第3話 ケンカ
翌日 孤児院 廊下
二人は掃除をしていた。もちろん自ら進んでやっているわけではない。
あの後、うまく逃げたかと思われたアクトだったが、シスターがアクトに向けてロニを投げ飛ばしそれが見事に命中しアクトもノックダウン。
二人でシスターから大目玉を食らい、罰として孤児院全体の掃除をさせられているのだ。
「あーあ面倒だな!なんで掃除なんかやんなきゃいけねーんだよ!大体お前があそこで俺を突き飛ばしたからこんなことになったんだ!」
ロニがバケツに水を入れながらアクトに文句を言う。
アクトは箒を剣のように振り回しながら答える。すでに掃除に飽きているらしい。
「あれは調子に乗ってポーズなんか決めてるからだ、バーカ」
「何だとまた馬鹿にしやがったな!」
ロニは雑巾を投げ捨て拳を構えた。それに対しアクトは箒を折り、柄を構える。
「ほーう、また俺にやられたいのか?」
「うるせー!返り討ちにしてやんよ!!」
「おもしれー!やってみろ!」
ロニは二年前に格闘技の道場に入門しそこでの修業を難無くこなし免許皆伝をされたほどの腕であり
そこらの盗賊などは軽く倒せるのだった。
一方アクトも六年前にこの孤児院に来てから剣術を習い始め、剣術の腕では街一番と評判である。
そんな二人はこうして時折ケンカをするのだ。
アクトは笑みを浮かべながら箒でロニに切りかかる。
「セイ!」
その箒を上手く捌きロニはアクトに向けて拳を放つ。
「蹴連弾!」
続けて素早く蹴りを六発アクトに撃ちこむ。
「何の!!」
アクトはそれを箒で受け止め体勢を整える。
「クロスソード!」
そして十字の衝撃波をロニにぶつけたがそれを上手く防いだ。
「やるなアクト」
「お前こそ」
その後も二人は互いに技を繰り出し攻防を繰り返して行き疲れが見えてきた頃
「そろそろ終わりにするか!ロニ!」
「ああ!」
二人は一旦間合いを取り最後の一撃に備える
「「これが最後だ!!!」」
「スラッシュインパクト!!」
「烈火拳!!」
アクトは空中高く飛び上がりロニに向け一気に箒で切りかかり、ロニは腕に魔力を込め炎をまとった
ストレートをアクトへ放ち、それらは同時に・・・
「「うぐっ・・・」」
互いの急所にヒットした。
結果、両者ノックダウンで今回のケンカは終了したのである。
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孤児院 玄関
「おかえりなさい」
シスターが一人の少女を迎えていた。
少女は15歳ぐらいで黒い髪を風に揺らしている。
腰にある二振りの剣、マントのそれぞれに騎士団の紋章がついているところから
王国騎士団の人間だとわかる
「お久しぶりです、シスター」
少女はシスターに丁寧にお辞儀をし、シスターは笑顔でそれに応じる。
「長旅ご苦労様です、リア様」
「リア・ハーツただいま帰還しました!」
更新をお待たせしてすみません
初めて戦闘描写してみました
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