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第78話


「いや、絶対に目玉焼きにかけるのは塩コショウだ」


「だから、醤油だって」


 まだ余たちは言い争いを行なっていた。


 しかし、言い争っているテーマはもうとっくに変わっている。


 最初は何で言い争っていたのかすら忘れてしまった。

 

「ちょっと待て。余たちはこんなところで言い争いをしている場合ではない」


「そうだったね」


「そうだ、余たちはデートしに来たのだ」


 余たちはデートをしてあのカップルに二人三脚で勝つのだ。


 そのために今日余たちはデートしに来たというのに言い争いばかりしてしまっていた。


 余はデートがしたいのだ。


「そういえばどこに行くかで言い争ってたね」


「そうだったな。途中で変な言い争いをしていたな」


 なぜ余と高宮千沙は目玉焼きに何をかけるかで言い争っていたのだ。


「もう、デート 定番 で検索して出てきた所で良いか?」


「それで良いよ」


 遊園地、水族館、ドライブ、ピクニック、どれにすれば良いのだ?


 ん?今チラッと書いてあったがプリクラ?とは何なのだ?


「おい、プリクラとは何なのだ?」


「え、プリクラも知らないの?でも、何て言えば良いんだろう?可愛く写真を撮れるもの?」


「何だよそれ、そんなものが人気なのか?」


 それだったら今のスマホでも十分だろう。


「違うの、もっとこ〜味が出るっていうか、普通の写真とは違うの」


「どう違うのだ?」


「あ〜、もう説明できないから撮りに行こう。撮ってみれば分かるから」


「それもそうだな、行くか。で、プリクラ?はどこにあるのだ?」


「ゲームセンターだよ」


「そんなところにあるのか」


 ということで余と高宮千沙はプリクラ?を撮りに行くためにゲームセンターに向かった。


 ***


 ゲームセンターに初めて来たが、こんなに騒がしいものなのか?


 すごい、こんな場所があるのか。


「で、プリクラはどれなのだ?」


「あれ」


 高宮千沙はプリクラであろうものに指をさした。


 な、なんだあの小さな小屋みたいなものは、あの中で一体何が起こるというのだ。


「あれがプリクラなのか?」


「そうだよ」


 プリクラとは意外と大きいものなのだな。


「行こう」


「うん」


 プリクラは店の奥にあるため色々なゲーム機を見て移動をする。


 移動の途中で変な奴らがいた。


「おい、何見てんだよ」


 あまりにも変だったからつい見過ぎていた。


「悪い、あまりにも変な奴らだったから」


 なぜあんなイキッた格好ができるのだ。


「おい、なめてんのか?」


「お前調子に乗るなよ」


 変な奴らは余に詰め寄ってきて胸ぐらを掴んできた。


「おい、謝ったのに何だよ」


「いや、謝ってないよ」


 高宮千沙が思わずツッコミを入れてくる。


「あれ、多分他校の不良軍団のやつだよ」


 高宮千沙が余にコソコソと耳打ちしてくる。


 他校の不良軍団ということはあいつのことを知っているかもしれない。


「お前らは佐々木って奴を知ってるか?」


「何だお前、教えるわけねぇだろ」


「お前生意気だな、ちょっと来いよ」


 余は5、6人に囲まれてゲームセンターの外に向かって歩かされている。


「ちょっと待って」


 高宮千沙は余たちが出て行くのを止める。


「あ、こいつの彼女?大丈夫だよ、殺しはしないから」


「君かわいいからこいつボコったあと俺たちと遊ぼうね」


「お前の心配してくれるなんて良い彼女じゃないか」


「いや、心配してるのはそっちじゃなくて」


 ウィーン



 ウィーン


「よし、プリクラ撮りに行くぞ」


「ねぇ、早くない?5秒も経ってないよ」


「あいつらが弱すぎただけだ」


 余は怪人化を相手しているのだぞ、人間に負けるわけがない。


「あの人ら大丈夫なの?」


「骨は折ってない」


「じゃあ大丈夫か」






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