第90話
ああ〜、イライラする。
結局、新しい敵の情報は何もなかった。
せっかく敵の情報を掴んだと思ったのだが、ただの不良だった。
あいつがややこしい言い方をしたから本当に人間じゃないと思っていたが、普通に人間だった。
はぁ〜、また情報を探すところからか。
「何考えてんだ?」
「別に何も」
今は昼休みで、佐々木と共に昼飯を食べている。
佐々木は余に最近出来た下僕だ。
佐々木は余の下僕だからな、常に余のそばにいて、常に余の言うことを聞いてもらわないと困る。
「何かつまらんから面白いことやれ」
「出来るか!」
「下僕のくせに余に歯向かうのか?」
「はぁ〜、下僕辞めたい」
辞めたいって、まだ下僕をやって一週間くらいだぞ、根性が足りないな。
まぁ、辞めたい気持ちは分かるがな、余の命令はキツいものばかりだからな、辞めるなら今の内だな。
「あともう少しで文化祭だな」
「は?文化祭?」
「体育祭があるんだから文化祭もあるだろ」
マジかよ、文化祭もあるのかよ、高校ってこんなにも行事が多いものなのか?
少し気に病みながら、昼飯の最後の一口を食べる。
「教室に帰るぞ」
「はいはい」
余たちは立ち上がり教室に向けて歩きだす。
ん?
教室に帰っている途中に見覚えのある生物が余の目に留まった。
「おい、先に帰ってろ」
「お、おう」
余は見覚えのある生物のところまで行き、引き止める。
「おい、待て」
余はそいつの頭を鷲掴みにする。
「え〜ポヨ〜、誰ポヨ〜!」
「余だ」
「お前かポヨ〜」
「おい、女神に会わせろ」
「無理だポヨ〜女神様は忙しいんだポヨ〜」
「だったらここでお前を潰すだけだ」
「うわ〜!分かったから分かったから離してポヨ〜」
ピカーンッ
これだ、この光だ。
眩しくて目を閉じて、次に目を開けた時にはあの場所にいるはずだ。
「あれ?宇野さんじゃないですか」
「ああ、久しぶりだな」
目の前には羽の生えた女がいた。
「どうされたのですか?わざわざあなたから」
「お前に聞きたいことがあったから来た」
「なんですか?」
「デスゴーンではない新しい敵についてだ」
こいつは魔法少女を創り出した奴だからな、知っているに決まっている。
「?」
女神は余の顔を不思議そうに見ている。
「お、おい、どうした?」
余、今何か変なことでも言ったか?
「?私が知っている限りではデスゴーン以外には知らないですけど」
は?
ちょちょちょ、ちょっと待て、こいつは今何を言ったのだ?
デスゴーン以外の敵を知らない?そんなはずがないだろ。
「お、おい、ちょちょ、ちょ、ちょっと待て」
「あなたが落ち着いてください」
「そんなはずがないだろ、それだったら余の説明がつかないだろ」
「そういえばそうですね」
いや、軽っ。
「あなたは何者ですか?」
「余が聞きたいのだ」
何が女神だよ、何も知らないではないか。
改めて余は一体何者なのだ?自分でもよく分からないのは大丈夫なのか?
「やはりデスゴーンとのハーフだったのか」
もう残る選択肢はそれしかないからな。
「いえ、それは違います」
「違う?何が違うのだ?」
「あなたのマナからはデスゴーンの気配がありませんから」
待て待て待て、今一体何を言われたのだ?
余に残された選択肢の全てが無くなってしまった。
余は頭が痛くなり、頭を抱える。
余は一体何者なのだ…




