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謎に光るきれいな粉

 私の家では、年に一度だけ大掃除をしていた。

 きっと、あれはまだ小学一年生の頃だろう。

 入学式は、コロナウイルスのせいで屋外でやった。しばらくは、リモート授業だったし学校も分散登校。学校と呼べるようなことはなかった。

 そして、私も落ち込んで………


「あ〜〜暇すぎる!つまらん、ねみぃ〜」


 いなかった。


「床にテープ貼ったらなんか怒られたし…」


 ある時、間違えてセロハンテープを床に貼ってしまった。すると、床が輝いて見えた。

 そして、セロハンテープを床に貼ると、床がきれいに見えると思った私はリビングの床をセロハンテープで覆い尽くそうとしたことがあった。もちろん、楽しいということもあったが、家族のみんなに貢献していると思ってやっていた。


 しかし、私の父は掃除が嫌いで苦手な私とは違い、床にテープが貼ってあったり、台所がもので溢れていたり、洗っていない食器があることが許せない人だ。

 私が善意でやったことを理解してもらえるわけもなかった。

 

 もちろん、床をセロハンテープで覆い尽くす前に見つかりバカみたいに怒らた。


 今では、そんな父の神経を逆撫でるようなことをよく普通にやっていたなと思う。


 そして、そんなことを頭の片隅に追いやり、暇を持て余していた私は不意に床に爪を立てた。指を動かしてみる。

 ガリガリと音がして何かが削れる。爪を立てた跡には白く、透明なキラキラした粉が落ちていた。


「………きれーーー」


 内心、なんだこれで埋め尽くされていた。爪を立てたら出てきた謎の粉。しかも、キラキラしていてきれい。

 そして、今、私は暇。


 こんな、謎できれいなものを放っておけるほど大人ではなかった。


ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ


 少しずつ、深く削ってみたり、長く削ってみたり…


 気がつくと、リビングの床をほぼ削っていた。床にはたくさんの光る粉。そして、素足で歩いていたら私の足の裏にも光る粉…


「ギャーーーー」


 母がリビングの至る所に落ちている光る粉を見て叫んだ。母には、その粉の正体がすぐに分かったようだった。


「何やってんの⁉︎この間大掃除したばっかりだっていうのに!」


 ドユコト⁉︎大掃除がなんで出てくるの?てか、なんかダメなことした?


「ワックスかけたばっかりだったのに!」


 私の家では、年度末に大掃除をするのではなく適当なところで大掃除をする。そして、その時の大掃除は4月近くだったのだ。その時に、珍しく気合を入れて父がワックスを掛けていた。


 ワックス掛けしてからしばらくリビングに入らないようにして頑張ってかけていたというのに、ほんの数週間で意味のない時間にさせられてしまった。


 当然、私はバカみたいに叱られた。


 その翌年から、ワックスをかけることはなかった。


 今なら言えます。ごめんなさい…


 

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