表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
184/250

2年生編 第55話


「ああああああああああああ」


 なぜだ、なぜ余はこんなに叫んでいるのかが分からない。


 黙って逃げ出せば良かったが、きっと余の何かが弾けてしまったのだろう。


 なぜ余はこんなにもモヤモヤしてしまっているのだ。


 モヤモヤなんかするはずがないだろう、ムカつくのが普通だろ。


 なぜ余はあの場から逃げ出してしまったのだ。


 あの場で余はあいつらに許してやらないって言うのが正解なのだが、なぜ余はあの場で逃げ出してしまったのだ。


 今余は早く1人になりたい。


 早く1人になって、この感情が何なのかを知りたい。


 ガチャ


「ただいまポヨ〜。いや〜相変わらず天気が良いポヨね〜。すぐに洗濯物が乾いたポヨ〜」


 妖精からすごくどうでも良いことを言われたが、そんなことは余に構ってられない。


「悪い。1人にしてくれ」


 かなり走ったから少しは冷静とはいかないが、話せれることができるくらいにはなった。


「どうしたポヨ〜?宇野らしくないポヨ〜」


 余の雰囲気をいつもと違う事を感じ取った妖精は心配で声をかけてきた。


「うるさい。今は1人にしてくれ」


「ポョ〜」


 最低だ。


 余がモヤモヤしていたからって妖精にぶつけるなんて最低のことだ。


 ダメだ。


 今まで余は自分を嫌いになったことが無いというのに、初めて嫌いになりそうだ。


 今まで余のことを好きになってくれる奴なんていなかったから、自分が自分を好きになることで何とか頑張ってこれたのだ。


 なのに、今余は自分を嫌いになりそうだからもう余の心はもたないかもしれない。


 こんな時に普通の奴らはどうしているのだろうか。


「あの〜、晩御飯はどうしますポヨ〜?」


 もう晩御飯を食べる時間になってしまったのか。


 妖精が余にすごく気を遣ってよそよそしく晩御飯の有無を聞いてくる。


 普段はこいつから晩御飯を作ることなんかないし、敬語も使うことなかったからこいつにしては珍しいことをしている。


「悪い。今日はいらない」


「分かったポヨ〜。置いておくからいつでも食べてポヨ〜」

 

 普段から気を遣わないこいつに気を遣わせてしまう余が嫌いだ。


 これから余は一体何がしたいのだ。


 

 ***



 結局一晩考えたところで答えなんか出るはずもなく、ただ眠れない夜が続いてしまった。

 

 幸いなことに今日は学校がない日だから眠れなくても大丈夫だ。


 まぁ結局は学校で寝てしまうのだから関係ないのだかな。


 じっとして何も思い浮かばなかったら何か行動した方が良いのかもしれない。


 良い匂いがする。


 どうやら朝ごはんを作ってくれていたらしいが、余を待っている途中で寝てしまったのだろう。


 こいつには悪い事をしてしまったな。


 もう余は決めた。


 今日、絶対に魔法少女どもを倒して王になってやる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