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後輩エンド


 なんだかんだあり、大学生にまでなっていた。


 高校はうるさい奴が多かったおかげでしんどい思いをしていたが、大学はそこまでうるさい奴がいないから安心する。


 だが、あいつらが余に会いたいと言ってきた時は仕方なく会ってやっている。


「章ちゃん先ぱーい!」


 余に手を振って近づいてくるのはここの大学に入って出来た後輩だ。


 こいつが困ってるところを助けてやったのだが、助けたせいでこいつに懐かれる羽目になってしまった。


 こいつがいるせいで本来静かな大学ライフを過ごす予定が崩れてしまった。


「章ちゃん先輩は今暇ですか?」


「暇だったがお前が来たせいで用事が出来そうだ」


「えー!それって私と過ごす時間作ってくれるって事ですか?」

 

 うるせぇ。


「お前は暇なのか?」


「私はサボってきたので暇になりました!」


「何してんだ…」


 こいつは何をそんな元気いっぱいにサボった事を余に伝えているのだ。


「じゃあ暇だからどこか行くか?」


「行きましょう!」




 ***



「今適当に歩いているのだが、どこか行きたい所とか食べたい物はあるのか?」


 行く事は決定したのだが、肝心の場所がまだ決まっていなかった。


 それなのにこいつはなぜか嬉しそうに歩いている。


 今からすごく良い景色でも観に行く訳でも無いはずなのに。


「特に無いですよ。良いんじゃないですか?目的もなく適当に歩くのも」


「お前がそれで良いならいいが」


 変な奴だな、そんなに歩くのがの良いのか?


「そういえば章ちゃん先輩は高校の時はどうだったんですか?」


「なんだ急に」


「章ちゃん先輩の過去の事知らないなぁ〜って」


「別に普通だったぞ。変な奴は多かったが」


「友達はいなかったですよね?」


「なぜいない前提なんだ」


「だって、変ですし」


「変ではない。それに友達はありがたい事か知らんが恵まれてはいたからな」


「嘘…」


 余をそんな信じられない事でも言ったか?


「そんな信じられない、みたいな顔をするな」


「いやいやいやいや、こんな面倒くさい人友達になりたいと思わないですよ」


「失礼な奴だな」


「私同じ高校だったら絶対に友達になってなかったですよ」


「とことん失礼だな」


「ごめんなさい。でも、あまりにも意外で」


「お前は余を何だと思っているのだ」


「最上級の不器用な人です」


「いや、余は器用だからな。細かい作業は得意なんだぞ」


「そういう事じゃないです」


「そういう事ではないのか…」


 器用とはこういう事ではないのか?難しいな。


「でも、嬉しいです。章ちゃん先輩の良い所を知っている人が多くて」


 そういうものなのか?


「でも、私だけが章ちゃん先輩の良い所を知ってないのは悔しいです」


「面倒くさいな」


「はい!面倒くさいです!こんな面倒くさい私ですけど、これからもよろしくお願いしますね。章ちゃん先輩」


「はいはい」



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