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2年生編 第13話


「いい加減に機嫌を直せ」


 あれから急に機嫌が悪くなりやがって、ただでさえ金髪のことで面倒くさいというのに、こいつも面倒くさいことになってしまっている。


 なぜこいつが機嫌を悪くなったのかが分からない。


 分かったとしても余は何もしないが、機嫌が悪いと友達を作る方法を教えてもらえないかもしれない。


「別に悪くないし」


 こんな分かりやすい嘘があるのか?


「そもそも何で凛の手伝いなんかしてるのよ」


「余もやりたくてやっているわけではない。あいつが余に付きまとってくるから嫌々やっているのだ」


「嫌々でもやってあげてるんだ。ふーん」


 こいつは一体何が不満なのだ。


「嫌々でわざわざこんな遅くまで残って、嫌々で普段人に頼らない宇野が凛のために友達が出来る方法を私に聞きに来たんだ。ふーん」


「お前は余の一体何が気に食わないのだ?」


「別に何も」


 めんどくせぇな、原因ぐらい教えろよな。


「じゃあ怒らないでくれるか?」


「私別に怒ってないから」


「怒っているだろ。お前怒ってる時や不安な時はいつも服の裾を握る癖があるからな」


 だからこいつが怒っている時や不安な時のサインは服の裾を握っているかいないかで判別出来る。


「あ、本当だ」


 余が癖のことを言うと高宮千沙は握っていた服の裾をパッと離した。

 

「見てくれてたの?」


 見てたというか、かなり分かりやすいからな、なぜ余以外の奴が教えてやらなかったのか不思議だ。


「あ、ああ」


「ふーん、見てくれてたんだ。ふーん」


 な、何だ、急に上機嫌になりやがって、余が何かやったのか?


 まぁ上機嫌になったのなら友達の作る方法を教えてくれるはずだ。


「まぁ、宇野がそこまで言うなら友達の作る方法を一緒に考えてあげてもいいよ」


 よしっ!なぜ急に教えてくれるようになったのかは分からないが、まぁ良いか。


「そうか、助かる」


「とりあえず、凛はプライドが高いかな」


 なぜこいつは金髪のことを知っているのだ!みたいなリアクションをとってしまったら面倒くさいから、ここはスルーの方向でいく。


 分かってはいたがあいつはイエローの魔法少女だから他の魔法少女と交流があるのだろう。


「あのプライドをどうにかしないと話にならないかな」


 流石はプライドだけは一丁前に高い奴なだけはあるな。


「あと、ちゃんと人の話を聞くことかな。凛はこっちが話しても目も合わせないし、体もこっちに向けないから、興味ないのかなって思っちゃうの」


「へー、そういうもんなのか」


 今思えば余はあいつらに体を向けて話聞いてたかな?


「まぁそれを何とかすれば友達出来るかもしれないよ」


「そんなことで友達が出来るのか?簡単じゃないか?」


「簡単じゃないと思うよ」


「なぜだ?」


「じゃあ、宇野は今言ったこと出来る?」


「……」


 ムッ、そうだな。


 余でも難しいのにさらに無駄にプライドが高い金髪からプライドを捨てさすのはさらに難しいかもしれない。


「とりあえず頑張って」


「ああ」


 あー、明日から面倒くさくなりそうだな。


「途中経過教えてよ」


「どうやってだ?」


「最近メッセージアプリの連絡先交換したでしょ」


「しないとダメか?」


「友達の作る方法教えてあげたでしょ!」


「は〜」


 なぜこう、面倒くさいことが積み重なっていくのだろうか。


 

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