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モブなのに命狙われてます!?

作者: たんふる

私は今、なぜか両腕を後ろに縛られ膝まづいている。そして首元に剣が当たっている。どこからどう見ても処刑前のような光景。こういうのはドラマとかだと興奮するよねー…って!


いやいやいや…これどういう状況!?

私の名前は赤崎玲。17歳の女子高校生で青春の絶頂です!…なんて言えるかー!!私は中学3年生の時から学校に行っていないです。運動音痴だし勉強も全くできないしそれに加え学校ではいじめを受けていて行く気なんてもうない。いわゆる引きこもりと言われる生活を送っている。

そんな私には今、とてもハマっているものがある。それは【ズッキュン・ラブ】通称乙女ゲーム。まぁ、私が引きこもりになった原因の7割はこれだ。

【ズッキュン・ラブ】名前こそは私でもダサいとは思うがストーリーがとても良い。コホン、詳しく語らせてもらうと長くなるので省略させてもらうが皆さんも気になると思うので少しだけ説明しよう。

【ズッキュン・ラブ】通称乙女ゲームで攻略対象五人とヒロインが恋に落ちていく恋愛物語だ。剣と魔法も使え私みたいなオタクにとっては最高だ。私が特に気に入ったところは第三話の…おっと失礼、脱線してしまいまた。とにかく私が言いたいのはここの世界とは違い娯楽の場所と言っていい。ってあれ?私はさっきから誰に語りかけているんだろう…まぁそんなことは置いておいてそろそろ日付が変わってしまう。


「お腹がすいた…」


口を開いたら最初の言葉にその言葉が出てきてしまった。当たり前だろう、2日間くらい水しか飲んでいない。流石に部屋に引きこもって何も食べずにゲームをしていていつの間にか死んでました。なんてとてもじゃないがお断りだ。そう考えつつも私は動こうとはしない。何年も引きこもっていて今更外に出るのに少し恐怖を抱きつつあるが割合的にはだるいという感情が勝っている。しかし!このままでは餓死してしまう。それだけは避けたいから出ることにした。


部屋着姿、いやパジャマで玄関に行き出たくないと言う思いを抱きながらもスリッパを履く。玄関のドアを開けると外は暗く完全に日が落ちていて足元もあまり見えない程だ。自分が誰もいない真っ暗な闇に包まれているようで少し身震いする。

「はぁ…なんか寒いしさっさとコンビニでも行って帰ろ。」

私が住んでいる所はマンションの3階なので足元を注意深く見て階段を降りる。階段を降り1歩ずつ足を前に出しコンビニへ向かう。当たり前だが人はほとんどいない。こんな時間帯に外に出歩く方がどうかしているが私は餓死しそうなので省かせてもらおう。少し歩いたところに私の目に光が入ってくる。私は思わず眩しくて目を瞑るがすぐにゆっくりと重い瞼を開け光の方向を見る。


するとその瞬間すごい音と共に私の体がいつの間にか宙に浮いていた。何かにぶつかった勢いで体が吹き飛んだらしい。地面についた衝撃で体が弓のように体が弓のように反り頭を勢いよく地面に打ち付けた。体は全く動かなかった、そもそも動けなかった。地面にぶつけた場所や何かにぶつかった場所がとても熱い。呼吸するのも苦しくなり意識も曖昧になってきた。

「せめてなにか食べないと…あーやばい。体が全く動かないや…てか家にあるもの食べれば良くなかったかな…あとズッキュン・ラブ…セーブしないと…」

視界が段々と赤色に染まっていく。誰かが呼び掛けてる声が聞こえるがもう返事もする気力すら無くなった。どんどんと眠気がまし瞼が下がり最終的に当たりが真っ暗になる頭を回そうとしても手を伸ばそうとしても体は全く動かず闇の中にいるだけ。

「このまま…」


闇の中へと沈んでいく感覚を感じた…

次の瞬間、はっと我に返ったように目を開く。両腕は後ろに紐で結ばれており膝まづいている。周りには重そうな鎧を身につけ、顔も体も全て鎧に覆われており見えない人達が数人おり床や壁、所々血のようなもので赤黒く染まっている。1人の鎧を身にまとった者が近づき私の首元に剣を当てる。金属のひんやりとした感覚が体を身震いさせる。剣を当てられた首の場所からは薄く血が滲んでいる。

私は今、大変な状況にあると理解をしてはいるが何故か至って冷静だった。それよりもここはどこなのか私は死んでいないのかなどの疑問の方が多かった。私がそれほど考えても答えを出せない小さな脳みそを絞りながら考えていると今、私の目の前に立ち私の首元に剣を当てている鎧の者、なんか呼び方が嫌なので鎧人と呼ぼう。男性か女性かは分からないので人だ。おっと、失礼、邪魔が入った。その一人の鎧人が口を開く。「選べ、ここで場所を吐いて死ぬか拷問され場所を吐かされ死ぬか。」


この時、私は思った。死ぬという恐怖など全くない、なぜなら1回多分死んでいる。それよりも私がツッコミたいのはどちらを選択しても死ぬということだ。恐怖とかではなく選択する気を無くした。それにまずそもそもここはどこなのかという疑問についての方が今、考えたい。私が考えに没頭し黙り込んで言うと鎧人が鼻で笑う。「なんだ、今更死ぬが怖くなったか?」

私はその言葉を聞いて少し頭にカチーンときた。そして私は日頃親やいじめっ子に本音を言えなかったストレスや全く攻略対象の好感度が上がらないストレスをぶつけてしまう。「うるせーわ。鎧人が!こちとら1回死んでんだよ。しかも今、めっちゃ考えてるんだから邪魔しないでくれる?話したいならそこら辺でぶつぶつ言っとけ。話しかけてくんなこのド変態が。」

相手の鎧人はこいつ何を言っているんだというような感じが取れた。私でさ最後のド変態という言葉は意味が分からない。いや、正しい方なのか?こんな人を束縛して選択肢を与えて困らす。……変態か。

その時、私の反応に苛立ったのか鎧人が剣を振り上げる。「そうか、お前は死にたいんだな。」

そう言い終わった否や剣が勢いよく振り落とされる。

私は思わず目を強く瞑ってしまう。

【次回予告】


第2話 売り飛ばされた瞬間客に体狙われてます!?

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