第56話
やっとクラス劇が終わりました。
クラス劇3日前に事件がありましたけど、その事件があってよりクラスのみんなの絆が深まったと思っています。
結局誰がやった犯人かは分かりませんでしたが、これがきっと最大の復讐になったと私は思っています。
それもこれも皆さんが頑張ったおかげです。
本当に皆さんは素晴らしいです、私だけだったら絶対に成功していませんでした。
皆さんにはお礼をしたんですが、宇野さんがどこにもいらっしゃらない。
宇野さんにもちゃんとお礼をしたいのですが。
〜みなさん、デスゴーンが近くに現れ、一般の人を怪人化にしました。今すぐ向かってください〜
女神様の声が直接私たちの脳に語りかけてきました。
「千沙ちゃん、菫ちゃん」
「うん」
「はい」
私に伝えられたということはもちろん二人にも伝えられています。
クラス劇が終わってゆっくりしたい時のタイミングでくるなんて。
急いで人の目がないところへ行き、魔法少女に変身をし、怪人化した一般の人を助けに向かっていきました。
デスゴーンの姿はもう無く、怪人だけが残っていました。
いつかデスゴーンを倒して平和な地球にするんです。
まだクラスの皆さんが近くにいるから私たちがしっかり引き留めないと。
そして私たちは怪人と対峙をする。
嘘ですよね?
怪人化された一般人は鈴木先生でした。
なんでですか?なんで鈴木先生が。
「大丈夫?菫ちゃん」
「大丈夫だと思います」
きっと莉緒さんが大丈夫だと聞いてくれたのは普段から私が鈴木先生の話ばかりをするから心配してくれたのだと思います。
私がこの世で一番憧れている人ですから。
多分ですが私のせいで合体技を出さないのかもしれません。
莉緒さんと千沙さんが前に合体技を出そうとして出せなかったように。
私はこれでもすごく動揺しています。
私の人生を変えてくれた人と戦わないといけないと思うと。
だけどそんなことは言っていられません、私たちには地球の平和が掛かっていますから。
「私のことは気にせずにいきましょう」
「菫ちゃんがそう言うなら」
「菫が大丈夫なら」
そして私たちは怪人に戦いに向かった。
* * *
つ、強い。
私たちでは手も足も出ません。
「やっぱり強いね」
「そうですね」
「もう合体技しかないよね?」
「もうやるしかないですね」
私たちは一ヶ所に集まり、一点にマナを集中させる。
「「「スーパースマイルスプラッシュ」」」
私たちの最後の切り札で、これがダメだったらもう成す術はありません。
ドガーン
私たちの合体技は怪人に当たりはしましたが
ウオオオオオオ
いつもの威力は出ずに怪人はピンピンしています。
「ごめんなさい。私のせいです」
「大丈夫だよ、私も千沙ちゃんもやったことだから」
「これで三人一緒だね」
「菫ちゃんは出ただけでもすごいよ」
私はなんとか精神が乱れないように心を保ってはいたので少しは出来たのですが、やっぱり鈴木先生ってこともあり、動揺していたのかもしれません。
「この後はどうしましょうか?」
「そうだよね、どうしよっか」
「やっぱりあいつじゃない?」
「誰ですか?」
聞いてみましたが、あの人しかいないでしょうね。
「宇野にお願いするしかないかな」
やはり宇野さんでしたか。
「でもどうやってお願いするの?ただでは宇野くんは動かないよ」
「そうだよね」
「う〜ん」
宇野さんに頼むことは決まりましたがどうやったら宇野さんが私たちに協力するかは全く分かりません。
そうしている間にも怪人が暴れているというのに。
「おい、そこどいてろ魔法少女。あのデカブツは余に任せておけ」
あれ?なんでそんなやる気なのですか?




