2年生編 第80話
うーわっ、めちゃくちゃピリピリしてるんですけど。
せっかくの観光地なのに何一つ綺麗に見えることが出来ないじゃない!
私はただこの修学旅行を楽しみたかっただけなのよ!
それに何で私が巻き来れないといけないのよ!
小学生、中学生の時は友達がいなくて修学旅行というものを一度も楽しいものだと思った事が無かったから高校こそはと思ってたのに…。
宇野だよ、宇野。
あいつのせいで修学旅行がめちゃくちゃよ!
宇野のせいでみんながおかしいのよ!
せめて宇野の班に入れてもらおうと何回も宇野に電話してるのに出ないのよ!
出てよ!班に入らなくても良いから喋り相手になってよ!
「次どこ行く」
「別に」
「任せます」
キッッッッツ!
キツすぎるわよ!
私たちってこれが終わったらメッカを倒すためにみんなで協力しなくてはならないのでしょ?
ちょっと無理じゃない?
このままだったら何も出来ずにただただ地球を渡すことになりそうなんだげど。
「ご飯どうする?」
「どこでも良いですよ」
「何でも」
「好きな所にどうぞ」
相変わらずキツすぎる。
そもそも会話が少なすぎる。
友達のいない私が言えた事じゃないけどもっとコミュニケーションとっていこうよ!
「じゃあコンビニでイートインしましょう」
「ちょっと待った!」
思わず止めに入ってしまう。
修学旅行のご飯をコンビニで済ませる?
せめてコンビニのご飯を食べ歩きだったら観光出来るからまだマシだけど、イートイン?
チェーン店でみんなでワイワイしながら食べるのも修学旅行じゃなくても出来るけど、修学旅行なのにチェーン店っていう思い出が出来るけど、コンビニでイートイン?
どういう考え方をしたらそうなるのよ!
修学旅行じゃなくても出来るでしょ、の範囲を大きく超えているわよ!
「私ここら辺の美味しいお店知ってるからそこに行こう!」
知らない…。
ここら辺に美味しいお店があるなんて私は知らない。
どうしよう、咄嗟に出た言葉だから何にも考えて無かった。
考えろ、考えろ私。
ここで私は進化をするのよ!
回れ!頭!
「ここ真っ直ぐにあるの」
私はみんなを先導して歩く。
みんなが後ろにいる事を確認して、私は急いでここら辺にあるお店を調べる。
良いの出てこい、良いの出てこい。
今まだの自分では見た事ない指の動きで携帯を操作する。
あ、美味しそうなお店逆だった!
もう私真っ直ぐって言っちゃったから引き返せない。
本当は歩きスマホなんかしたくなかった、いつもと違うの景色を観ながら歩きたかったのよ。
顔を上げれば綺麗な景色があるのにスマホを見続けるという逆の行動をしている。
違う、私の修学旅行はこんなんじゃない。
あ、近くに良さそうな海鮮丼のお店があった!
美味しいご飯を食べて少しは空気が良くなったら嬉しいな。
あと少しで着く。
『定休日』
………。
「すみません、ドリアください」
結局チェーン店のファミレスに来た。




