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第91話

 文化祭


 中学では文化祭という名前だけ借りてただの歌の発表会だった。


 だが、高校生になると屋台とか展示とかがやれるようになった。


 まぁそんなこと余には関係ないことなのだがな。


 最近ずっと魔法少女に戦いを挑んだんだが、やはり最後の合体技にやられてしまう。


 もうあいつらの精神を乱して魔法を出せなくするのは無理なのだろうか、余の精神が保たない。


 半年以上は戦い続けているのだが、勝てる未来が見えたいのだが。


 確実に余自身は強くなっているのだが、余とあいつらには明らかな壁がある。


 だが、壁があるのなら越えていくだけだ。


 壁が見えなかったら諦めそうになっていたが、見えるなら登る方法は必ずあるはずだ。


 話が逸れてしまったが、今日は文化祭の準備期間だ。




「お〜い!宇野!こっち手伝って」


「王は手伝わん」


「宇野!手貸して!」


「王は動かん」


「宇野!ちょっt」


「王はお前らの為なんかに動くわけがないだろ」


 今は文化祭の準備をクラスで進めている。


 余は王だからな、こんなよく分からないしょぼい仕事をするわけがないだろ。


「お前またかよ!王なら尚更働けよ!」


「王はな、下の奴に命令するのが仕事なのだ」


「そんな仕事あるわけないだろ!」


「とりあえず余は働かん」


 全くこいつらは、余は王だから働かんことを知らないのか。


 ……あれ?これどこかで同じようなことがあったような。


「じゃあ、桜井、高宮、九重、お願い」


「予想はしてたけど」


「またなの!」


「一緒に行きましょ、宇野さん」


 魔法少女どもが余を捕まえて、教室の外へと引きずり出す。


「おい、離せ!余はここの王だぞ」


「はいはい、あとで聞くから」


「おい、佐々木!余を助けろ」


「ごめん、俺今日有給なんだよ」


「馬鹿野郎!下僕に有給なんかあるかよ!」


「もう、早く行くよ」


 そして余は魔法少女どもに引きずられながら教室から出た。


 何かに似ていると思っていたら、クラス劇の時と同じではないか。





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