第1話 出会い
改訂後 初投稿です
どうぞご覧ください
アクリアの端にあるトマス村に、今年10歳になる赤い髪の少年、アクト・リークライトは住んでいた。
アクトは毎日、友達と遊んだり、両親の畑仕事を手伝いながら楽しく暮らしていた。
しかしそんなアクトに、突然悲劇が襲う。
アクトは、何が起きているのかわからなかった。
突然何かが光ったかと思うと次の瞬間、村が燃えていた。
さっきまで遊んでいた友達も、畑仕事をしていた両親も、炎の中に消えていった。
アクトは村の端の大きな木のある小高い丘に向って走った。
丘までの光景はいつも見ている風景とはまるで違っていた。
家々は焼け、道には村人達が倒れている。
ここはもう自分の知っている村じゃない。
アクトはただ闇雲に走った。
丘に辿り着いた時には、村はすでに火の海になってしまっていた。
燃える村を見てアクトはただ大きな木に寄りかかり涙するしかなかった
「父さん・・・母さん・・・みんな・・・」
その時アクトは少女が倒れているのを見つけた。
村では見かけない子だったがアクトは少女に駆け寄った。
自分と同い年ぐらいだろうか?黒い髪がとても綺麗だ。
「大丈夫!?」
アクトが声をかけると少女が目を開いた。澄んだ黒い目だ。
「だれ?」
「僕はアクト。君は?」
「・・・リア」
少女、リアは小さく答えた。
「君ひとりなの?お父さんとお母さんは?」
「わからないの・・・怖いの・・」
アクトの問いにリアは泣きながら答えた。
アクトはリアを優しく抱きしめながら言った。
「大丈夫、僕がリアを守ってあげる」
「うん・・・」
(ここにいては危ないな、直にここに燃え移る)
アクトはリアを連れて村を出ることにした。
二人は燃える村のを駆け抜けた。
「ハア・・ハア・・大丈夫?」
アクトは息を切らしながら言った。
「うん、あっ!」
リアはアクトについてきていたが次の瞬間
ドカーンガラガラ
民家が二人の間に崩れてきたのだ。
「リアーー!今助けるからな!うわっ!」
アクトはリアを助けに行こうとしたがそこに瓦礫が落ちてアクトに直撃した。
気がつくとアクトはテントの中にいた。
「ここは・・・?」
「気がつきましたか?ここは王国の救助隊のテントですよ」
声のする方をみると救助隊員が洗面器を持ってテントへ入ってきた。
「村は?僕達の村はどうなりましたか!?」
「・・・私たちが駆け付けた時にはもう村は焼け落ちていました」
アクトの質問に救助隊員はうつむき答える。
アクトはリアを探したが姿が見えない。
「あの、リアは?黒い髪の女の子がいませんでしたか?」
救助隊員は首を傾けながら答えた。
「女の子?ああ・・・あの子ならさっき騎士団の方が来て王都に連れて行ったよ。何でも、あの子はとても偉い家の者らしくてね、家族と一緒にこの村に来ていたらしいんだけど、ご両親の死体が見つかってね、これから騎士団で預かるそうだよ」
「そう・・・ですか」
アクトはあの丘であったリアのことを思いながら眠った。
トマス村跡
「ウーン実験の成果としてはまあまあね」
一人の女性が村の焼け跡を見ながら呟いていた。
女性は茶色いマントをはおり何か機械のようなものを持っていた。
薄い青みがかった短い髪が風に揺れている。
「まっ一応成功といったところかしら、それじゃあ早く帰りましょうかねー」
女性は馬にまたがり村を足早に出て行った。
プロローグも微妙に変更
します
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