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第92話


 今余は魔法少女どもに捕まり教室の外に連れ出されている。


 全く余をなんだと思っているのだ、こいつらは。


 余はな、いずれ王になる存在なのだぞ。


 このことは結構言ってきたはずなのになぜか浸透していないんだよなぁ。


 あいつら余が嘘を言っているとでも思っているのか?


 それだとしたらすごく恥ずかしいのだが、余がまるでただ王に憧れているだけみたいではないか。


 あれ?まさかこいつら本当にそんなことを思っているのか?


 おいおい、だからこいつら含め、クラスの奴らは余をちょっと小馬鹿にしていたのか、いや、そんなはずがない。


 それだったら余はもう恥ずかし過ぎて生きていけないぞ。


 どうしよう、もう王になるとか言えないではないか。


 いや、いずれ王になるのは本当のことだ、これを有言実行したら良いことだけのことだ。


 危ない危ない、他人の目を気にして自分を曲げてしまうところだった。


 だから、余はいずれ王になると言い続けるぞ。


「で、余たちは何をするのだ?」


「ポスターを貼る」


「おい、またかよ!それもうクラス劇の時にやっただろ」


「仕方ないでしょ、それしか宇野くんの仕事無いんだもん」


 くっ、結局仕事をやらされるのなら教室の中で出来るやつをやるんだった。


「まぁまぁ良いじゃないですか、私は宇野さんと一緒にいれて嬉しいです」


「ええい、引っ付くな」


 余は余の腕にくっついてきた九重菫を引き剥がそうとする。


 だが、なぜかあっち側も対抗してきて離そうとはしなかった。


「離しません♪」


「ふざけるな、離せ」


 なぜこいつは離そうとしないのだ。


「絶対に離しません♪」


 だるい、こいつこんなキャラだったか?


「はぁ〜、じゃあもうせめて大人しくしてくれ」


 もう諦めた、こいつ楽しそうにしているからこれ以上言っても無駄だろう。


 頼むから他の奴にはこんなところ見つからないでくれよ。


「もうポスターを貼るだけだろ、さっさと終わらせるぞ」


 こんなところでグダグダしていても仕方ないからな、さっさと終わらせて帰ろう。


 と、思っていたら反対の腕の方に誰かがくっついてきた。


「おい、お前もか」


「なに、別に良いじゃん」


 くっついてきたのは意外にも高宮千沙だった。


「良いわけないだろ、早く離れろ」


「菫が良くて私が何でダメなの?」


 めんどくせぇ。


「じゃあお前離れろ」


「ごめんなさい」


 どんな断り方だよ。


「お前が離れないと高宮千沙が離れないだろ!」


「知りません」


 ふざけんな。


 本当になぜこうなってしまうのだ。


 もういっそのこと腕を切り離した方が早いか?


「もうそんなんだったら両方離せ、余はお前らのおもちゃではないのだぞ」


 やはりこいつらは余を舐めているな。


「というか高宮千沙、お前は余を嫌っているのになぜ引っ付くのだ」


「?」


 高宮千沙は首をかしげる。


「?、じゃねぇんだよ。二人三脚の練習をしていた時の余たちを思い出せ!」


「ケチケチしなくていいじゃない、王になるんでしょ?これぐらいの器の大きさ見せないと」


 こいつは本当に嫌なところを突いてくるな。


「だったら王として命令する。離れろ」


「まだ王ではないでしょ?」


「余はクラスの王だからな」


「知らないの?宇野もうクラス委員じゃないよ」


 え?


「どういうことだ?」


「宇野、田中先生に反抗してたでしょ?だからクビになったんだよ」


「なんだよそれ」


 もうクビになるのは慣れたから良いが、せめて余には言えよ。


 もう、どうでも良くなってきた。


「おい、せめて大人しくしておけよ。じゃなかったらすぐにでも引き剥がすからな」


「うん」


 一がニに増えてもそこまで変わらんだろ。



 ドンッ


 余の背中に誰かがぶつかってきた、まぁ桜井莉緒なのだろうけど。


「みんなだけずるい、私も」


 桜井莉緒は余のお腹に手を回してきた。


「あ〜、もういいや」


 余は諦めた。




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