字架を持ってきて欲しい』とのことです」


 リアは思い出したように言った。


「その件でしたら、陛下から伺っております。後ほどお持ちしますので、少々お待ちください。お茶のおかわりはいかがですか?」


 シスターはリアにお茶のおかわりを勧めた。


「ありがとうございます。いただきま・・・」


 ドカーン


 リアがカップを受け取ったまさにその時、大きな爆発音が孤児院に響き渡った。


「えっ?な、何が起きたのですか!?」


 その音に驚いたリアは思わず腰に差す剣に手をかけた。

 しかしシスターを見ると、呆れた顔で額に手を当て、「またですか・・・」と呟いている。


「ハァ・・・リア様ご安心ください。いつもの事ですから。あの子達ときたらまったく・・・」


「いつもの事?」


 リアはこの状況がいまいち飲み込めていなかった。

 そう、この音はアクトとロニのケンカの音である。

 どうやらケンカが終わった様だ。


「少し待っててください。今十字架をお持ちするついでに、二人に天誅を下してきますのでリア様は足下の割れたカップを片付けておいてください」


 シスターはリアの足元を指差して言った。


「えっ?」


 リアが足元を見るとそこには無残にも割れてしまったカップが散らばっていた。


「わー!すみません!すみません!今すぐ片付けます!」わたわた


 リアは慌ててカップの残骸を片付け始めた。



孤児院 中庭


「あなた達は何度言ったらわかるのですか!!!」


 シスターの怒号が中庭に響き渡る。

 アクト達の元に駆け付けたシスターは、二人に怒りの一撃を与え、正座をさせて、お説教を始めた。


(なあアクト、毎度のことだがシスターの説教は長ったらしいな・・)


(ああ・・それは同感だ。しかも毎回同じ内容だからな)


 アクトとロニはシスターの説教にはもう慣れっこで内容を空で言えるくらいだった。


「・・・・なわけです。聞いていますか!?」


「「ハイ」」


 シスターの言葉に二人は生返事をする。


「まあいいでしょう。罰としてこれから二人には仕事をしてもらいます」


「仕事?仕事ってなんだ?また掃除とかか何か?」


 アクトがシスターに尋ねる。


「いえ、掃除ではありません。今、院に騎士団からのお客様がいらっしゃってます。その方と一緒にシルフィード城へ十字架を持って行ってもらいます」


「十字架ってこの間持ってきたものすごーくデカイあの十字架か・・・?」


 ロニはシスターの言葉に青ざめた。

二人は数日前その十字架を町の工場からこの孤児院まで運ぶ仕事をシスターに頼まれ、実際に工場に行ってみたところ、あまりの大きさに度肝を抜かれてしまった。

 ここに運ぶのにも相当な苦労をした。

 その十字架を町はずれのこの孤児院から中心街のシルフィード城まで運べと言われたのだ。

 青ざめるはずである。


「わかったよ、シスター。城まで十字架を運べばいいんだろ」


 アクトが観念したように言った。


「おいアクト!本気か?あの十字架をまた運ぶんだぞ!」


 アクトにロニが反論する。


「少し落ち着けロニ、考えてみろ、城まで行ったらその帰りは自由だ。ちょっとは遊べるはずだぜ・・・」


「それもそうだな・・」


 アクトの提案にロニも納得し、シスターの仕事を快諾した。


「で、騎士団からの客ってのはどんな奴だ?」


 アクトが再びシスターに尋ねる。


「若くして王国騎士団『自由騎士』の称号を持つ女性です。とてもいい方ですよ」


「さぞかし美しい方なんだろうなー早くお会いしたいぜ・・・」


 女性と聞いてロニの反応が変わる。

 ロニは無類の女好きで町で女性を見かけたら必ずナンパをする程だ。

 そんなロニを横目にアクトは呆れながらシスターに着いていった。


孤児院 休憩室


 ガチャ


「お待たせしました」


「あっ!シスター!きゃあ!」 ズテーン


 シスターが部屋に入ると、リアはそれに反応したのか勢いよく振り返ったため足を滑らせてすっ転んでしまった。


「おい、大丈夫か?」


アクトがリアに手を差し出す。


「イタタ・・・ありがとうございま・・!」


リアはアクトの顔を見て目を見開いた。


「ん?どうした?俺の顔に何か付いてるか?」


アクトがそう言った次の瞬間リアはアクトに思いっきり抱きついた。


「おわっ!なんだよいきなり」


「やっと会えました・・」


涙を流しながら抱きつくリアにアクトは戸惑った。


「おいアクト!どこでこんな美少女と知り合ったんだよ!羨ましいなおい!」


ロニはアクトを羨ましそうに見ながら問い詰める。


「知らねーよそんなの!お前どっかで会ったか?」


アクトはリアに尋ねる。


「覚えていませんか?6年前トマス村で私を助けてくれたじゃないですか!」


リアは嬉しそうに笑いながら答えた。


「6年前?もしかしてお前は・・・」


「はい!リアです!アクトさん!」

なかなか投稿できなくてすいませんでした(__)


今後もご意見ご感想よろしくお願いします

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