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2年生編 第20話


 私は今まで友達が出来なかった、と言うとちょっと違うかもしれない。


 小さい頃は流石に友達ができていた。


 小さい頃はもっと純粋で、もっと明るくて素直な娘だった…、と思う。


 だけどある日、ママが友達付き合いをやめなさいと言われた。


 ママは私に世界一優しかった、何でも買ってくれるし、やりたいことはある程度やらせてくれたし、プレゼントをあげたら泣いて喜んでくれた。


 何で?と聞くけど答えはしないけど、友達と遊んでいたら怒られた。


 友達がいたら関わるのをやめなさいと何度も言われた。


 小さかった私はママの言うことを聞かないとダメだと思っていたから今までいた友達に嫌われるような態度をとった。


 それを続けていたらなぜか段々これが本当の性格になっていってしまっていた。


 そして、友達が欲しくなった時にはこの性格が邪魔になっていた。


 高校生になり、男に私みたいな奴がいた。


 そいつの名前は宇野章大だと言っていた。


 本当に私が2人いるんじゃないかってくらいのあの人を見下すような態度と、あの高すぎるプライドは私を見ているようだった。


 なのに、私とは全く違っていた。


 あいつは私と違って友達がいっぱいいた。


 意味が分からなかった、あいつに友達がいるのに私に友達がいないのが。


 ムカつく、本当にムカつく。


 2年生になり、私は宇野章大と同じクラスになった。


 今思えばアホみたいな考えだけど、宇野章大よりすごいと思われれば友達が出来ると思っていた。


 本当にアホみたい。


 そして今、私はどうしようもない感情に襲われている。


 私は無力だった、人一人救うことが出来なかった。


 だけど、宇野章大は違った。


 私と違って簡単に人を救ってみせた。


 ここでようやく分かった、私に友達が出来なくて、宇野章大には友達が出来るのかが。


 この私と宇野章大の埋まらない差を思い知ることが出来た。


「宇野章大!」


 私は宇野章大を大声で呼ぶ。


「な、何だ」


「ごめん。私頑張るから!」


「お、おう頑張れよ」


 


 

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