約束の花火にもう一度火を灯せ
前おき
長年付き合っていたが2人が恋の進展がうまくいかずに彼女から別れを告げてしまう。そして、もう次の年の記念日の日に2人が出会った場所に2人が来ていたら、やり直す。そして、お互いの魅力に気づいて、会えなかった時間に、2人が成長してきたかを伝える。
約束の花火にもう一度火を灯せ
線香花火ような愛の小ささ
5月のちょうど半袖で、歩いていても気持ちのいい天気の日にドライブの時に、小平哲哉と寺前美菜は会っていた。美菜たちはもう8年も付き合っていた。しかし長く付き合い過ぎて、美菜は好きかどうかもわからなくなっていった。
2人の記念日は、8月7日だ。付き合って間もない頃は2人でこの記念日のことを語呂合わせで『ハナビ』と言っていた。
しかし、美菜は哲哉にコンビニの駐車場に停めるように促してこう切り出した。『私、こう思うの。私たちの関係が悪くないんだけど、なんだか1人になりたくて。哲哉くんが悪いんじゃないんだけど。でも、なんか、貯金とかしてないし、同棲とか先見えないし、あっても楽しいとは思えなくなってきちゃった。ここ最近』と言った。
哲哉は『え、別れ話?俺、何にもしてないよね?タバコもしてないし、美菜の誕プレは好きなやつ買ってるのに?』と言っても、美菜は、黙ったままだった。
そして美菜は『ごめんなさい。でも、もし私もまた会いたくなったら来年の記念日、ハナビに、出会った場所分かる?徳島県の山本神社に、行こ。その時は連絡するから。身勝手でごめん』哲哉は、『あー、徳島県の山本神社なぁ。行ったなぁ。懐かし過ぎる。8年前だからなぁ。美菜おみくじ引いて2回凶だったところだよな』といって、少し上を向き涙をこぼしていた。
そして、哲哉は美菜の家に最後に送った。哲哉は車の中で大きな声で『美菜、可愛かったぜ、愛してるぜー』と言った。そして一拍おいて、小声で『ちきしょ。山本神社に行ってやるからな。』と言った。
努力のネズミ花火
翌月も翌月、何週も何週も、哲哉にとっては、退屈で寂しい日々だった。そして実感した。
それだけ美菜のことが好きだったんだな。
今も愛してる。
しかし美奈は俺のこと想ってないか。
と哲哉は、と思った。
また、哲哉は、頑張って同棲資金を貯めようと思った。
一方、美菜は、モデルのオーディションを受けていた。自分はどこまで試せるか、かけていたのであった。体重も落として、食事制限もして見た目をしっかりキレイに見せれるようにした。どこが自分の売りかというと、太ももだった。なので、ポーズも手を太ももに置いたりするようなポーズなど工夫したりした。
しかし、オーディションは、失格の連続で、落胆した。やる気をなくなった美菜は夜の仕事に勤めた。ガールズバーだった。
お客さんは40代から60代の人達で若手の美菜はどう接したらいいかわからなかった。お酒を作ることと愛想笑いで十分だった。そして、週5で月36万円くらいもらえた。
美菜の自分磨きは貯金をする。400万貯めたいと思っていた。
祝福と感動の打ち上げマリッジ花火
5月の第2、日曜に、哲哉の妹の香織ちゃんが結婚する。香織ちゃんの旦那さんは隼人さんで香織ちゃんの2つ上であった。25歳なのに薬局の店長にも任せられていた隼人君であった。
白いウエディングドレスでプロにキレイに化粧をしてもらったら香織ちゃんが親戚一同にお披露目した時は兄貴ながら哲哉さえ可愛いと思った。哲哉は今日本気で隼人くんに妹のことをよろしく頼む思った。
結婚式は無事に終わった。哲哉にもやっぱり忘れられない美菜との結婚という人生をやり直したいと思った。そして、哲哉は徳島県の山本神社に向かった。
何時間も、何時間も、何時間もかけてたどり着いた。徳島県の山本神社には大きな杉の木がある。幹の太さは15.7mあり、高さは3階建てのマンションくらいの高さの木だった。御神木だ。
哲哉はお賽銭を入れてから、二礼二拍手一礼をして願いことはもちろん『美菜にこの神社でハナビの日に会えますように』と強く願った。
それからおみくじも引いてみた。
巫女さんがいておみくじをお願いした。棒が出て出た数字は『11』まぁそうそう悪くない数字だ。そして、『小吉』だった。恋愛を読んだら、『信じて待ち続けたら願いが叶います』と書いてあった。
愛の感動のスターマイン
そして、とうとう、約束の日に、哲哉は朝8時に、起きていた。約束の地の山本神社の近くのホテルに泊まっていたのである。コンビニで朝ごはん用におにぎりを4つ買った。ツナマヨ、しゃけ、いくら、昆布を買った。昆布を残して、山本神社に向かった。
