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第14話

 教室から出て行くことは出来たが、肝心の魔法少女の場所が全く分からない。


 別に魔法少女のところへ行かずに桜井莉緒の父親のところへ行けば魔法少女たちもそこへ集まるから桜井莉緒の父親を目指せば良い。


 桜井莉緒の父親は今デスゴーンによって怪人化してしまったからマナが感じるところへ行けば良いのだが、遠すぎるからマナを感じことができない。


 あの教師が足止めさえしなければ魔法少女どもに着いて行くことが出来たのだがな。


 無理なことを嘆いていても仕方ない、出来ることを探そう。


 そうだ!分身がいるではないか。その為の分身だと言って過言ではないくらいだ。


 急いで余は目を塞ぎ、分身の方の視覚に変える。


 分身の方の視覚ではもうすでに桜井莉緒の父親の怪人化が街で暴れていた。


 街にいた人々は大騒ぎになりながらこの場から逃げようと必死になっていた。


 デスゴーンはそれを見て楽しんでいるのだろう。


 そんなことはどうでも良い。どこだ、そこは?周りを見渡して何か目印になるものを探す。


 なんだ、何でも良い、ビルでも、看板でも、銅像でも何でも良いから。


 何か目印になるものを探していたら、先程まで見えていた光景が急に暗闇に変わった。


 ん?なんだ?急に暗くなったぞ。


 なぜ急に暗くなった?


 パニックになるな、落ち着け。


 考えられることは二つ、一つ目は分身を解いたか、誰かの手によって消されたか。


 これは違う。それだったら分身の方のマナは余の方に戻ってくるが、視覚が消えてからもマナは戻ってきていないからだ。


 そして、二つ目は誰かが分身の方の視覚を塞いでいるか。


 多分これだろうが、なぜ視覚を塞ぐ必要がある?


 なぜ、街が大騒ぎになっているのにも関わらず分身の視覚を塞いでいるのか。


 そして、分身だと分かった上でなぜ、分身を消さずに視覚を塞いでいるだけなのか。


 相手の行動が理解できない。


 分身を消さずにいるってことは余に何か言いたいことがあるのだうろか。


 余は目を塞いでいた手を離し、次は耳を塞ぐ。


 耳を塞げば分身の聴覚を共有することができるからだ。


「おい、お前は誰だ。聞こえているだろ」


 誰だ?誰かが分身の目を塞ぎながら余に話しかけてているのか?


「そうだよな、話せねぇよな。ちなみに俺様はお前らが呼ぶにデスゴーンって奴だ」


 デスゴーンだと……、桜井莉緒の父親と話していなくなったと思っていたが、なぜデスゴーンが余に用がある。


 あと自分のこと俺様って言っているのか、恥ずかしくはないのか?


「お前は一体何者だ、なぜ魔法を使えることができる。って聞いても返事は返ってこねぇよな」


 デスゴーンも分身の仕組みを理解しているのか、返事が返ってこないのを知っていた。


 どうやら余がなぜ魔法が使えるのか気になっている様子だ。


「お前は一体どっちの味方だ、俺様か、魔法少女か、魔法少女側だったら次会った時には容赦なく殺すからな」


 残念ながら余はどちらの味方でもない、余は余だ。


 魔法少女側だったら殺すのに、デスゴーン側のメリットはないのはかなり独裁的だな。


「くれぐれも俺様の邪魔をするなよ、じゃあな」


 どこかへ行く音が聞こえてきた。


 急いで耳から目へと塞ぐ場所を変えて何か目印になるものを探す。


 あの看板があるってことはあそこか。


 ここからだと10km以上あるな、まぁ余が本気を出せば5分以内には着く。


 下手すれば魔法少女よりも早く着く可能性すらある。


 今度こそ待っていろよ魔法少女。






   


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