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2年生編 第72話


 頼むから即答しないでくれよ。


 いや、これに関しては余が聞いたのが悪かった。


 なぜ余は聞いてしまったのだ、聞いてなかったらこいつは答えなかったかもしれないというのに。


「どうしたんですか?」


 クソ陰キャは別に照れているわけでもなく、緊張している様子でも無い。


 いや、ちょっとは取り乱せよ。


「どうしたも何も…、お前、結構やばいこと言ったからな」


「何がですか?」


「何がってお前…」


 余はこいつが怖い。


「え〜っと、だから、余のことが好きとか何とか」


 だからこれを言うのが恥ずかしすぎるのだ。


 こいつもこいつで感じとってくれよ。


「あ、はい。好きですよ。大好きです」


 何なのだ?こいつは。


 恥ずかしさの欠片も無いのか?


「なぜお前はそんな堂々としているのだ!」


「別に恥ずかしいことじゃありませんし」


「恥ずかしいことだろ!」


 前にお前は普通の奴だ、みたいなことを言ったがやはりこいつはおかしな奴だった。


「私は誇らしいんです」


「何が誇らしいのだ」


「宇野さんを好きになったことをです」


「別に誇らしいことでは無いだろ!」


 あれ?どこでこいつは変わってしまったのだ?


 本当にこいつは暗かっただけだったのだ、暗いだけの普通の奴だったのだ、なのにどうして。


「私は幸せ者です。こんな素敵な人を好きになったんですから」


 変な奴。


 もうこいつは余と一緒にいたせいで壊れてしまったのだな。


「お前も余と付き合いたいとか思ってるのか?」


「いいえ」


 え?


 あ、それは違うのだな。


 …いや、今かなり恥ずかしいことをしてしまったのではないか?


 フラれた?余は今フラれてしまったのか?


 自信満々で聞いたのだが、余と付き合うのは違うらしい。


 穴があったら入りたいとはこのことだな。


 だが、これは余が悪いのか?あれだけ余のことを好きだと言っていたのだぞ?勘違いしても仕方なくないか?


「私は別に宇野さんの隣にいれれば何でも良いんです」


「?…どういうことだ?」


「宇野さんが誰と付き合おうが、誰と結婚しようが、私と定期的に会ってくれるなら私はそれで良いんです」


「そ、そうなのか…」


 そ、そういうものなのか?余の知識不足なだけなのか?


「私は2番目で良いので宇野さんにいて欲しいんです」

 

「……」


 もう余は何も言えなくなってしまった。


 まさかこんなことになってしまうとはな。


 これはラッキーなことなのか?三股にはならなかったのが不幸中の幸いかもしれない。


「お前がそれで良いなら余は止めないが」


「はい」


 いや、待て。


 これはこれで後々面倒なことになるのではないか?


 まぁいいや。


 もう考えるのは疲れた。


「うちでご飯食べていきますか?」


「あ〜食べていこうかな」


 妖精には連絡しておかないとな。


 こいつの母親と父親がいるのだろうか、こいつの母親は知っているが、父親は知らないな。


 まぁ飯を食うだけだし問題はないか。


 ***


「ただいま」


「邪魔する」


 ここがこいつの家なのか、こいつと違って普通だな。


「あ!おにいちゃんだ!」


 そうだった、こいつの妹はクソガキだった。


 

 考えるのやめ過ぎた。





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