今日どんよりした雲で天気予報では夏のわりには夕方には雨が降るということであった。哲哉は車で山本神社に行き、車の中で、美菜のことを待っていた。美菜と会うのは1年と5ヶ月ぶりであった。『何を話そうか、来てくれるのだろうか、一目で美菜とわかるだろうか。』と色々考えていた。
そして、昼頃に女の人が1人で山本神社に来ていた。『あ、美菜かも』と哲哉は思い車から出た。そして声をかけようとしたが、全然違う人だった。内心『くそっ、美菜、来ないのかな。9時に来た意味がないだろ』と思った。
そしてまた、ローソンに昼ご飯を買いに行った。昼ご飯を食べながら、哲哉は『俺は今日は美菜にあってプロポーズするんだ。指輪はないけど、決心してるんだ』と言った。
そうしたら、雨がポツポツと降ってきた。その雨がのちに、ザーザーと大きくなってきた。そうしたら、ピンクの傘を持った栗色の髪の毛の女の子の後ろ姿を、哲哉が見た。
哲哉は『美菜、あれは美菜に違いない。あぁ、美菜だ。やっと会えた』と言った。そして哲哉は雨が降っているのもお構いなしに傘もささずに女の子に駆け寄った。美菜だった。
美菜は、『あ、あ、哲哉?来てたんだね。会えたね。約束の地のここで。出会えてよかったよ。』と言ったら濡れている哲哉に、抱きしめられた。そして、哲哉は美菜を抱きしめたまま、『結婚してください。もう美菜しかいないよ。美菜のことずっと考えてた。俺と結婚してくれ』と言った。美菜は『私も離れてみて、わかった。私も哲哉のこと、好きだなって本心から思った。プロポーズありがとうございます。これからは笑って過ごそうね』と言った。2人とも少し泣いていた。
ショックで煙臭い
とある日、美菜は産婦人科に行き、健康チェックに行き、乳がんチェックをしに行った。そしたら、ドクターが重い口を開いた。『小平さん、あなたは、乳がんのステージ4です。おそらく3ヶ月の余命です』と言われた。
美菜はひどく傷ついた。『あ、私、死ぬんだ。後何しようかな。うぇ。ぐっぐっ。うぇ。』と、漠然とした死の恐怖から怖くなり、1人泣いた。病院の外で、帰り道に1人泣いた。怖かった。美菜はどう哲哉にどう説明したら良いのかわからなかった。乳がんステージ4。ネットで調べたら、余命1ヶ月から3ヶ月だと、書いてあった。息を呑んだ。ネットの情報を見て、言葉が出なかった。今日は哲哉に言えない。今日は愛をもらおうと思った。
哲哉が帰宅した。今日の晩ご飯はいつもとは違う、哲也の好きなチーズケーキを作って、哲哉の好きな唐揚げを作って、『おかえり、いい日にしたくてね』と、強気な笑顔を見せた。少し泣きそうだった。哲哉は『わぁ〜、俺の好きなやつばかりじゃん!ありがたいね!嬉しいよ。疲れが飛んだよ』と言った。
食事を済ませて、2人がお風呂を済ませて、ベットで、哲哉がゴロゴロとしていた。そして、隣に美菜が、腕枕をしてもらった。
それから、キスが始まった。哲哉は、美菜にキスして哲哉の手は、美菜の顔を持って、『好きだよ。今日は幸せだよ。いつもありがとう。美菜』と言った。美菜は複雑な涙が出た。幸せと、死の怖さとの戦いが、頭の中で網羅したからだったからだ。美菜は『私も哲哉のことが大好きだよ。ずっとずっとずっと傍にいたいよ。もっとキスして、私に愛をちょうだい。』と言った。そしてその晩は、営んだ。
そして、終わった時に、美菜が、哲哉に、『今から怖い、話言うね。私、あと1ヶ月から3ヶ月の命なんだって。乳がんステージ4です。哲哉。哲哉。哲哉。哲哉。哲哉』と言って、哲哉の胸の中で大泣きしてギャンギャンと、泣いていた。
美菜は『もっと長く生きていたいよー。なんでなんだろうね』と言った。哲哉は、胸の中の美菜を見て、『本当なのか?嘘なんじゃないんか?嘘でいてくれ。俺も嫌だよ。美菜ーーー!!』と、強く握りしめた。
その晩は2人は寝れないでいた。お互いずっと抱きしめていた。
炭のお片付け
次の日、哲哉は、昼頃に帰宅した。『仕事辞めてきた。美菜、どこかに旅しに行こうよ』と言った。美菜は『うん。私のためだよね。ありがとう。じゃ、私が行きたいのは大阪かな。そこにいけたら十分だよ。』と言った。哲哉は『それじゃ貯金全部下ろしてくるかと言い、銀行へ向かった。美菜は2人分の旅の用意を部屋中から集めた。
11月だったため、大阪から行くことにした。USJで、アトラクションに乗れて美菜は楽しくて乳がんのことは忘れていた。哲哉は、美菜の喜ぶ顔が見れてホッとした。大阪で、たこ焼きと焼きそばを食べて、観光した。
その時、美菜の様子が急変した。『胸が痛い』と言い出した。そして病院へ。そして美奈は帰らない人になった。哲哉は大泣きした。葬儀が終わった。
その翌日の哲哉の夢に、美菜が出てきて、『ずっと傍にいるよ』と言った。