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2年生編 第37話


「だから言っているだろ、本当に余の予備だと言っているだろ」


「……で、本当は?」


 ちっ、こいつしつこい。


 いい加減に帰ってくれよ、ここ余の家だぞ。


 もう勘弁してくれよ、なぜこいつは余の彼女ぶって余が浮気したような雰囲気が出ているのだ。


 余も余で追い詰められているような気持ちになっているからな。


 なぜ余はちょっと反省してしまっているのだ。


 だからこんな余が追い詰められているような気持ちになってしまうのだ。


 本当に付き合っていないからな、結婚もしていないからな。


 もし付き合っていたり、結婚していたりしていたらどこかで余の記憶が無くなっているのかもしれない。


 もう妖精と住んでいることを話そうかな。


 そうでないとこいつが帰ってくれない。


 だが、話してしまうと妖精を脅して妖精が余の家の合鍵にされてしまう。


「なぁ、誰にも一つは言いたくないことくらいあるもんだぞ。お前もあるだろ?」


 もう予備で押し通すのは無理だから、諭す方向に持っていく。


「ない。気になることがあったら今何でも話すよ」


 それはもう気持ち悪いからな。


 こうなったらセクハラでも何でも良いからこいつの話せないことを聞き出してやる。


 あ、まずこいつについて本当に聞きたいことでも聞き出そう。


「なぜお前らは魔法少女に選ばれたのだ?」


「女神様はランダムって言ってたよ」


 ランダムか〜適当な奴だな。


 正直に言うともうこいつに聞きたいことはない。


 こいつらはただ出てきた敵を倒すだけだから余の方がメッカのこととか、魔法とか知っていると思う。


 こいつのプライベートのことなんか興味がない。


 どうしよう、もう聞くことがなくなった。


「好きな食べ物は何だ」


「梅干しと納豆かな」


 もう聞きたいことがないからどうでも良いことを聞いてしまった。


 万事休すか?


「好きな奴はいるのか?」


「えっ…」


 お、これは!


「何だいるのか?」


「それは、え〜と…」


 よしっ!キタ!


 何だよ〜こいつも言いたくないことぐらいあるではないか〜。


 何だよ〜こっちをチラチラ見やがって〜、そんなに言うのが恥ずかしいのか〜、だったらそれは言わない方が良いよな。


 それを誰にも言いたくない秘密と言うのだぞ。


「な、言っただろ」


 これには余も満足顔をしてしまうな。


「別に言っても良いけど…」


「いやいや、無理しなくても良いんだぞ」


 普段から余の母親ぶっていたこいつにも好きな奴が出来たとはな、これを機に息子離れしてくれたら余は嬉しい。


「人にはな言いたくないことは一つくらいはあるって言っただろ?」


 まぁ余は人ではないがな。


「じゃあせめてこれだけは聞かせて一緒に住んでいるのは女の人?」


「いや、違うぞ」


「本当?」


「絶対だ」


「じゃあ信じるね」


 あいつは女ではないよな、オスかメスだから嘘は言っていない。


 そもそもあいつって性別あるのか?


「じゃあ私は帰るね」


「送っていくぞ」


「じゃあお願いしようかな」


 やっと帰ってくれた。

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