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第13話

「何故だ?」


「当たり前でしょ、散歩っていう理由で授業から抜け出させるわけないでしょ」


 散歩がダメだったらどういう理由だったら良いのだろうか?保健室まで散歩だったら良かったのだろうか?

 

 ああ!保健室まで散歩だったらあの教師にも文句は言われないだろう。だって魔法少女たちも保健室に行くと言ったのだから。


「だったら保健室まで散歩に行ってくる」

 

 これでどうだ、文句の付けようがないだろう。


「だからダメだって、散歩しにいってるもん。あと保健室が良い訳じゃないからね」


 なに!完璧だと思ったのだかな、まだダメのようだ。保健室が良い訳ではないのか。


「では、トイレまで散歩しに行ってくる」


「ではってなに?保健室が良い訳じゃないからって言ったけどそういう意味じゃないから。結局トイレに散歩しに行ってるじゃん、普通に行ってよ」


 ふむ、そうだったか、普通に行けば良かったのか。


「散歩まで行ってくる」


「それはどういう意味なの?あなたにとって散歩って目的地なの?なんでそこまでして散歩したいのよ、嘘でも良いから保健室かトイレに散歩じゃなくて普通に行って。教師にそんなこと言わせないでよ」


 教師は何か息切れしながら余に熱弁してくる。何をそんなに言うことがあるのだろうか?


 余はこんなところで足止めを食らっている場合ではないのだ、今すぐにでも魔法少女のところへ行かないといけないのだ。


「今はあんたと遊んでいる場合じゃない、余は急いでいるのだ」


「遊んでなーい、全然遊んでなーい。私はあなたに説教をしているんです」


 なに!説教をしていたのか。全く気が付かなかった。


 というか、こいつは余に説教をしていたのか、こいつは余をなんだと思っているのだ、全く。


「それに散歩するのに急ぐ必要がないから」


 確かに散歩は急ぐ必要はない。だが、本当の理由は魔法少女のところへ向かうだから、本当の理由は言えない。


「すまん、本当は体調が悪いから保健室に行く」


 本当ではないが、急いでいるから嘘をつく。


「これ以上あなたと喋っていたら授業が進まなくなるからもう行ってきて良いよ。あとタメ口はやめなさい」


 やっと抜け出せた。


 長い戦いだったが、なんとか魔法少女のところへは向かえそうだ。


 あの教師が大人しく余を解放してくれなかったからかなりの時間がかかってしまった。


 待っていろ魔法少女。





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