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第34話

 私たちは騙されていた。


 美咲の味方だと思っていた宇野が最後には美咲を追い詰めていた。


 誰もが騙された。


 宇野は待っていたんだ、美咲が油断するほんの一瞬を。


 宇野凄くない?


 だって最初は菫を犯人にしようとしてめちゃくちゃな言い分だったのに最後の最後でどんでん返しだ。


 ごめん宇野、最初はめちゃくちゃバカにしてた。


 何でかわからないけど今私が興奮してる。


 あと、何でかわからないけどこのことを誰かに話してあげたい。


 誰かにこの興奮を共有をしたい。


 だけどちょっと待って、私のストーカーしてたの美咲なの?


 待って待って待って、何で美咲が?


 美咲は小学校からずっと一緒で、バレーもずっと一緒にやってたのに何で?


 今まで仲良かったのに嘘だったの?


「本当にすごかったね宇野くん」


 莉緒は私と同じ感想を持っていた。


 良かった私だけじゃなかったんだ。


「ふんっ、こんなこと誰がやっても出来る」


 できないからすごいんだよ。


「いや、本当にすごかったよ宇野。最初はヒヤヒヤしたけど」


「私も最初ストーカーの犯人が私って言われた時、ビックリしましたよ」


「それにしては菫、冷静だったね」


「そうですか?私すごく動揺してましたよ」


「え〜本当に?」


 あれで動揺してたんだ、分かりにくかったなぁ。


 今私たちは映画を観た後に感想を語りあってるみたいになってる。


「おい、ホールのチョコケーキをちゃんと用意しておけよ」


 宇野は私と一緒に帰ってくれてたのは報酬がホールのチョコケーキがあるからで、私の心配をしてくれてのことではない。


 ストーカーからの被害がなくなるか、ストーカーを捕まえるかの二択で、自らストーカーを追い込んで難しい方を選んだんだ宇野は。


「はいはい、ちゃんと用意しておくから」


 莉緒のお母さん感がまた増した気がする。


 宇野は宇野で反抗期の息子感出してくるからな。


「ところで、お前らは良いのか?」


「何が?」


「井上美咲がどこかに行ったが良いのか?」


「え?」


 本当だ、いない。


 私たちがこっちで盛り上がってる時にいつもの間にか美咲がいなくなっていた。


 まだ何で私にストーカーしていたのか聞いてない。

 

 私は友達だって思っていたのに。


「追いかけよう」


「「うん」」


 私たちはストーカーの理由を聞こうとして美咲を追いかけようと教室を出ようとする。


 だけど、宇野は全く動こうとしない。


「宇野は来ないの?」


「余はチョコケーキさえもらえればあとはどうでも良い」


 宇野らしい理由だ。


 本当にチョコケーキが好きなんだね。


「じゃあ解決したらちゃんと報告するからね」


 宇野は返事をせずに手を挙げるだけだった。


 私たちは教室を出て美咲を探しに行くけどどこにいるのかさっぱり分からない。


「とりあえず外出る?」


「そうですね、中にいたらすぐに捕まると相手は考えると思いますからね」


 とりあえず外に出て探すことになり、下駄箱で下靴に履き替え外に出る。


 すると美咲が立っていたけどすぐその後ろに見たことのある奴が立って何か美咲に話しかけていた。


 そいつは私たちのよく知っているあいつだった。


「そこで何してるんだデスゴーン」


「ち、もう来やがったか」


 デスゴーンだ。


 人の弱い心につけ込んで悪さをする、私たちが魔法少女になったのもデスゴーンを倒すためである。


「美咲から離れなさい」


「いいぜ、もう用は済んだからな」


 そう言うとデスゴーンはどこかへ消えていったけど美咲の様子がおかしい。


 美咲はスライム状の何かに飲み込まれていった。


 あの時の莉緒のお父さんの様に。


 ここで私は察知した、今から怪人化した美咲と戦うのだと。

 


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